12月11日(土)~12月26日(日)
※火、水曜日定休
ベイビーわるきゅーれ
12月18日(土)~12月25日(土) ※火、水曜日休館
(1)15:00~16:40
※予告5分
12月26日(日)
(1)16:00~17:40
※予告5分
※イベント日以外は当日券のみ、ご予約不可となっております
※ご来館の際はこちらをご一読ください
「ご来館時のお願い」
12月4日~12月26日:スケジュールPDFファイルはこちら
「殺し屋の映画」=暗い?
殺された妻の復讐?
「明るい殺し屋映画」があってもいいじゃないか!
社会不適合者な“元女子高生”殺し屋コンビが頑張って社会に馴染もうと頑張る異色の青春映画が誕生!
女性とて侮れない、本格的なアクションシーンと、今の時代ならではの、若い世代の考え方や価値観が散りばめられた物語の、新しい映画が誕生!
女子高生殺し屋2人組のちさととまひろは、高校卒業を前に途方に暮れていた・・・。
明日から“オモテの顔”としての“社会人”をしなければならない。組織に委託された人殺し以外、何もしてこなかった彼女たち。
突然社会に適合しなければならなくなり、公共料金の支払い、年金、税金、バイトなど社会の公的業務や人間関係や理不尽に日々を揉まれていく。
さらに2人は組織からルームシェアを命じられ、コミュ障のまひろは、バイトもそつなくこなすちさとに嫉妬し、2人の仲も徐々に険悪に。
そんな中でも殺し屋の仕事は忙しく、さらにはヤクザから恨みを買って面倒なことに巻き込まれちゃってさあ大変。
そんな日々を送る2人が、「ああ大人になるって、こういうことなのかなあ」とか思ったり、思わなかったりする、成長したり、成長しなかったりする物語である。
(上映時間:95分 )
12月11日(土)~12月26日(日)
※火、水曜日定休
ドーナツキング
© 2020- TDK Documentary, LLC. All Rights Reserved.
12月18日(土)~12月26日(日) ※火、水曜日休館
(1)13:00~14:44
※予告5分
※イベント日以外は当日券のみ、ご予約不可となっております
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12月4日~12月26日:スケジュールPDFファイルはこちら
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
ライブ音声ガイド付き上映
12月18日(土)13:00の回
ガイド:檀 鼓太郎さん(バリアフリー活弁士)
※音声ガイドご利用の方は、FMラジオとイヤホンをお持ちください。
※ガイド不要な方も、通常と同じくご覧いただけます。
※盲導犬のご入場もできます。
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
トークイベント
12月26日(日)13:00の回上映後
ゲスト:渋谷哲也さん(ドイツ映画研究者・日本大学文理学部教授)
1975年、カンボジア内戦から逃れ難民となり、妻と子と共に米・カリフォルニア州に渡ったテッド・ノイ。ある日テッドは、近所から漂う甘い香りに惹かれ、ドーナツ店に入る。一口でドーナツに夢中になった彼は、ドーナツチェーン・ウィンチェルで修業し、自分の店を構える。家族総出で休まず働くなか、店は妻クリスティの気さくな接客が評判を呼び、すぐに繁盛した。テッドは、自分の店で同胞のカンボジア難民たちを雇い、彼らにドーナツ製造のノウハウを教え、自活の手助けをした。系列店は拡大し、総資産2,000万ドル(日本円で約22億円)もの莫大な金額を手にした彼を、皆が”ドーナツ王”と呼んだ。成功を手にしたテッドだが、小さな躓きから人生が思わぬ方向へと転換する。
(上映時間:99分 )
12月18日(土)~12月26日(日)
※火、水曜日定休
偶然と想像
© 2021 NEOPA / Fictive
12月18日(土)~12月26日(日) ※火、水曜日休館
(1)10:30~12:36
※予告5分
※イベント日以外は当日券のみ、ご予約不可となっております
※ご来館の際はこちらをご一読ください
「ご来館時のお願い」
12月4日~12月26日:スケジュールPDFファイルはこちら
ひとつの偶然が起きることで、いつもの日常が変化を起こし、新たな日常へと人を導く。「運命」という枠の中では必然的な、でも人生においては思わぬハプニングでもある「偶然」というものを、映画という創作物の中でどう生かすことができるのか。濱口竜介の挑戦は、新たな映画的興奮を呼び込むと同時に、独自のリハーサル作業を貫き、重ねることで、俳優陣からも新たな魅力を引き出すことに成功している。
第1話で親友と元カレの間で揺れる芽衣子を演じたのは、NHK連続テレビ小説『エール』(2020)で全国的な認知を獲得し、今泉力哉監督の映画『街の上で』(2021)でも個性的なヒロイン像を見せた古川琴音。芽衣子の元カレに『グッド・ストライプス』(2015)、『いとみち』(2021)の中島歩。芽衣子の年上の親友・つぐみには『水の声を聞く』(2014)、『スパイの妻』(2020)の玄理。
第2話で芥川賞を受賞する大学教授・瀬川には『半世界』(2019)、『酔うと化け物になる父がつらい』(2020)、『孤狼の血
LEVEL2』(2021)の渋川清彦。彼をスキャンダルに陥れようとする既婚の大学院生・奈緒にモデルとしても活躍する『コドモのコドモ』(2008)、『ユートピア』(2018)の森郁月。瀬川を逆恨みする大学生・佐々木にテレビドラマ『仮面ライダーエグゼイド』(2016)、『君が世界のはじまり』(2020)の甲斐翔真。
第3話で高校時代のクラス会に参加するITエンジニア・夏子には『バッシング』(2005)、『大野リバーサイドパーク』(2011)の占部房子。夏子に駅前で出会うあやに『あゝ、荒野』(2017)、『愛しのアイリーン』(2018)の河井青葉。
濱口竜介にとって、短編製作はまさに映画監督としての原点。長編製作に踏み出しても創作の手は止むことなく、今や創作の基盤、ライフワークとなっている。この短編集では、フランスの名匠エリック・ロメールの作品群を範としながらも、個性豊かな俳優陣の好演も得て、作家としてまた大きな第一歩を踏み出すことができたといっていい。
(上映時間:121分 )
12月11日(土)~12月17日(金)
※火、水曜日定休
ミッドナイト・トラベラー
©2019 OLD CHILLY PICTURES LLC.
2015年、映像作家のハッサン・ファジリはタリバンから死刑宣告を受ける。制作したドキュメンタリーが放送されると、タリバンはその内容に憤慨し、出演した男性を殺害。監督したハッサンにも危険が迫っていた。彼は、家族を守るため、アフガニスタンからヨーロッパまで5600kmの旅に、妻と2人の娘たちと出発することを決意する。そしてその旅を夫婦と娘の3台のスマートフォンで記録した。砂漠や平野、山を越え、荒野をさまよい辿りついた先で、難民保護を受けられずに苦労することも。ヨーロッパへの脱出は、想像以上に困難を極めていた。人としての尊厳を傷つけられるような境遇を経験しながらも、一家は旅の記録を続けていく。撮影することが、まだ生きているということを確認することであるかのように…。本作は、故郷を追われて難民となるとはどういうことか、その現実が観る者に容赦なく迫ってくるドキュメンタリーだ。
(上映時間:87分 )
12月4日(土)~12月10日(金)
※火、水曜日定休
屋敷女
ノーカット完全版
©2007 LA FABRIQUE DE FILMS BR FILMS
2000年代前半、フランスは時ならぬバイオレンス・ショッカー・ブームに沸いた。アレクサンドル・アジャの『ハイテンション』、パスカル・ロジェの『マーターズ』、サヴィエ・ジャンの『フロンティア』そしてジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロのコンビが監督した『屋敷女』を加え、最怖のフレンチホラーの四天王と呼ばれている。特に本作は誰も描くことのできなかった壮絶なる恐怖と戦慄、映画史上最も邪悪な禁断の映像の数々で、2007年の日本公開時には大幅な修正とカットを余儀なくされたが、このジャンルの最高傑作として全世界にセンセーションを巻き起こした。本作は16年に『インサイド』としてハリウッド・リメイクされ、モーリーとバスティロのコンビはその後、『リヴィッド』、『恐怖ノ白魔人』などを発表してさらに評価を高め、ハリウッドに招かれホラー映画の金字塔の前日譚『レザーフェイス|
悪魔のいけにえ』を監督するなどフレンチ・ホラー界のエースとして現在も最前線で活躍中。もはや“伝説”ともいうべき悪名高き傑作の真の姿を見逃すな!
クリスマス・イブの真夜中、出産を翌日に控えた妊婦サラは、見知らぬ女の訪問を受ける。不審に思った彼女は相手を追い返そうとしたが、女の態度は強硬となり、ついには裏口の窓を破って侵入しようとする。危険を感じたサラは警察を呼び、女は姿を消した。しかし、警察が帰り、サラが床についたとき、彼女は黒い服を着た長い髪の女がすでに家の中に侵入していたことを知る。女は大きなハサミを手に、ものすごい形相でサラに襲いかかる。女は何者なのか?
女の目的は一体何なのか? 信じられない衝撃と理不尽な恐怖に包まれたサラをさらに陣痛が襲う。サラの人生最悪の夜は、まだ始まったばかりだった…。
(上映時間:83分 )
12月4日(土)~12月10日(金)
※火、水曜日定休
マーティン/
呪われた吸血少年
©1977 MKR Group Inc.
『ザ・クレイジーズ』
(1973)に続いてロメロが監督した劇場用映画。現代を舞台に、人間の血を求める少年(自称84歳)と、彼を監視するいとこの老人との確執を軸に、ドラキュラに代表される吸血鬼伝説を新たな視点・角度から描いた作品である。ロメロは本作を「自身の手掛けた作品の中で、最も気に入っている」と公言している。
ピッツバーグ行きの夜行列車で、青年マーティンは女性客を襲い、睡眠薬を注射して眠らせると生血をすすった。翌朝、犯行の証拠と死体を隠蔽し、通路にあふれる乗客たちをすり抜けてホームに降り立った彼の前には、白いスーツに身を包んだ老人が待ち構えていた。彼の名はクーダ。とても同年代には見えない2人だが、関係性は“いとこ”であるという。支線に乗り換えさらに小さな町に降りると、マーティンはろくに話しかけられることもないままクーダの自宅へと導かれる。マーティンの吸血行為を知っているクーダは、彼を自宅に住まわせ、行動のすべてを監視することにしていた。マーティンを“悪魔”だと考え、「町の人間には手を出すな」と警告するクーダは、室内に十字架やニンニクを掲げてマーティンを牽制するが、彼は「病気に過ぎない」と、十字架やニンニクが何の効力もないことを示す。クーダの経営する食料・日常雑貨店の手伝いをすることになるマーティンだったが、時おり湧き上がる血を求める衝動を抑えることができず、夜に家を抜け出しては凶行を続けていく。その一方で、クーダの孫であるクリスティーナと打ち解けた彼は、彼女の提案で部屋に電話を引く。孤独を抱え、自らが何者であるか思い悩むマーティンは、ラジオの身の上相談に匿名で電話。自分が吸血鬼であることを告白すると、彼は次第にリスナーの人気者となっていく。互いに孤独を抱える者として共感し、マーティンは唯一、町で暮らすサンティーニ夫人と心を通わせていく。吸血衝動が次第に抑えられ、マーティンは、このまま普通の生活を送っていくかに思えた。だが、夫人が突然自殺したことをきっかけに、物語は衝撃的な結末を迎える。
(上映時間:96分 )
11月27日(土)~12月10日(金)
※火、水曜日定休
犬部!
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
アフタートーク
11月27日(土)16:20の回上映後
ゲスト:片野ゆかさん(原案者)
11月28日(日)16:20の回上映後
ゲスト:太田快作さん(獣医師・本作モデル)
行き場のない犬や猫のために、人生をかけた若者たちがいた――。
捨て犬や捨て猫を救うために、現役の獣医科大学生が立ち上げた実在したサークル「犬部」を、ご存じだろうか?
SNSが今ほど発達していなかった時代、青森県十和田市で行き場を失った犬と猫を自ら保護し、草の根運動で里親募集や譲渡会を行っていた「犬部」のメンバー。当時、彼らが所属していた獣医科大学では、動物の生体を使った実習が、手術の授業の一環として組み込まれていた。つまり、獣医師になるためには、動物を安楽死させる=外科実習が避けては通れない道だったのだ。そんな環境下で「1匹も殺したくない」「生きているものは全部助ける」と現状に異を唱える一人の学生がいた。彼が中心となって発足した「犬部」は、当時異端中の異端の存在だった。
そんな「犬部」の活動は、2010年に発行されたノンフィクション「北里大学獣医学部
犬部!」(片野ゆか著/ポプラ社)で紹介され、その後「犬部!ボクらのしっぽ戦記」(小学館:少年サンデーコミックス)、「ツヅキくんと犬部のこと」(秋田書店:エレガンスイブ)としてコミカライズされるなど、様々なメディアミックスが行われた。
そして、2021年には、満を持して実写映画化が決定!『犬部!』として、7月22日に劇場公開を迎える。超が付くほどの動物好きで、「殺処分ゼロを目指す!」という目的のため、どんな状況でも諦めずに奮闘する熱血主人公・花井颯太を演じるのは、NHK連続テレビ小説「スカーレット」(19)や映画『私をくいとめて』(20)など、話題作に多数出演してきた人気俳優・林遣都。その相棒で心優しい同級生・柴崎涼介に扮するのは、NHK連続テレビ小説「なつぞら」(19)や映画『虹色デイズ』(18)、『砕け散るところを見せてあげる』(21)などに出演し、人気急上昇中の中川大志。さらに、映画『あの日のオルガン』(19)、NHK連続テレビ小説「なつぞら」(19)他、ミュージシャン/俳優として活躍する大原櫻子、ドラマ「あなたの番です」(19)、映画『劇場』(20)、『滑走路』(20)の浅香航大といった面々が、愛する動物のためにひた走る若者たちになりきった。
(上映時間:114分 )
11月27日(土)~12月3日(金)
※火、水曜日定休
ファンタスティック・
プラネット
©1973 Les Films Armorial – Argos Films
舞台は地球ではないどこかの惑星。真っ青な肌に赤い目をした巨人ドラーグ族と、彼らに虫けらのように虐げられる人類オム族の、種の存続をかけた決死の闘いを描く――。
フレンチSFのパイオニアであるステファン・ウルの原作「Oms en Série」をもとに、ブラックユーモア溢れる幻想的な画風のアーティスト
ローラン・トポールが4年の歳月をかけて原画デッサンを描き、<切り絵アニメーション>という手法で鬼才ルネ・ラルーが1973年に映画化。そのあまりに独創的でファンタジックな世界観で瞬く間に批評家・観客たちを魅了し、アニメーション作品として史上初めて第26回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞した。
日本でも1985年の劇場初公開以来カルト的な人気を誇り、2020年12月に東京・渋谷で行われた1週間限定上映でも満席回が続出。作品誕生からまもなく半世紀を迎える今なお、新たなファンを獲得し続けている。
今回待望の初DCP化により、トポール×ラルーが作り上げた世界観のクオリティの高さがより一層体感可能に。アニメーション映画のマスターピースに再び命が吹き込まれる!
(上映時間:72分 )
11月27日(土)~12月3日(金)
※火、水曜日定休
ザ・クレイジーズ
©1973 PITTSBURGH FILMS.ALL RIGHTS RESERVED.
『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』(68))『ゾンビ』(78)『死霊のえじき』(85))などゾンビ映画の生みの親であり、ホラー映画界の巨匠ジョージ・A・ロメロが1973年に撮影した伝説のパニック・ホラー。人間を発狂させる細菌兵器の事故による人々の混乱をセミ・ドキュメントタッチな設定と残酷描写を交えながらの狂人、軍人、生存者の手に汗握る三つ巴で描いた傑作。
アメリカの田舎町、エバンズ・シティ。ある日、住人の男性が突然発狂して妻を殺し、家に放火する事件が発生した。消防士のデヴィッドは現場で消火作業を行う中、同僚に町へ向かう軍の部隊を見たと告げられる。やがて町に防護服に身を包んだ兵士たちが現れ、伝染病の発生を理由に住人たちを強制的に連行し始めた。デヴィッドは詳しい説明も行わない軍の姿勢に反発し、友人のクランクと恋人のジュディを連れて数人の住人たちと共に軍の封鎖線からの脱出を試みる。実は町の付近に軍の輸送機が墜落し、搭載していた生物兵器のトリクシーが流出して飲料水の水源を汚染し、住人たちを発狂させていたのである。
政府は事態が明るみに出ることを恐れてペッケム大佐を派遣し、軍政を敷いて町を完全に封鎖すると同時に、封鎖失敗に備えて核爆弾による焼却を行うべく、上空に爆撃機を待機させる。デヴィットたちは軍から逃れるべく逃避行を続けるが、彼らの中にも発狂者が現れ、一行は次第に追い詰められていく。
(上映時間:104分 )
11月20日(土)~12月3日(金)
※火、水曜日定休
素晴らしき、きのこの世界
© 2018, Fantastic Fungi, LLC
あなたは、きのこの偉大さをまだ知らない―。ブリー・ラーソンが誘う、魅惑のきのこワールド!
ナショナルジオグラフィックやディズニーネイチャーのドキュメンタリー作品を手掛け、タイムラプス映像のパイオニアと言われる映像作家ルイ・シュワルツバーグが、きのこ・菌類の秘めたる力に迫り、鑑賞後は人類に希望を与える驚異のドキュメンタリー。
アカデミー賞俳優であり、きのこ好きのブリー・ラーソンがナレーションを務めているほか、菌類学者のポール・スタメッツや『フード・インク』(08)にも出演したジャーナリストのマイケル・ポーラン、人気フードライターのユージニア・ボーンら様々な専門家が登場し、医療や治療、環境問題などに対する菌類を使った知られざる解決策が明かされる。きのこ・菌類は、食物としてだけでなく、様々な生命の再生や維持、アルツハイマーやがんなどの治療、環境汚染の浄化にまで役立つことから、地球上の様々な問題にきのこの応用が期待されている。本作は、幻覚作用をもたらす一方で、人間の命を救うほどの力も持っているきのこ・菌類の可能性を教えてくれる。偉大で神秘的な力を知ることで、未来への希望が感じられるだろう。
パンデミックを経験し、希望をなくしがちな今だからこそ心に響き、あなたのきのこに対する意識を変えるに違いない。
(上映時間:81分 )
11月20日(土)~11月26日(金)
※火、水曜日定休
アミューズメント・パーク
©2020 George A. Romero Foundation, All Rights Reserved.
『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968)『ゾンビ』(1978)などの巨匠・故ジョージ・A・ロメロ監督が1973年に手掛けた幻の未発表映画。2017年に存在が発見され、4Kレストアが行われた。日本初上陸。
もともと年齢差別や高齢者虐待について世間の認識を高めるためにルーテル教会がロメロに依頼した企画だったが、出来上がった作品は老人の悲惨な状況が容赦なく映され、そのあまりにもストレートに当時のアメリカ社会を描いた内容に依頼者は慄き、危険なため封印されていた。
多くの家族連れやカップル、若者で賑わう遊園地。白いスーツに身を包んだ優しそうな老人はひとり、無視され、罵られ、突き飛ばされ、存在を否定され、頭から流血し、スーツはボロボロになり、孤独と屈辱にまみれ、行き場を失い泣き崩れ、精神が崩壊、思考が停止する。
エンタメ性は皆無。当時のアメリカ社会を痛烈に批判。ロメロがある意味での教育映画を撮っていたという希少性。ホラー映画ではないがロメロの視点で現実を映し出した貴重な作品であり、半世紀封印されていた幻の作品がいよいよ日本初公開。
(上映時間:53分 )
11月13日(土)~11月26日(金)
※火、水曜日定休
キネマの神様
©2021「キネマの神様」製作委員会
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
舞台挨拶決定
11月21日(日)11:50の回上映後
ゲスト:山田洋次監督
※トークは30分間
松竹キネマ合名社の設立、そして数々の名作を創り出した蒲田撮影所の開所を迎えた1920年から、日本映画史を飾る傑作、ヒット作の製作、配給、興行を続け、2020年に松竹映画は100周年を迎えました。『キネマの神様』は、そんな松竹映画100周年を記念した作品となります。
監督は日本映画界を代表する山田洋次、原作はこれまで数々の文学賞を受賞してきた人気小説家・原田マハによる「キネマの神様」。彼女が自身の家族、経験をもとに書きあげた思い入れ深い小説を、山田洋次監督がオリジナルの映画作品へと昇華させました。2020年3月1日にクランクインするも、撮影のちょうど半分を終えた3月末に、ダブル主演を務めるはずだった志村けんさんがご逝去されました。程なくして日本政府による緊急事態宣言が発出し、撮影は長期中断を余儀なくされるなど、あらゆる困難が降りかかりました。
しかし、世の中がどうなるか分からない状況下でも、山田監督はじめ制作スタッフは撮影の再開を信じ、前を向いて準備を進めました。撮影休止中に山田監督は脚本を再考し、新たなキャストを迎え、感染症対策を万全にした態勢で撮影を再開。このような長い旅路を経て、作品を届けたいと願う全ての人の想いが込められた本作がついに完成し、2021年8月6日に公開を迎えます。
ダブル主演を務めるのは志村けんの遺志を継ぐ沢田研二と、誰もがその人気と実力を認める俳優・菅田将暉。更に日本を代表する名女優・宮本信子と若手人気女優・永野芽郁など記念すべき作品にふさわしい豪華なスタッフ/キャストが集結しました。
本作は、数々の名画を生み出してきた松竹映画100年の歴史を見つめ、これから100年の映画界へのバトンになってほしいという希望が込められた作品です。
(上映時間:125分 )
11月13日(土)~11月26日(金)
※火、水曜日定休
ブータン 山の教室
標高4,800メートルの地にあるブータン北部の村ルナナ。ブータン民謡が響きわたるこの村で暮らすのは、大自然とともにある日常に幸せを見つけ生きる大人たち。そして親の仕事の手伝いをしながらも、“学ぶこと”に純粋な好奇心を向ける子どもたちだ。人口わずか56人のルナナには、電気も携帯電話もない。『ブータン
山の教室』に登場するのは、実際にルナナで暮らす人々だ。ブータンの新鋭、パオ・チョニン・ドルジ監督は、人々の笑顔あふれる暮らしを圧倒的な映像美で映し出した。グローバル化が進み、世界の景色が単一化するいま、この作品は私たちに“本当の豊さとは何か”を教えてくれる。
現代のブータン。教師のウゲン(シェラップ・ドルジ)は、歌手になりオーストラリアに行くことを密かに夢見ている。だがある日、上司から呼び出され、標高4,800メートルの地に位置するルナナの学校に赴任するよう告げられる。一週間以上かけ、険しい山道を登り村に到着したウゲンは、電気も通っていない村で、現代的な暮らしから完全に切り離されたことを痛感する。学校には、黒板もなければノートもない。そんな状況でも、村の人々は新しい先生となる彼を温かく迎えてくれた。ある子どもは、「先生は未来に触れることができるから、将来は先生になることが夢」と口にする。すぐにでもルナナを離れ、街の空気に触れたいと考えていたウゲンだったが、キラキラと輝く子どもたちの瞳、そして荘厳な自然とともにたくましく生きる姿を見て、少しずつ自分のなかの“変化”を感じるようになる。
(上映時間:110分 )
11月13日(土)~11月19日(金)
※火、水曜日定休
ヒルコ/妖怪ハンター
レストア&リマスター版
サイバーパンク・ムービー『鉄男』で衝撃的世界デビューを果たした塚本晋也の監督二作目『ヒルコ/妖怪ハンター』がついにレストア&リマスターされた。オリジナルネガから高解像度スキャニングを行い、撮影立会の元グレーディングを施した最新マスターをデジタル化。監督最終確認OKの完全版。山や道や空や太陽や樹々などの実景、光のグラデーションがリアルに、光と影が見事に蘇る。
新進気鋭の学者として、考古学界で注目されていた稗田礼二郎だったが、ある学説を唱えてからは異端児扱いされ、存在はほとんど忘れられていた。そんな彼に、義兄で中学校教師の八部高史から一通の手紙が届く。古代人が悪霊を沈めるために造った古墳を発見したという内容だった。自分の学説が証明されるきっかけを感じた稗田は八部家を訪ねる。しかし八部は、生徒である月島令子と共に、謎の失踪事件を起こしていた。稗田と八部の息子まさおは妖怪退治の武器を手に暗い校内を探索する。血の海の中の首なし死体、美しい歌声、首だけの多足生物…。夏の一夜、消えた少女を探して、恐ろしくも哀しい冒険が始まる。
(上映時間:90分 )
10月30日(土)~11月12日(金)
素晴らしき、きのこの世界
© 2018, Fantastic Fungi, LLC
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
アフタートーク
11月7日(日)16:00の回上映後
ゲスト:池田祐里枝さん(配給会社アンプラグド)
渋谷哲也さん(ドイツ映画研究者)
あなたは、きのこの偉大さをまだ知らない―。ブリー・ラーソンが誘う、魅惑のきのこワールド!
ナショナルジオグラフィックやディズニーネイチャーのドキュメンタリー作品を手掛け、タイムラプス映像のパイオニアと言われる映像作家ルイ・シュワルツバーグが、きのこ・菌類の秘めたる力に迫り、鑑賞後は人類に希望を与える驚異のドキュメンタリー。
アカデミー賞俳優であり、きのこ好きのブリー・ラーソンがナレーションを務めているほか、菌類学者のポール・スタメッツや『フード・インク』(08)にも出演したジャーナリストのマイケル・ポーラン、人気フードライターのユージニア・ボーンら様々な専門家が登場し、医療や治療、環境問題などに対する菌類を使った知られざる解決策が明かされる。きのこ・菌類は、食物としてだけでなく、様々な生命の再生や維持、アルツハイマーやがんなどの治療、環境汚染の浄化にまで役立つことから、地球上の様々な問題にきのこの応用が期待されている。本作は、幻覚作用をもたらす一方で、人間の命を救うほどの力も持っているきのこ・菌類の可能性を教えてくれる。偉大で神秘的な力を知ることで、未来への希望が感じられるだろう。
パンデミックを経験し、希望をなくしがちな今だからこそ心に響き、あなたのきのこに対する意識を変えるに違いない。
(上映時間:81分 )
11月6日(土)~11月12日(金)
※火、水曜日定休
映画:フィッシュマンズ
©2021 THE FISHMANS MOVIE
2019 年に実施したMotionGallery のクラウドファンディングで1,157 名もの方々から18,276,687 円におよぶ支援を集め、撮影と編集合わせ製作期間に二年以上を費やした本作。2019
年2 月の「闘魂2019」のリハーサルから撮影を開始し、明治学院大学ソング・ライツ部室、渋谷La.mama、渋谷クラブクアトロ、三軒茶屋クロスロードスタジオ、VIVID SOUND
STUDIO、日比谷野外音楽堂をはじめメンバーとゆかりの地を訪れインタビューを敢行。
今まで多くを語ることなかった現・旧メンバーがカメラの前で当時の事を振り返るほか、関係者が大切に保管していた100 本以上のVHS などの素材をデジタイズ化した本邦初の映像を多数収録。FISHMANS
メジャーデビュー30 周年の節目にふさわしい、172 分におよぶ渾身のドキュメンタリー映画が遂に完成。
90年代の東京に、ただ純粋に音楽を追い求めた青年たちがいた。彼らの名前は、フィッシュマンズ。プライベートスタジオで制作された世田谷三部作、ライブ盤「98.12.28
男達の別れ」をはじめ、その作品は今も国内外で高く評価されている。
だが、その道のりは平坦ではなかった。セールスの不調。レコード会社移籍。相次ぐメンバー脱退。1999年、ボーカリスト佐藤伸治の突然の死……。
ひとり残された茂木欣一は、バンドを解散せずに佐藤の楽曲を鳴らし続ける道を選ぶ。その想いに仲間たちが共鳴し、活動再開。そして 2019年、佐藤が世を去ってから
20年目の春、フィッシュマンズはある特別な覚悟を持ってステージへと向かう——。過去の映像と現在のライブ映像、佐藤が遺した言葉とメンバー・関係者の証言をつなぎ、デビュー30周年を迎えたフィッシュマンズの軌跡をたどる。
(上映時間:172分 )
10月30日(土)~11月12日(金)
サンマデモクラシー
©沖縄テレビ放送
1963年沖縄。祖国復帰を願う沖縄の人々が、日本の味として食べていたサンマ。サンマには輸入関税がかけられていたが、その根拠は琉球列島米国民政府の高等弁務官布令、物品税法を定めた高等弁務官布令十七号(1958年公布)。だが、関税がかかると指定された魚の項目に、サンマの文字はなかった。そこで「関税がかかっているのはおかしい!」と、魚卸業の女将・玉城ウシが、琉球政府を相手に徴収された税金の還付訴訟を起こした。求めた額は、現代の貨幣換算でなんと7000万円。このウシおばぁが起こした“サンマ裁判”は、いつしか統治者アメリカを追い詰める、民主主義を巡る闘いとなった。
裁判を展開した人々の視線の先には、帝王と恐れられた1961年初めから1964年夏まで第3代高等弁務官を務めたポール・W・キャラウェイがいた。
キャラウェイ高等弁務官は、沖縄経済の改革に尽力したが、布令を何度も発令して民衆を縛り付け、本土復帰運動をも弾圧した施政を展開。沖縄のメディアはその猛威をキャラウェイ旋風と名付けた。
キャラウェイ高等弁務官に挑んだウシおばぁのサンマ裁判をきっかけに、その裁判を支えた弁護士であり、大きなことを言うことからラッパと呼ばれた政治家・下里恵良、“米軍(アメリカ)が最も恐れた政治家”・瀬長亀次郎らの行動をたどり、統治者アメリカと自治権をかけて闘った人々の姿を伝える。
(上映時間:99分 )
10月30日(土)~11月5日(金)
へんしんっ!
©2020 Tomoya Ishida
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
舞台挨拶決定
10月30日(土)14:50の回上映後
ゲスト:石田智哉監督
※トークは30分間
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
アフタートーク
11月5日(金)14:50の回上映後
ゲスト:美月めぐみさん、
鈴木橙輔さん
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
リピーター特典
本作の半券ご持参で缶バッジプレゼント。
他劇場の半券でもOK。
電動車椅子を使って生活する石田智哉監督は、「しょうがい者の表現活動の可能性」を探ろうと取材をはじめた。演劇や朗読で活躍する全盲の俳優・美月めぐみさん、ろうの手話表現者の育成にも力を入れているパフォーマーの佐沢静枝さん。多様な「ちがい」を橋渡しするひとたちを訪ねる。石田と撮影、録音スタッフの3人で始まった映画制作。あるとき石田は「対人関係でちょっと引いちゃうんです。映画でも一方的に指示する暴君にはなりたくないと思っていて…」と他のスタッフに打ち明けた。対話を重ねながら、映画のつくり方も変化していく。
石田自身の心と体にも大きな転機が訪れる。振付家でダンサーの砂連尾理さんは、「しょうがい」を「コンテクストが違う身体」という言葉で表現した。「車椅子を降りた石田くんがどんなふうに動くのかを見てみたい」。そう誘われて、石田もパフォーマーとして舞台に立つことに。それは多様な動きが交差するダンスという関係性の網の目にみずからをあずける体験でもあった。とまどい、揺れながら、またあらたな表現の可能性が拓かれていく。
完成した映画は、第42回ぴあフィルムフェスティバル「PFFアワード2020」グランプリに輝いた。審査に関わった映画のプロたちが「とにかく興奮した」「映画をつくる楽しみが、画面全体から伝わってきた」と激賞した。映画の登場人物たちが迎える大団円を見つめる私たちは、スクリーンから溢れ出す表現する歓びに震え、知らぬ間に「へんしん」してしまった自分自身に、心の底から驚くだろう。
(上映時間:94分 )
10月23日(土)~10月29日(金)
※火、水曜日定休
クー!キン・ザ・ザ
© CTB Film Company, Ugra-Film Company, PKTRM Rhythm
カルトSF映画の傑作として世界中で多くのファンを生んだ、実写版『不思議惑星キン・ザ・ザ』をゲオルギー・ダネリヤ監督自ら、アニメ化したのが本作だ。社会主義体制の真っ只中で制作された実写版を、レトロ感溢れながらSFタッチの未来を感じさせるアニメで再構築した。“キン・ザ・ザ”界を象徴する釣鐘型宇宙船の浮遊感は、ゲオルギー監督が実写版では再現できなかったアニメならではの珍妙なリアルさを描き出している。
実写版は当時のソ連の政治体制を皮肉めいた視点で描いたと評されたが、『クー!キン・ザ・ザ』は、大きな変革の波にあった現代のロシアを戯画化して風刺する。ゲオルギー・ダネリヤ監督は本作の完成後、2019年に88歳で逝去し、遺作となった。
著名なチェリストのチジョフとDJ志望の青年トリクは、雪に覆われたモスクワの大通りでパジャマ姿の裸足の宇宙人と遭遇する。そして思いがけずキン・ザ・ザ星雲の惑星プリュクにワープしてしまう。
そこは見渡す限りの砂漠に覆われ、身に着けるズボンの色によって階級が分かれた場所だった。ほとんど「クー!」(名詞・形容詞・副詞・感嘆詞など)しか言葉が存在しない異星人たちを相手に地球に帰ろうと2人は奮闘を始めるのだった。
(上映時間:90分 )
10月16日(土)~10月29日(金)
※火、水曜日定休
アメリカン・ユートピア
©2020 PM AU FILM, LLC AND RIVER ROAD ENTERTAINMENT, LLC ALL RIGHTS
映画の原案となったのは、2018年に発表されたアルバム「アメリカン・ユートピア」。この作品のワールドツアー後、2019年秋にスタートしたブロードウェイのショーが大評判となった。2020年世界的コロナ禍のため再演を熱望されながら幻となった伝説のショーはグレーの揃いのスーツに裸足、配線をなくし、自由自在にミュージシャンが動き回る、極限までシンプルでワイルドな舞台構成。マーチングバンド形式による圧倒的な演奏とダンス・パフォーマンス――元トーキング・ヘッズのフロントマン、デイヴィッド・バーンと11人の仲間たちが、驚きのチームワークで混迷と分断の時代に悩む現代人を”ユートピア”へと誘う。
この喜びと幸福に満ちたステージを、『ブラック・クランズマン』でオスカーを受賞し、常に問題作を作り続ける鬼才・スパイク・リーが完全映画化。80年代の傑作『ストップ・メイキング・センス』から36年。アメリカ全土を巻き込んだ熱狂が今、日本に緊急上陸!かつて誰も見たことのない、全く新しいライヴ映画が誕生した。
これは、更なる進化を続けるデイヴィッド・バーンからの、迷える今を生きる私たちの意識を揺さぶる物語であり、熱烈な人生賛歌である。
(上映時間:107分 )
10月16日(土)~10月29日(金)
※火、水曜日定休
きこえなかったあの日
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
初日舞台挨拶決定
10月16日(土)15:40の回上映後
ゲスト:今村彩子監督
東日本大震災直後に宮城を訪れた今村彩子監督が抱いたのは「耳のきこえない人たちが置かれている状況を知ってほしい」という痛切な思いだった。あれから10年---。手話言語条例の制定が進み、知事の会見に手話通訳がついたり、一部の市町村では役所や公共施設に手話通訳が配置されたりするようになった。日本各地で起こった様々な災害現場でも、手話で会話ができる福祉避難所や、絵や文字による情報保障、そして、ろう・難聴者による災害ボランティアなど、これまで見られなかった新しい動きが生まれていた。2013年に『架け橋
きこえなかった3.11』を発表した今村監督は、現在も宮城に通い、熊本地震、西日本豪雨、新型コロナウイルスの流行といった困難の渦中にいる耳のきこえない人たちの姿を記録し続けている。みんなが安心して暮らせるその日まで---。今村監督がみつめた、耳のきこえない人たちと災害、その10年の記録。
(上映時間:116分 )
10月16日(土)~10月22日(金)
※火、水曜日定休
不思議惑星キン・ザ・ザ
『不思議惑星キン・ザ・ザ』は、今年で完成後30年。1986年にソ連での完成時の試写では、批評家からさんざんに不評だったが、公開されるや若者の圧倒的な支持により、ソ連全土で1520万人という驚異的な動員を成し遂げ、1987年リオデジャネイロ国際映画祭でグラフィック・コンセプション特別賞を受賞し、翌1988年には、ロシアのアカデミー賞に相当するニカ賞の音楽賞と音響賞を授与されている。
ゲオルギー・ダネリヤ監督(Georgiy Daneliya
/1930年~)はジョージアのトビリシ出身。デビュー作の“SERYOZHA”(イーゴリ・タランキンとの共同監督/1960年)が、世界最古の歴史を誇るチェコのカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭でグランプリを受賞して,依頼、コンスタントに監督作を発表し、ロシアを代表する監督である。なお、ダネリヤ監督は『不思議惑星キン・ザ・ザ』のアニメーション版(100分)を2013年につくり、同年、ロシアで公開している。ゲデバン役の少年は今では映画監督に
釣鐘型宇宙船に乗って現れる〈クー〉なふたり、太めのウエフを演じたエヴゲーニー・レオノフ(Evgeniy Leonov)と、のっぽのビー役のユーリー・ヤコヴレフ(Yuriy
Yakovlev)は70年代に〈人民芸術家〉として表彰されたロシア演劇界の重鎮であるが、残念ながらレオノフは1994年、ヤコブレフは2013年に亡くなっている。技師マシコフ役のスタニスラフ・リュブシ(Stanislav
Lyubshin)は現在83歳。2015年にも舞台で元気な姿を見せた。ゲデバン役のレヴァン・ガブリアゼ(Levan
Gabriadze)は、1969年にジョージアに生まれ、撮影当時17歳だったが、現在は監督として活躍。日本でも第一回監督作『エターナル
奇蹟の出会い』(11年)が公開され、新作『アンフレンデッド』の日本公開は、この7月の予定である。全編を通して流れる、気が抜けて人を食ったような、たら~んとした不思議な音楽は、ダネリヤ監督と同郷のジョージア出身のギア・カンチェリ(Giya
Kancheli/1935年~)が手掛けた。カンチェリは、世界的に人気の作曲家であるが、映画音楽は本作のみである。
(上映時間:135分 )
10月2日(土)~10月15日(金)
※火、水曜日定休
東京自転車節
©水口屋フィルム/ノンデライコ
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
アフタートーク決定
10月3日(日)15:30の回上映後
ゲスト:青柳拓監督
MC:渋谷哲也氏(ドイツ映画研究、日本大学文理学部教授)
2020年3月。山梨県で暮らしていた青柳監督は、コロナ禍で代行運転の仕事が遂になくなってしまう。ちょうど注目されてきた自転車配達員の仕事を知り、家族が止めるのも聞かずに新型コロナウイルス感染者数が増えていた東京に向かう。緊急事態宣言下に入っていた東京で、青柳監督は自転車配達員として働きながら、自らと東京の今を撮影し始めた。働くということとは?“あたらしい日常”を生きることとは?あらわになった“ニュートーキョー”を自転車配達員の視点で疾走する路上労働ドキュメンタリー。
全編スマートフォンとGoProで撮影された本作は、さながら自身が自転車配達員になったかのような疾走感と躍動感を感じる映像で、観客は共にコロナ禍の東京を駆け巡る。デビュー作『ひいくんのあるく町』では自身が生まれ育った町を愛情込めて描いた青柳拓監督が次に撮ったのは、コロナ禍で見たこともない風景が広がった東京。自転車配達員の視点から見えてくるのは、ゆとり世代といわれる自分自身と、日常が続きながらも何かが欠けた“焼け野原”の東京、そして現代を取り巻く得も言われぬどん詰まり感とそこを突破せんとする活力。勢いだけではない現代への批評性も兼ね備えた、血沸き肉躍る快作が誕生した。
(上映時間:93分 )
10月2日(土)~10月15日(金)
※火、水曜日定休
やすらぎの森
© 2019 - les films insiders inc. - une filiale des films OUTSIDERS inc.
カナダ・ケベック州、人里離れた深い森。湖のほとりにたたずむ小屋で、年老いた3人の男性が愛犬たちと一緒に静かな暮らしを営んでいた。それぞれの理由で社会に背を向け、世捨て人となった彼らの前に、思いがけない来訪者が現れる。その80歳の女性ジェルトルードは、少女時代に不当な措置によって精神科療養所に入れられ、60年以上も外界と隔絶した生活を強いられていたのだった。世捨て人たちに受け入れられたジェルトルードは、マリー・デネージュという新たな名前で新たな人生を踏み出し、澄みきった空気を吸い込みながら、日に日に活力を取り戻していく。しかし、その穏やかで温かな森の日常を揺るがす緊急事態が巻き起こり、彼らは重大な決断を迫られていくのだった……。
新しい出逢いと湖畔での穏やかな共同生活。80代の男女を主人公に迎え、人生の晩年をいかに生きるかというテーマを詩情豊かに綴る、愛と再生の物語が誕生した。
(上映時間:126分 DCP上映)
10月2日(土)~10月15日(金)
※火、水曜日定休
浜の朝日の嘘つきどもと
©2021 映画『浜の朝日の嘘 つきどもと』製作委員会
福島県・南相馬にある映画館「朝日座」に、茂木莉子と名乗る女性が現れる。経営が傾いた「朝日座」を立て直すために東京からやってきたというが、支配人・森田保造は突然のできごとに驚きを隠せない。すでに閉館が決まり打つ手がないと諦めていた森田だが、見ず知らずの莉子の熱意に少しずつ心を動かされていく。
脚本・監督はタナダユキ。2004年、フォークシンガーの高田渡を追ったドキュメンタリー映画『タカダワタル的』が東京国際映画祭に特別招待作品として上映され、さらに同年、劇映画『月とチェリー』が英国映画協会の「21
世紀の称賛に値する日本映画 10
本」に選出され、大きな話題となった。2008年脚本・監督を務めた『百万円と苦虫女』で日本映画監督協会新人賞を受賞。その後も映画『俺たちに明日はないッス』(08)、『ふがいない僕は空を見た』(12)、『四十九日のレシピ』(13)、『ロマンス』(15)、『お父さんと伊藤さん』(16)、『ロマンスドール』(20)を発表。テレビドラマや配信ドラマでも数多くの作品を世に送り出し、CMやミュージックビデオなどの演出も手掛けている。今作では、実在する映画館を舞台にオリジナル脚本を執筆し、自らメガホンを取った。
福島県・南相馬に実在する映画館「朝日座」。100年近い歴史を持ち、主に旧作映画を上映する名画座として地元住民に愛されていたが、近年はシネコンと呼ばれる複数のスクリーンを持つ複合映画館の台頭によって厳しい経営状況だ。支配人の森田保造(柳家喬太郎)はサイレント映画『東への道』をスクリーンに流しながら、意を決する。35mmフィルムを一斗缶に放り込んで火を着けた瞬間、森田の背後から水をかけて邪魔をする女性(高畑充希)が現れた。経営が傾いた「朝日座」を立て直すために東京からやってきたという彼女は、自分の名前を「茂木莉子」と名乗る。しかし、「朝日座」はすでに閉館が決まっており、森田も「打つ手がない」と決意を変えるつもりはない。「ここが潰れたら本当に困る!」と主張する莉子は、この町に住んでなんとかするという。それは、「ある人との約束」が理由だった。
(上映時間:114分 DCP上映)
9月18日(土)~10月1日(金)
※火、水曜日定休
ベルヴィル・ランデブー
©Les Armateurs / Production Champion Vivi Film / France 3 Cinéma / RGP
France / Sylvian Chomet
2003年のカンヌ国際映画祭で特別招待作品として上映され、ニューヨーク映画批評家協会賞をはじめ多くの映画賞を受賞し、フランス映画として初めてアカデミー賞の長編アニメーション映画部門にノミネート。2021年2月10日Newsweek(電子版)が発表した批評家が選ぶ100本のアニメーション映画15位、21世紀のアニメーション映画の傑作(IndieWire)、トップ100アニメーション映画(ロッテントマト、94%フレッシュ)、100本のアニメーション映画(タイムアウト)など世界各国の名作アニメーション・ランキングに必ず選出される21世紀を代表する傑作。ファニーでチャーミングな作品は20年もの間、多くの人に愛され続けている。
孤独な少年シャンピオンが情熱を傾ける自転車レース。孫を不憫に思うおばあちゃんとの特訓が実を結び、遂にツール・ド・フランスに出場するもそこで、事件は起きる。マフィアに誘拐された孫を追って、愛犬ブルーノとともにシャンピオン奪還のための大冒険が始まる。協力してくれるのは伝説の三つ子ミュージシャンの老婆、腕力では敵わないが、人生経験と知恵そしてユーモアと愛で数々の難局を乗りきっていく。
(上映時間:80分 DCP上映)
9月18日(土)~10月1日(金)
※火、水曜日定休
食の安全を守る人々
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
トークイベント決定
9月18日(土)10:30の回上映後
ゲスト:原村政樹監督
9月25日(土)12:30の回上映後
ゲスト:山田正彦プロデューサー
種子法廃止、種苗法の改定、ラウンドアップ規制緩和、そして表記無しのゲノム編集食品流通への動きと、TPPに端を発する急速なグローバル化
により日本の農と食にこれまで以上の危機が押し寄せている。しかし、マスコミはこの現状を正面から報道するこ とはほとんどなく 、日本に暮らすわたしたちの危機感は薄いのが現状である。
この趨勢が続けば多国籍アグリビジネスによる支配の強まり、食料自給率の低下や命・健康に影響を与えることが懸念される中、弁護士で元農林水産大臣の
山田正彦が、長年、農業をテーマに制作を続けている原村政樹監督との二人三脚で撮影を進め、日本国内だけでなく、アメリカでのモンサント裁判の原告や、子どものために国や企業と闘う女性、韓国の小学校で普及するオーガニック給食の現状など幅広く取材。
果たして日本の食の幸せな未来図はどこに・・・。
2020年第94回キネマ旬報文化映画ベスト・テン第7位に選出され、同年の第38回日本映画復興奨励賞を受賞した『タネは誰のもの』のベースとなり、クラウドファンディングでも1600人以上から支援が集まり話題を呼んだ本作。山田正彦プロデューサーと原村政樹監督のタッグに加えて女優で作家、ダンサーの杉本彩がナレーションを担当。前作と本作を通して、農と食のあるべき姿が見えてくる
。
(上映時間:103分 )
9月18日(土)~10月1日(金)
※火、水曜日定休
83歳のやさしいスパイ
© 2021 Dogwoof Ltd - All Rights Reserved
老人ホームの内定のため入居者として潜入した83歳の男性セルヒオの調査活動を通して、ホームの入居者たちのさまざまな人生模様が浮かび上がる様子を描いた、ユーモラスでハートウォーミングなキュメンタリー。妻を亡くして新たな生きがいを探していた83歳の男性セルヒオは、80~90歳の男性が条件という探偵事務所の求人に応募する。その業務内容はある老人ホームの内定調査で、依頼人はホームに入居している母が虐待されているのではないかという疑念を抱いていた。セルヒオにスパイとして老人ホームに入居し、ホームでの生活の様子を毎日ひそかに報告することなる。しかし、誰からも好まれる心優しいセルヒオは、調査を行うかたわら、いつしか悩み多き入居者たちの良き相談相手となっていく。舞台となった老人ホームの許可を得て、スパイとは明かさずに3カ月間撮影された。第17回ラテンビート映画祭や第33回東京国際映画祭では「老人スパイ」のタイトルで上映。第93回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞にノミネート。
(上映時間:88分 DCP上映)
9月11日(土)~9月24日(金)
※火、水曜日定休
片袖の魚
©2021 みのむしフィルム
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
トークイベント決定
9月11日(土)14:30の回上映後
ゲスト:渋谷哲也氏(ドイツ映画研究者)×東海林毅監督
9月16日(木)14:15の回上映後
ゲスト:東海林毅監督、猪狩ともかさん(辻 史夏 役)
※猪狩さんはリモートでのご登壇
トランスジェンダー女性の新谷ひかり(イシヅカユウ)は、ときに周囲の人々とのあいだに言いようのない壁を感じながらも、友人で同じくトランス女性の千秋(広畑りか)をはじめ上司である中山(原日出子)や同僚の辻(猪狩ともか)ら理解者に恵まれ、会社員として働きながら東京で一人暮らしをしている。
ある日、出張で故郷の街へと出向くことが決まる。ふとよぎる過去の記憶。ひかりは、高校時代に同級生だった久田敬(黒住尚生)に、いまの自分の姿を見てほしいと考え、勇気をふり絞って連絡をするのだが――
自分を不完全な存在だと思い込み、自信を持てないまま社会生活を送るひとりのトランス女性が新たな一歩を踏み出そうとする――。そんなささやかな瞬間の物語を、詩人・文月悠光の詩を原案として、ゲイ老人の性と苦悩を描いた『老ナルキソス』(2017)がレインボーリール東京や上海クィア映画祭などで最高賞を獲得し、以降に監督した作品も世界のLGBTQ+映画祭で高い評価を得ている東海林毅が丁寧に映像化した。
制作開始にあたっては、日本で初めてとなるトランスジェンダー女性の俳優オーディションを開催。多数の応募者の中から主役に選ばれたのは、ファッションモデルとして活躍しているイシヅカユウ。これが映画初主演となる。音楽は蓮沼執太フィルでドラマーを務める尾嶋優(Jimanica)がオリジナル楽曲を提供。主題歌「RED
FISH」の歌詞は原案の文月悠光が映画のために書き下ろした。
また本作では新型コロナウィルス対策として少人数かつスピーディーな制作に対応するため、全編にわたりスマートフォン(Sony Xperia 1)1台のみで撮影が行われた。
(上映時間:34分 )
9月4日(土)~9月17日(金)
※火、水曜日定休
東京クルド
©2021 DOCUMENTARY JAPAN INC.
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
舞台挨拶決定
9月11日(土)16:00の回上映後
ゲスト:ラマザンさん(出演者)、メメットさん(出演者)、
日向史有監督
9月12日(日)16:00の回上映後
ゲスト:オザンさん(出演者)、日向史有監督
5月、入管の収容者に対する非人道的な行為や環境を問題視する世論の高まりを背景に、入管法改正案は事実上、廃案となった。しかし「難民条約」を批准しながら難民認定率が1%にも満たないという日本の現状に変わりはない。
故郷での迫害を逃れ、小学生のころに日本へやってきたオザン(18歳)とラマザン(19歳)は、難民申請を続けるトルコ国籍のクルド人。入管の収容を一旦解除される「仮放免許可書」を持つものの、身分は“不法滞在者”だ。いつ収容されるか分からない不安を常に感じながら夢を抱き、将来を思い描く。しかし、住民票もなく、自由に移動することも、働くこともできない。また社会の無理解によって教育の機会からも遠ざけられている。東京入管で事件が起きた。長期収容されていたラマザンの叔父メメット(38歳)が極度の体調不良を訴えたが、入管は家族らが呼んだ救急車を2度にわたり拒否。彼が病院に搬送されたのは30時間後のことだった。在留資格を求める声に、ある入管職員が嘲笑混じりに吐き捨てた。「帰ればいいんだよ。他の国行ってよ」。
5年以上の取材を経て描かれる二人の若者の青春と「日常」。そこから浮かび上がるのは、救いを求め懸命
に生きようとする人びとに対するこの国の差別的な仕打ちだ。かれらの希望を奪っているのは誰か? 救え
るのは誰か? 問われているのは、スクリーンを見つめる私たちだ。
(上映時間:103分 DCP上映)
9月4日(土)~9月17日(金)
※火、水曜日定休
海辺の彼女たち
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
初日リモート舞台挨拶決定
9月4日(土)10:30の回上映後
ゲスト:藤元明緒監督
在日ミャンマー人の移民問題と家族の愛を描いた前作『僕の帰る場所』が、東京国際映画祭「アジアの未来部門」グランプリを受賞した藤元明緒監督の最新作。臨場感あふれる役者の演技によるドキュメンタリーとフィクションを越境するスタイルは本作でも健在だ。近年、外国人技能実習生にまつわる劣悪な労働環境などが社会問題として注目されているなか、本作は藤元監督が実際に技能実習生から受け取ったSOSメールをきっかけにして着想された。世界第4位の移民大国となった日本で暮らす私たちにとって、国境を越え出稼ぎに来た女性たちの覚悟と生き様が、他人事ではない物語として心に迫る。
また、本作は海外でも評価が高く、世界でも有数の若手監督の登竜門であるサンセバスチャン国際映画祭・新人監督部門に選出され、"映画祭が支援していきたい逸材"と評された。
技能実習生として来日した若きベトナム人女性のアンとニューとフォンはある夜、搾取されていた職場から力を合わして脱走を図る。新たな職を斡旋するブローカーを頼りに、辿り着いた場所は雪深い港町。やがては不法滞在となる身に不安が募るも、故郷にいる家族のためにも懸命に働き始める。しかし、安定した稼ぎ口を手に入れた矢先にフォンが体調を壊し倒れてしまう。アンとニューは満足に仕事ができないフォンを心配して、身分証が無いままに病院に連れて行くが——。
(上映時間:88分 DCP上映)
9月4日(土)~9月17日(金)
※火、水曜日定休
走れロム
© 2019 HK FILM All Rights R eserved.
賑わうサイゴンの裏町を舞台に、孤児の少年ロムが夢を叶えるため、巨額の当選金が手に入る「闇くじ」に挑む姿を、疾走感溢れるスタイリッシュな映像とリアリズムを追求したタッチで描く話題作。監督は、本作が長編デビュー作にして第24回釜山国際映画祭ニューカレンツ部門(新人監督コンペティション部門)最優秀作品賞、第24回ファンタジア国際映画祭
最優秀新人作品賞の受賞はじめ世界各国の映画祭で熱い視線が注がれる期待の新鋭チャン・タン・フイ。
“闇くじ”をテーマに描いた短編『16:30』がベトナム国内の映画祭で短編映画賞を総なめにし、カンヌ国際映画祭2013ショートフィルムコーナーに入選、高評価を得たことから始動した本作の長編企画は、オータムミーティング2014(※若手映画人のためのワークショップ)プロデューサー賞、アメリカ映画協会(MPA)のハノイ2015春コースで傑出企画賞を受賞するなど更なる話題を集める。実力を認められたチャン・タン・フイ監督の元には、『青いパパイヤの香り』『ノルウェイの森』のトラン・アン・ユン、『どこでもないところで羽ばたいて』グエン・ホアン・ディエップら世界的名声を持つ監督がプロデューサーとして名を連ね、アピチャッポン・ウィーラセタクン作品の編集者として世界的に知られるリー・チャータメーティクンがタイから迎えられた。短編『16:30』を企画してから長編『走れロム』完成に至るまでの期間は、2011年6月〜2019年2月となる。
(上映時間:79分 DCP上映)
8月28日(土)~9月3日(金)
※火、水曜日定休
夏時間
誰もが記憶に残っている、夏休みの思い出。
その懐かしくも記憶に刻まれる日々を、
ひとりの少女の視点から描く。
それは、ただ楽しいだけのものではなかった。
監督は1990年生まれのユン・ダンビ。第24回釜山国際映画祭で4冠に輝いたのを筆頭に、ロッテルダム国際映画祭など数多くの映画祭で、デビュー作である本作の繊細さと確かな演出力が絶賛された。『はちどり』のキム・ボラや『わたしたち』のユン・ガウン、『82年生まれ、キム・ジヨン』のキム・ドヨンに並ぶ、新たな才能が韓国から登場した。本作がデビューとなる姉オクジュ役のチェ・ジョンウンは、監督が見つけた一枚の写真から大抜擢された。弟ドンジュ役のパク・スンジュンは人気ドラマ「愛の不時着」にも出演している天才子役。この姉弟と家族との自然なアンサンブルが観客の感情を刺激することだろう。
夏休みのある日、10代の少女オクジュは、父が事業に失敗したため、弟ドンジュと父と共に広い庭のある祖父の家に引っ越したが、そこに母親の姿はなかった。弟は新しい環境にすぐ馴染むんだのだが、オクジュは居心地の悪さを感じている。そこに離婚寸前の叔母まで住みつき始め、一つ屋根の下に三世代が集まり、オクジュにとって、自分と家族の在り方を考えざるを得ない、夏の日々が始まった。オクジュが家と祖父に親しみを覚えるようになった頃、祖父が病気になってしまう…。
(上映時間:105分 DCP上映)
8月21日(土)~9月3日(金)
※火、水曜日定休
デニス・ホー
ビカミング・ザ・ソング
©Aquarian Works, LLC
2014年に香港で起きた「雨傘運動」。警官隊の催涙弾に対抗して雨傘を持った若者たちが街を占拠したこの運動に、一人のスーパースターの姿があった。彼女の名前はデニス・ホー。同性愛を公表する香港のスター歌手である彼女は、この雨傘運動でキャリアの岐路に立たされていた。彼女は、中心街を占拠した学生たちを支持したことで逮捕され、中国のブラックリストに入ってしまう。次第にスポンサーが離れていき、公演を開催することが出来なくなった彼女は、自らのキャリアを再構築しようと、第二の故郷モントリオールへと向かうのであった。
スー・ウィリアムズ監督による長期密着取材によって浮かび上がるのは、香港ポップスのアイコンであった彼女が、香港市民のアイデンティティと自由を守るために声を上げる一人のアーティスト、そして民主活動家へと変貌していく様である。その物語は、歪な関係にある香港と中国、過去30年間の情勢を見事に反映している。
そして、2019年6月。香港で逃亡犯条例改正に反対するデモが起き、彼女は再び岐路に立たされた。数百万のデモ参加者が街頭に繰り出した時、彼女は催涙ガスと放水砲が飛び交う通りに立ち続け、デモ参加者を守ろうとする。そして、国連やアメリカ議会で香港の危機的状況について訴え、自由と民主主義を守ろうとする人々の姿を世界に発信していくのだった。
自由を求める香港の人々の声が、デニス・ホーという存在に重なり、その願いが一つの歌となって響き渡る。映画の幕は閉じるが、香港の闘いはまだ終わっていない…
(上映時間:83分 DCP上映)
8月21日(土)~9月3日(金)
※火、水曜日定休
サンドラの小さな家
©Element Pictures, Herself Film Productions, Fís Eireann/Screen Ireland,
British Broadcasting Corporation, The British Film Institute 2020
どこにでもいる一人の女性が、周囲の人々と助け合いながら、自らの手で小さな家を建てる──。この物語は、アイルランドを舞台にシングルマザーの貧困、家庭内暴力、住宅問題……といった現代社会にはびこる問題に鋭く斬り込み、かつ希望の物語として瑞々しく描き出す。暗い世相を背景にしつつも、それでも強く生きる主人公たちを見つめるあたたかな視点は、イギリスの珠玉ケン・ローチ監督の作品を彷彿とさせる。
シングルマザーのサンドラ(クレア・ダン)は、虐待をする夫のもとから2人の幼い娘と共に逃げ出したが、公営住宅には長い順番待ち、ホテルでの仮住まいの生活から抜け出せない。
ある日、娘の寝る前のベッドサイドストーリーからヒントを得て、手頃な家を自分で建てようというアイデアを思いつく。土地、資金、人材……足りないものだらけで途方に暮れていたサンドラだったが、土地と資金の提供を申し出てくれた雇い主のペギー(ハリエット・ウォルター)、偶然出会った建設業者のエイド(コンリース・ヒル)、仕事仲間やその友人たち。少しずつ仲間を増やし、一軒の小さな家を作っていく。しかし、束縛の強い元夫の妨害にあい…。
サンドラは自分の人生を再建することができるのだろうか?
(上映時間:97分 DCP上映)
8月14日(土)~8月27日(金)
※火、水曜日定休
ぼくが性別
「ゼロ」に戻るとき
~空と木の実の9年間~
©2019 MUSUBI Productions
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
トークイベント決定
8月14日(土)15:50の回上映後約1時間~
ゲスト:
常井美幸(監督)、 小林空雅(主人公)、 小林美由起(主人公の母)、
高野慎太郎(自由学園教師、学生団体「性の自分らしさを考える自由の会」顧問)
*出演者はリモートの可能性あり
8月22日(日)14:50の回上映後約1時間~
ゲスト:加藤岳(レインボーさいたまの会代表)、千田明寛(最明寺住職)、ご挨拶/川越市 川合善明(かわい
よしあき)市長、司会/高野慎太郎(自由学園教師)
*登壇者は変更になる可能性があります
【共催】川越スカラ座/MUSUBI Productions/レインボーさいたまの会/自由学園多様性
ゼミ
【後援】川越市
女性として生まれたが、自分の性に違和感を持ち続けていた小林空雅さん。13歳のとき、心は男性/生物学的には女性である「性同一性障害」と診断される。17歳の時に出場した弁論大会では、700人もの観客を前に、男性として生きていくことを宣言。そして弱冠20歳で性別適合手術を受け、戸籍も男性に変えた。本作はそんな1人の若者の9年間の変化と成長を描いた《こころの居場所》についてのドキュメンタリーです。
LGBTQやジェンダー、同性婚の問題など、いま性についての関心が世界中で広がっています。この映画は、性の違和に苦しみ、それでも自分らしく生きる人々の姿を通して《性別》に限らず、誰もが生きやすい社会に近づくための気付きを与えてくれます。
女の子として生まれ、男の子として生きたいと希んだ空雅(たかまさ)。果敢に身体を変え、戸籍も男性に戻した。でも男でもなかったとしたら?
心と体が一致しない不具合を感じつつ、心を開き、社会へと飛び立っていった空雅さんが出会ったのは、世界最高齢で性別変更した95歳のチェリスト・八代みゆきさん(男→女)、男と女に二分される性に違和感を感じ、自ら「X
ジェンダー(性別なし)」※であることを明かして、性の多様性を伝える中島潤さん(26歳)。様々な人とふれあうなかで浮かび上がってきたのは、性という枠組みでは括りきれない、多様で豊かな人生。そして、映画の最後で下した決断は驚くべきものだった−−−−。
※「X ジェンダー」とは?… 身体的性別に関わらず、自身の心の性別を男女の「どちらでもない」「どちらでもある」「中間である」「流動的である」などと自認している人の総称。
(上映時間:84分 DCP上映)
8月14日(土)~8月20日(金)
※火、水曜日定休
この世界の
(さらにいくつもの)
片隅に
©2019こうの史代・双葉社 / 「この世界の片隅に」製作委員会
この映画は、大ヒット映画『この世界の片隅に』の単なる長尺版ではない。250カットを超える新エピソードによって、これまで目にしていたシーンや人物像が、まったく異なる印象で息づきはじめる。『この世界の片隅に』を知る人も、知らない人も1本の‟新作“として体感することになるだろう。
すずの内面を大人の表現で魅せる女優のん、岩井七世(リン役)、細谷佳正(周作役)など、前作のキャストがパワーアップして再集結。さらに遊郭の女性テル役として花澤香菜が初参加。コトリンゴによる書き下ろしの新曲と共に、私たちを新たな世界へといざなう。
広島県呉に嫁いだすずは、夫・周作とその家族に囲まれて、新たな生活を始める。昭和19年、日本が戦争のただ中にあった頃だ。戦況が悪化し、生活は困難を極めるが、すずは工夫を重ね日々の暮らしを紡いでいく。
ある日、迷い込んだ遊郭でリンと出会う。境遇は異なるが呉で初めて出会った同世代の女性に心通わせていくすず。しかしその中で、夫・周作とリンとのつながりに気づいてしまう。だがすずは、それをそっと胸にしまい込む……。
昭和20年3月、軍港のあった呉は大規模な空襲に見舞われる。その日から空襲はたび重なり、すずも大切なものを失ってしまう。 そして、昭和20年の夏がやってくる――。
(上映時間:168分 DCP上映)
8月14日(土)~8月20日(金)
※火、水曜日定休
野火
©SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
塚本晋也監督オンライントーク決定!
8月14日(土)10:30の回上映後
1959年に市川崑により映画化された大岡昇平の同名小説を塚本晋也の監督、脚本、製作、主演により再び映画化。日本軍の敗北が濃厚となった第二次世界大戦末期のフィリピン戦線。結核を患った田村一等兵は部隊を追放され、野戦病院へと送られる。しかし、野戦病院では食糧不足を理由に田村の入院を拒絶。再び舞い戻った部隊からも入隊を拒否されてしまう。空腹と孤独と戦いながら、レイテ島の暑さの中をさまよい続ける田村は、かつての仲間たちと再会する。戦場という異常な空間で極限状態に追い込まれた人間たちが描かれる。共演にリリー・フランキー、俳優デビュー作の「バレット・バレエ」以来の塚本監督作品への参加となるドラマーの中村達也。
(上映時間:87分 DCP上映)
7月31日(土)~8月13日(金)
※火、水曜日定休
狂猿
©2021 Jun Kasai Movie Project.
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
トークイベント決定!
8月8日(日)14:30の回上映後
ゲスト:
ドクター水上
(HBCラジオ『ラジプロ!』キャスター/大日本プロレス・リングドクター)
井上淳一(脚本家・映画監督)
MC:飯島(川越スカラ座番組編成担当)
プロレスラーのなかでも、ひと握りの者しか足を踏み入れないデスマッチの世界で暴れ廻り、クレイジーモンキー(狂猿)の異名を持つ、葛西純。あらゆる凶器が巻き散らされたリングで平然とバンプを取り、全身血まみれになりながらも闘い続けるその姿は、決してメジャーにはなれない存在ながらも世界中に熱狂的なファンを生み出し、いまも伝説を刻み続けている。
『狂猿』は、葛西純を中心に、文字通りの血と汗を流しながら闘い続けるプロレスラーたちの姿を追った本邦初のデスマッチドキュメンタリーである。カメラは復帰に向けてトレーニングを積み、カリスマと呼ばれてもなお、見果てぬ刺激を求め続ける葛西純に密着。子煩悩でも知られる葛西のプライベートや、過酷なリングの舞台裏にも迫る。
過去の貴重な試合映像に加えて、鎬を削ってきたデスマッチファイターたちも登場。ライバル的存在の伊東竜二(大日本プロレス)をはじめ、佐々木貴(FREEDOMS)、竹田誠志、そして葛西と練習生時代を共に過ごした本間朋晃、藤田ミノルがインタビューに応え、さらに“ミスターデンジャー”
松永光弘や、大日本プロレス代表の登坂栄児も当時の貴重な証言を披露した。
(上映時間:107分 DCP上映)
8月7日(土)~8月13日(金)
※火、水曜日定休
サイコ・ゴアマン
© 2020 Crazy Ball Inc.
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
アフタートーク決定
8月7日(土)15:00の回上映後
ゲスト:池田祐里枝さん、渋谷哲也さん
ある日、庭で遊んでいた少女ミミと兄ルークは、ひょんなことから地底に太古から埋められ、銀河で恐れられていた名前のない悪魔「残虐宇宙人」をよみがえらせてしまう。怒りと憎しみの感情しか持たず、計り知れない特殊能力を持った残虐宇宙人の復活により、地球は絶体絶命の危機におちいるが、光る謎の宝石をミミが手にしたとき、残虐宇宙人はミミに絶対服従せざるを得なくなる。暗黒の覇者でありながら1人の少女に逆らえない残虐宇宙人は、サイコ・ゴアマンと名付けられ、子どものいたずらに付き合うはめに。その頃、銀河系の怪人たちが残虐宇宙人の復活を察知、宇宙会議を開き、サイコ・ゴアマン抹殺のため地球に向かおうとしていた……。
(上映時間:95分 DCP上映)
7月31日(土)~8月13日(金)
※火、水曜日定休
デッドロック
© Filmgalerie451
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
アフタートーク決定
7月31日(土)15:30の回上映後
ゲスト:渋谷哲也氏
独自の世界を追い求めたドイツの孤高の映画監督ローランド・クリックが、1970年に手がけたクライムアクション。閉鎖された鉱山デッドロックの監督官ダムは、荒野で行き倒れになっていた男と大金が入ったジュラルミンケースを見つける。デッドロックには、元娼婦のコリンナ、その娘と思われる口のきけない美少女ジェシーがおり、キッドは言いようのない緊張感に包まれながらも、徐々に傷を癒していく。数日後、そこへキッドの仲間で非情な殺し屋サンシャインが現れ、ダムをいびって金を奪っていく。サンシャインは単身逃げようとするが、キッドとジェシーが罠を仕掛けていた。登場人物はわかずか7人、劇中の舞台はアメリカだがイスラエルの砂漠で撮影されたドイツ映画で、公開当時ドイツ国内で批評家や同時代のニュー・ジャーマン・シネマの監督たちからは批判されるが、興行的には成功を収め、カルト映画として語り継がれた。音楽を伝説的ロックバンド「CAN(カン)」が担当。
(上映時間:85分 DCP上映)
森田惠子監督追悼上映
7月31日(土)~8月6日(金)
※火、水曜日定休
まわる映写機 めぐる人生
『まわる映写機 めぐる人生』を作るきっかけは、「川越スカラ座」の『旅する映写機』の初日(2014年5月24日)に、本作に登場する元埼玉大宮東映の支配人であり映写技師だった石川直二さんが訪ねてくださったことでした。
開館前からいらしてくださり、手にしていたのは私も見るのが初めだった黒革の「映写技術者免状」でした。
「初日なら監督さんが来るかもしれないと思ってね」と、体調を心配する奥さまを説得して大宮から駆けつけてくださったのです。上映後のトークでは、急遽、観客の皆さんに博物館級の「映写技術者免状」を見て頂き、お話もしていただきました。その時のお話がとても興味深かったことと、石川さんの表情があまりにも魅力的だったので、これは撮らなければ…と思ったのです。
方針など何もないまま、6月19日にご自宅を訪問し撮影をスタートさせました。その後はいつものことながら、台本もないまま芋づる式の撮影を重ねてゆきました。そして、映写に関わる皆さんのお話を伺いながら、映像が時代ごとにどのような形で使われてきたのか、ということにも関心が深まり学ばせていただきました。(森田惠子)
(BD上映)
7月17日(土)~7月30日(金)
※火、水曜日定休
劇場版
殺意の道程
©2021「劇場版 殺意の道程」製作委員会
ドラマ「素敵な選TAXI」、「住住」、そして第36回向田邦子賞を受賞した「架空OL日記」など脚本家としても多彩な作品を手がけるバカリズムのオリジナル脚本をWOWOWで連続ドラマ化した「殺意の道程」(全7話)。放送当初から、復讐殺人計画の準備を1つずつミッションとしてクリアしていく満(バカリズム)と一馬(井浦新)の真面目でピュアな姿が面白い!可愛い!癖になる!と反響を呼んだ本作が、キャスト・スタッフの撮影時からの熱望も受けて再編集劇場版として製作される。
そして、2021年2月5日(金)の全国劇場公開と同時にauスマートパスプレミアム/TELASAでの独占配信もスタートさせることが決定!上映劇場は全国津々浦々のミニシアターを中心に随時上映劇場は拡大中。
併せて、バカリズムの作品を多数手掛けてきた住田崇監督のもと、劇場版の為に新たな編集演出も加わり、ドラマでは1話ごとにクリアしていたミッションが、1本のジェットコースタームービーとして生まれ変わること必至で、WOWOWで放送されたドラマ版の視聴者も再度楽しめる作品となる。
脚本家・バカリズムが紡ぐ独特の世界観の中で、バカリズムと井浦新の絶妙な空気感が如何なく発揮されたサスペンスコメディを凝縮した、「誰も見たことがない新たなる復讐劇」を映画館と配信でお見逃しなく!
(上映時間:120分 DCP上映)
森田惠子監督追悼上映
7月24日(土)~7月30日(金)
※火、水曜日定休
旅する映写機
映像データのデジタル化に伴い日本国内から急速に姿を消しつつある映写機と映写技師に焦点を絞ったドキュメンタリー。『小さな町の小さな映画館』で北海道の港町にある映画館・大黒座を取材した森田惠子監督が全国各地を旅して回り、観客にさまざまな夢を与えてきた映写機をめぐる歴史、映写技師やメンテナンス技術者たちの技と熱意に迫る。高知県の大心劇場で行われている上映技術「流し込み」など、普段目にすることができない映画館の舞台裏がのぞけて興味深い。
(上映時間:105分 BD上映)
7月17日(土)~7月30日(金)
※火、水曜日定休
旅立つ息子へ
© 2020 Spiro Films LTD.
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
音声ガイド付き上映
7月30日(金)
※音声ガイドご利用の方は、FMラジオとイヤホンをお持ちください。
※ガイド不要な方も、通常と同じくご覧いただけます。
※盲導犬のご入場もできます。
監督は『ブロークン・ウィング』(02)、『僕の心の奥の文法』(10)で、史上唯一、東京国際映画祭グランプリを2度受賞したイスラエルの俊才ニル・ベルグマン。脚本家の父と弟をモデルに、弟が好んで観ていたチャップリンの傑作『キッド』で描かれる特別な絆にオマージュを捧げた。
そんな親子を再現したのは、イスラエルのベテラン俳優のシャイ・アヴィヴィと、無名の新人ノアム・インベル。特にインベルのリアリティある演技は天才的だ。彼の父が自閉症スペクトラム施設の職員で、小さい頃から施設の友達と触れあってきた経験も味方しているとはいえ、『ギルバート・グレイプ』で一躍注目されたレオナルド・ディカプリオの再来だと、すでに国内外で評判になっている。そして、監督と俳優陣の見事な手腕でイスラエル・アカデミー賞主要賞を総ナメした。
互いを信じ、思い合う姿が切なくも愛おしい。特別な絆で結ばれた2人の旅立ちに拍手を送りたくなる感動のヒューマンドラマが誕生した。
愛する息子ウリのために人生を捧げてきた父アハロンは、田舎町で2人だけの世界を楽しんできた。しかし、別居中の妻タマラは自閉症スペクトラムを抱える息子の将来を心配し、全寮制の支援施設への入所を決める。定収入のないアハロンは養育不適合と判断され、裁判所の決定に従うしかなかった。入所の日、ウリは大好きな父との別れにパニックを起こしてしまう。アハロンは決意した。「息子は自分が守る―」こうして2人の無謀な逃避行が始まった。
(上映時間:94分 DCP上映)
森田惠子監督追悼上映
7月17日(土)~7月23日(金)
※火、水曜日定休
小さな町の小さな映画館
大正時代から、北海道浦河町の人々を楽しませてきた映画館・大黒座にスポットを当てたドキュメンタリー。テレビやビデオの普及により映画産業が衰退し、さらに過疎化が追い打ちをかける中、93年間この場所に存在し続けてきた老舗映画館の歴史を振り返る。建築業などで財を成した三上辰蔵氏が屋敷に講談師や旅芸人を招いたのを皮切りに、やがて大黒座は映画館に一新。心底映画を愛する人々の心意気が伝わるそのたたずまいに、熱いものがこみ上げる。
(上映時間:105分 BD上映)
7月10日(土)~7月16日(金)
※火、水曜日定休
SNS
-少女たちの10日間-
©2020 Hypermarket Film, Czech Television, Peter Kerekes, Radio and
Television of Slovakia, Helium Film All Rights Reserved.
巨大な撮影スタジオに作られた3つの子ども部屋で、幼い顔立ちをした3名の女優(18歳以上)は偽のSNSアカウントで12歳のふりをするという任務を与えられた。各々の部屋のPCで、連絡をしてきたすべての年齢の男性とコミュニケーションを取った。当初のプロジェクトと同様、大多数の成人男性はビデオセックスを要求し、自身の性器の写真やポルノのリンクを送信してきた。なかには恐喝する者も。精神科医、性科学者、弁護士や警備員など専門家の万全なバックアップやアフターケアを用意しながら撮影を続けること10日間。児童への性的搾取者が徐々に尻尾を出し始めるのだった…。
現代の子どもたちが直面する危険をありのまま映し出した恐るべきこのリアリティーショーは、SNSと常に接するジェネレーションZ世代やその親たちに恐怖と共に迎えられ、本国チェコでドキュメンタリーとしては異例の大ヒットを記録。児童への性的搾取の実態を描いた映像として、チェコ警察から刑事手続きのための映像が要求された。実際の犯罪の証拠として警察を動かした大問題作がいよいよ日本公開となる。
(上映時間:104分 DCP上映)
7月3日(土)~7月16日(金)
※火、水曜日定休
グンダーマン
優しき裏切り者の歌
©2018 Pandora Film Produktion GmbH, Kineo Filmproduktion, Pandora Film GmbH
& Co. Filmproduktions- und Vertriebs KG, Rundfunk Berlin Brandenburg
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
アフタートーク決定
7月10日(土)
ゲスト:渋谷哲也氏
ベルリンの壁崩壊後の東ドイツにおいて、最も重要で最も有名な実在のシンガー・ソングライター、ゲアハルト・グンダーマン。多くの顔をもち矛盾に満ち溢れたこの男の人生を通して、わたしたちはようやく東ドイツという国を理解することができるだろう――。
グンダーマンは、昼間は褐炭採掘場でパワーショベルを運転する労働者だが、仕事が終わるとステージに上がり、自ら作った曲を仲間とともに歌う。彼の希望や夢、理想に満ちた歌は、多くの人々に感動を与え人気者になっていった。その一方、当時の秘密警察(シュタージ)に協力するスパイとして友人や仲間を裏切っていたが、1990年の東西ドイツ統一後、自らも友人にスパイされていたことを知り、その矛盾を自らに問うこととなる…。監督は、現在ドイツで最も注目されている東ドイツ出身のアンドレアス・ドレーゼン。絶大な信頼をおく脚本のテイラー・シュティーラーとともに10年の歳月をかけて、私たちの知らない人間と国家の断末魔の叫びをユーモア溢れるリアルで繊細なタッチで掬い取り、ドイツで最も権威のあるドイツ映画賞(2019)で作品賞、監督賞含む全6部門で最優秀賞を獲得した。東ベルリン生まれの主演アレクサンダー・シェーアは、グンダ―マン本人と見間違うほどの神がかり的な演技を見せ、劇中で演奏される全18曲を自らカバーしている。グンダーマンの妻コニーを演じるのは可憐なアンナ・ウンターベルガー。
本作は、2つの時代から東ドイツの過去を厳しく見つめ、問い直そうとする東ドイツ独特の“ふるさと”映画でもある。分断されていた国に生きた人物の複雑な人生と、現在を生きる私たちの橋渡しをするように響く哀しくも美しい歌とともに紡がれる、新しいドイツ映画、そして音楽映画の傑作が誕生した。
(上映時間:128分 DCP上映)
7月3日(土)~7月16日(金)
※火、水曜日定休
マーメイド・イン・パリ
©2020 - Overdrive Productions - Entre Chien et Loup - Sisters and
BrotherMitevski Production - EuropaCorp - Proximus
恋を知らぬまま、美しい歌声で男性を魅了し、恋に落ちた男性の命を奪ってきた人魚ルラ。失恋から恋を捨ててしまった心優しい男性ガスパール。ふたりの男女が、パリで出逢い、恋に落ちる。しかし、ふたりの前に大きな障害が立ちはだかる。
人魚であるルラは2日目の朝日が昇る前に海に帰らねば、命を落としてしまう。と同時に、ガスパールの体にも異変が起こる。恋心を捨て去ったガスパールには、ルラの歌声は全く効かなかったが、彼女への想いに気づき始めたことで胸がギュッと締め付けられるように苦しくなってしまう。さらに、ルラに夫を殺された女医のミレナがルラの居場所を探しあて…。
おとぎ話のような奇跡が似合い、これまで数々のラブストーリーの舞台となってきた恋の都パリで繰り広げられる、美しい人魚のラブストーリー。切なくもキュートな新しい恋の物語が誕生した。命がけのふたりの恋。果たして、ふたりは無事に恋を成就させることが出来るのか−。
(上映時間:102分 DCP上映)
6月26日(土)~7月9日(金)
※火、水曜日定休
くれなずめ
©2020「くれなずめ」製作委員会
優柔不断だが心優しい吉尾(成田凌)、劇団を主宰する欽一(高良健吾)と役者の明石(若葉竜也)、既婚者となったソース(浜野謙太)、会社員で後輩気質の大成(藤原季節)、唯一地元に残ってネジ工場で働くネジ(目次立樹)、高校時代の帰宅部仲間がアラサーを迎えた今、久しぶりに友人の結婚式で再会した!
満を辞して用意した余興はかつて文化祭で披露した赤フンダンス。赤いフンドシ一丁で踊る。恥ずかしい。でも新郎新婦のために一世一代のダンスを踊ってみせよう!!
そして迎えた披露宴。…終わった…だだスベりで終わった。こんな気持ちのまま、二次会までは3時間。長い、長すぎる。そして誰からともなく、学生時代に思いをはせる。でも思い出すのは、しょーもないことばかり。
「それにしても吉尾、お前ほんとに変わってねーよな
なんでそんなに変わらねーんだ?まいっか、どうでも。」
そう、僕らは認めなかった、ある日突然、友人が死んだことを─。
(上映時間:96分 DCP上映)
6月19日(土)~7月2日(金)
※火、水曜日定休
トータル・リコール
4Kデジタルリマスター
© 1990 STUDIOCANAL
スクリーン一面にノンストップで映し出される真っ赤な火星での大冒険、鬼才ポール・バーホーベン監督のエクストリームなバイオレンス描写、そして超人アーノルド・シュワルツェネッガーによるスーパーアクション!世界が熱狂したあの『トータル・リコール』が、30年の時を経て映画館に帰ってきた!原作は『ブレードランナー』の原作者としても知られる巨匠フィリップ・K・ディック。壮大すぎる世界観ゆえに映画化不可能といわれていたシナリオに惚れ込んだのが、当時『ターミネーター』、『コマンド―』の記録的大ヒットで既にアクションヒーローとしての地位を確立していたシュワルツェネッガーだった。『ロボコップ』のポール・バーホーベンを監督に迎え、当時の最高額となる7,000万ドルもの製作費が投入された本作は、『バック・トゥ・ザ・フューチャー
PART3』、『ダイハード2』などの話題作を抑えて全米初登場No.1を獲得。その後7週にわたり1位の座を守り続け、まさに映画の歴史と可能性を大きく変えたSFの金字塔となった。4K映像で映し出される、壮大な火星の世界と個性豊かなキャラクター造形、そしてナナメ上を行くブッ飛んだ演出と、あの頃胸を時めかせた未来のテクノロジーの数々!その全てが色褪せない最高のエンターテイメントをもう一度スクリーンで!
(上映時間:113分 DCP上映)
6月19日(土)~7月2日(金)
※火、水曜日定休
花束みたいな恋をした
© 2021『花束みたいな恋をした』製作委員会
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
渋谷哲也氏オンライン無観客映画トーク
「仮設のロビー」
6月26日(土)
「東京ラブストーリー」(91)、「Mother」(10)、「最高の離婚」(13)、「Woman」(13)、「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(16)、「カルテット」(17)、「anone」(18)など、常に私たちの心を捉えて離さない多くの連続ドラマを手掛けてきた脚本家・坂元裕二が、2020年の東京を舞台に、今を生きるすべての人へ贈るため書き下ろした最新作。『東京タワー
~オカンとボクと、時々、オトン~』『舟を編む』などの製作陣が手掛ける本作、主役を演じるのは、菅田将暉と有村架純。二人の実力派俳優による〈初のダブル主演〉が実現しました。監督を担うのは、『罪の声』(20)の土井裕泰。『いま、会いにゆきます』(04)、『ハナミズキ』(10)、『映画
ビリギャル』(15)など多くの大ヒット映画を送り出して来た土井は、ドラマ「カルテット」で坂元裕二と組んで以来、映画では初タッグとなります。
東京・京王線の明大前駅で終電を逃したことから偶然に出会った 山音やまね麦むぎ (菅田将暉)と 八谷はちや絹きぬ
(有村架純)。好きな音楽や映画が嘘みたいに一緒で、あっという間に恋に落ちた麦と絹は、大学を卒業してフリーターをしながら同棲を始める。近所にお気に入りのパン屋を見つけて、拾った猫に二人で名前をつけて、渋谷パルコが閉店しても、スマスマが最終回を迎えても、日々の現状維持を目標に二人は就職活動を続けるが…。まばゆいほどの煌めきと、胸を締め付ける切なさに包まれた〈恋する月日のすべて〉を、唯一無二の言葉で紡ぐ忘れられない5年間。最高峰のスタッフとキャストが贈る、不滅のラブストーリー誕生!
(上映時間:124分 DCP上映)
6月19日(土)~6月25日(金)
※火、水曜日定休
愛のコリーダ
修復版
『愛のコリーダ 修復版』
ご来場者さま特典 イラストポストカード
※有料でのご鑑賞の方のみ
※先着順
※数量限定、無くなり次第終了
大島監督史上最大の問題作『愛のコリーダ』がデジタル修復されて蘇る!
男女の愛憎の果てに男性器を切り取るという、実際に起こった阿部定事件に基づき大胆な性描写で映画化。藤竜也、松田英子が狂おしいほど求め合う激しい愛の営みは1976年の公開時から45年経た今観ても息を呑む。セックスの描き方にリアルさを追求し、映画での「本番行為」は芸術かエロスかを問いかけ、国内外に大きな波紋を巻き起こした。検閲を恐れ、日本で撮影されたフィルムを未編集のままフランスに送って編集し、日本で逆輸入して上映するという執念で作品を完成させた。後に同名書籍が発行されたが、一部がわいせつ文書あたるとして起訴され、裁判にまで発展した世紀の問題作。2000年の再公開時には35㎜フィルムによる上映だったが、今回、ブラー処理、色調整、レストア作業等を施し全面的に修正を行った。新しい2Kの修復版そして初のデジタル素材となって全国公開が決定。2023年に大島渚作品が国立機関に収蔵される予定のため、今回が最後の大規模ロードショーとなる。
昭和11年。東京・中野の料亭「吉田屋」を舞台に、そこの主人である吉蔵と仲居の阿部定が出逢いたちまち惹かれあう。昼夜を問わず体を求めあう二人の愛はエスカレートし、やがてお互いの首を絞めて快感を味わうなど、危険な性戯におぼれていく。定は吉蔵の愛を独占したいと願うようになり、ある日、吉蔵を殺して自分だけのものにしようと包丁を手にした。
(上映時間:108分 DCP上映)
6月5日(土)~6月18日(金)
※火、水曜日定休
戦場のメリークリスマス
4K修復版
※特典は終了しました。ありがとうございました。
『戦場のメリークリスマス 4K修復版』
ご来場者さま特典
キャラクターステッカー(絵柄はお選びいただけません)
※有料でのご鑑賞の方のみ
※先着順
※数量限定、無くなり次第終了
第36回カンヌ国際映画祭で、そのテーマを巡って大きな話題を巻き起こした本作は、デヴィッド・ボウイ、坂本龍一、ビートたけし、内田裕也などの本業が俳優ではない個性的なキャスティングで原作者の日本軍俘虜収容所での体験を描いた、戦闘シーンが一切登場しない異色の“戦争”映画。俘虜となるジャック・セリアズ少佐を演じたデヴィッド・ボウイの美しさと存在感が随所で際立ち、坂本龍一扮するヨノイ大尉が次第にセリアズに惹かれていく様が描かれる。東洋と西洋の文化の対立と融合という複雑なテーマゆえに企画は難航し、製作費は膨らんだが、ビートたけしがラジオやテレビでネタにしたことで話題が独り歩きするなど、従来の映画プロモーションとは違う展開になったことも功を奏して、配給収入10億円の大ヒットにつながった。本作で初めて映画音楽を手掛けた坂本龍一によるテーマ曲「Merry
Christmas, Mr.Lawrence」は映画史上屈指の名曲として今なお愛され続けている。2023年に大島渚作品が国立機関に収蔵される予定のため、今回が最後の大規模ロードショーとなる。
1942年戦時中のジャワ島、日本軍の俘虜収容所。収容所で起こった事件をきっかけに粗暴な日本軍軍曹ハラ(ビートたけし)と温厚なイギリス人捕虜ロレンス(トム・コンティ)が事件処理に奔走する。一方、ハラの上官で、規律を厳格に守る収容所所長で陸軍大尉のヨノイ(坂本龍一)はある日、収容所に連行されてきた反抗的で美しいイギリス人俘虜のセリアズ(デヴィッド・ボウイ)に心を奪われてしまう。クリスマスの日にハラは「ファーゼル・クリスマス」と叫んでロレンスとセリアズを釈放してしまう。それに激怒したヨノイは捕虜の全員を命じるのだが、周囲からの孤立を深める結果になり、葛藤に苦しむのだった。
(上映時間:123分 DCP上映)
6月5日(土)~6月18日(金)
※火、水曜日定休
街の上で
©「街の上で」フィルムパートナーズ
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
初日舞台挨拶決定!
6月5日(土)12:30の回上映後
ゲスト:今泉力哉監督
※特典は終了しました。ありがとうございました。
『街の上で』ご来場者さま特典
荒川青ステッカー
(岡田茂生さん描き下ろしイラスト)
※先着順
※無くなり次第終了
古着屋で働く荒川青は、恋人に浮気された上にフラれたが、いまだに彼女のことが忘れられない。そんな青のもとに、美大に通う女性監督から自主映画への出演依頼が舞い込む。行きつけの飲み屋では常連客から「それは“告白”だ!」とそそのかされるが―。
映画『愛がなんだ』『アイネクライネナハトムジーク』と話題作を立て続けに発表する今泉力哉が、共同脚本に漫画家・大橋裕之を迎え、オール下北沢ロケで挑んだオリジナル脚本による長編最新作。主人公・青の元恋人である雪に、『少女邂逅』の穂志もえか。青が通う古書店の店員・田辺役に、『十二人の死にたい子どもたち』の古川琴音。青に映画出演を依頼する美大生の映画監督・町子役に、『お嬢ちゃん』の萩原みのり。町子が監督を務める現場の衣装スタッフ・イハ役に、新星・中田青渚。フレッシュな実力俳優陣が物語に彩りを添え、成田凌も重要な役どころで友情出演している。
街の住人たちとの他愛ない会話。変わらない想いと変わりゆく街並み。どこにでもある下北沢の日常が今泉独特のユーモアと優しさに包まれながら紡がれていく。「今泉映画最高傑作」の呼び声も高い、珠玉の群像劇。
(上映時間:130分 DCP上映)
6月5日(土)~6月18日(金)
※火、水曜日定休
チャンシルさんには
福が多いね
2019 Copyright © KIM Cho-hee All RIGHTS RESERVED / ReallyLikeFilms
仕事だけが生きがいだったアラフォーチャンシルさんの人生に、突然のエンディングロール!?
ずっとプロデューサーとして支えてきた映画監督が、打ち上げ宴会中に心臓発作で急死。これを機に失職して、何もかも失ってしまったチャンシルさん。映画だけに捧げてきた人生、気がつけば男も子供も家もなし、もちろん青春なんていまいずこ。そんな八方塞がり、アラフォー女子のチャンシルさんに、ある日突然、思わぬ恋の予感が…。
くすくすおかしくて、じわじわしみる…韓国映画界に軽やかな足跡を刻む女性監督の登場に歓喜!
『はちどり』『82年生まれ、キム・ジョン』ー新風を巻き起こす女性監督たちの台頭が著しい韓国映画界で、その最前線グループに陣取るキム・チョヒ監督、待望の長編デビュー作!
長らく名匠ホン・サンス監督のPD(プロデューサー)として活動してきた彼女が、自身を投影していると言われている本作は、オフビートのテンポの中にじわじわと心に染みるユーモアとペーソスとハッピーが綴られていく。
(上映時間:96分 DCP上映)
チベット映画特集「映画で見る現代チベット」
5月30日、5月31日、6月4日
※火、水曜日定休
オールド・ドッグ
©Mani Stone Pictures
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
渋谷哲也氏オンライン無観客映画トーク
「仮設のロビー」
5月30日(日)17:30から
長編第一作『静かなるマニ石』がバンクーバー国際映画祭やプサン国際映画祭はじめ数々の映画祭で受賞し、名匠アッバス・キアロスタミ監督に「心から感動を覚えた」と称賛されたペマ・ツェテン監督の純チベット語映画の長編第3作。1990年代末、中国富裕層の間で起きたチベットのマスチフ犬ブームを背景に、「犬を通じてチベット族の現状を表現したかった」と監督が語るように、中国富裕層が象徴する経済発展がチベット高原の牧畜民の生活にも容赦なく入り込んでくる状況をストレートに描き出している。それまでのペマ・ツェテン作品と大きく異なり、怒りや絶望を鋭く投げかけ、特にそのラストは、観客に大きな衝撃を与えた。製作は、ペマ・ツェテン監督同様、世界にチベット語映画を送り出した重要人物で、詩人としても有名なチベット人映画プロデューサーのサンジェ・ジャンツォ。撮影はペマ・ツェテン監督の4歳下の後輩にあたる『巡礼の約束』のソンタルジャ監督が担当している。第12回東京フィルメックスグランプリ受賞。
(上映時間:88分 DCP上映)
チベット映画特集「映画で見る現代チベット」
5月30日(日)、6月3日(木)
※火、水曜日定休
草原の河
©GARUDA FILM
2015年ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門でのワールド・プレミアを皮切りに、数々の国際映画祭で上映されて高い評価を受けた本作。上海国際映画祭では主演の少女を演じるヤンチェン・ラモ(撮影開始時6歳)がアジア新人賞・最優秀女優賞を最年少で受賞し、話題を呼んだ。また東京国際映画祭では『河』という原題でワールド・フォーカス部門にて上映され、公開が熱望されていた作品である。
海抜3000メートルを超えるチベット高原で半農半牧の暮らしを営む一家を主人公にした本作は、父親へのわだかまりをいまだ捨てきれない男グルと、その幼い娘ヤンチェン・ラモがやがて生まれてくる赤ん坊に対して抱く葛藤とを重ね合わせて描く。素人の俳優を使いながら、それぞれの心のうちを見事に描ききったソンタルジャ監督の演出力は卓越している。わけても6歳の少女ヤンチェン・ラモと子羊ジャチャの名演は観客を驚かせるだろう。
(上映時間:98分 DCP上映)
チベット映画特集「映画で見る現代チベット」
5月29日(土)、6月4日(金)
※火、水曜日定休
ラサへの歩き方
~祈りの2400km
チベットの小さな村から聖地ラサとカイラス山への2400キロメートルに及ぶ巡礼の旅を、実在のチベットの村人たちの出演で描いたロードムービー。合掌し、両手・両膝・額(五体)を大地に投げ出し、うつ伏せ、その後に立ち上がるという動作を繰り返し、ズルをせず、他者のために祈る「五体投地」をしながら約1年をかけて行く巡礼の旅路を通し、チベットの人たちの生き方を浮かび上がらせる。監督は、「こころの湯」「胡同のひまわり」のチャン・ヤン。
(上映時間:118分 DCP上映)
チベット映画特集「映画で見る現代チベット」
5月29日、5月31日、6月3日
※火、水曜日定休
陽に灼けた道
©GARUDA FILM
『草原の河』『巡礼の約束』のソンタルジャ監督の長編デビュー作。バンクーバー国際映画祭アジア部門新人監督賞はじめ数々の映画賞を受賞して、一躍世界中に注目された。自分の過失で母を死なせてしまい、心を閉ざした青年が、ある老人との出会いから心を溶かしていく物語を、極端に少ない台詞で映像で物語っていく大胆な構成で描き、ソンタルジャの個性が強く表れている。主人公を演じたイシェ・ルンドゥプの表情の切り取り方や、老人の存在を狂言回しのように配した語り口も独特で、デビュー作の荒々しさはあるものの、ソンタルジャ監督の才気を感じさせる必見作である。
(上映時間:89分 DCP上映)
チベット映画特集「映画で見る現代チベット」
5月29日(土)~6月4日(金)
※火、水曜日定休
巡礼の約束
©GARUDA FILM
突然、聖地ラサへの巡礼にでると決めた妻。いったいなぜ?
夫は旅立った妻の後を追った……。
日本初のチベット人監督の劇場公開作と注目された『草原の河』のソンタルジャ監督最新作『巡礼の約束』。
チベットの圧倒的な風景のもと、巡礼の約束をひたすらに果たそうとする
家族それぞれの想いを描き、往年の名作『山の郵便配達』を彷彿とさせる物語である。
ある出来事から、前夫との約束を果たそうと巡礼にでる妻ウォマ。その妻を心配し、後を追ってくる夫ロルジェ。こころを閉ざしていた前夫との息子ノルウも母に会いにやってくるのだが……。
ウォマの意志を引き継ぐ、血のつながらぬ父と息子。ふたりはある日、母を亡くした一頭の仔ロバと出会い、ともに聖地ラサへと巡礼の道を歩きつづける。
夫役には、この映画の舞台であるチベット高原の東にあるギャロン出身の国際的歌手ヨンジョンジャ。民族衣装も美しい妻役は人気女優ニマソンソン。多くの候補者の中から「目」の魅力で選ばれた息子役スィチョクジャ、そして仔ロバの名演も忘れがたい。
(上映時間:109分 DCP上映)
5月15日(土)~5月28日(金)
※火、水曜日定休
ブックセラーズ
© Copyright 2019 Blackletter Films LLC All Rights Reserved
社会の多様化やデジタル化で、本をめぐる世界は大きく変わってしまった。書店は、本は、未来に生き残るのだろうか・・・いや、本の魅力は絶対になくならない。本を愛する人たちのそんな思いに応えてくれるのが、本作『ブックセラーズ』だ。世界最大規模のNYブックフェアの裏側から、業界で名を知られたブックディーラー、書店主、コレクターから伝説の人物まで、登場する人々の本への愛情、ユニークなキャラクターには誰もが心惹かれずにはいられない。監督はアメリカの俊英D.W.ヤング。製作総指揮&ナレーションは“インディペンデント映画の女王”と呼ばれた女優パーカー・ポージー。フラン・レボウィッツ、スーザン・オーリアン、ゲイ・タリーズなど錚々たる作家たちもインタビューに登場。また、ビル・ゲイツによって史上最高額で競り落とされたダ・ヴィンチのレスター手稿やボルヘスの手稿、「不思議の国のアリス」のオリジナル原稿など希少本が多数紹介されるのもたまらない魅力だ。すべての本を愛する人に届けたい一級品のドキュメンタリーである。
(上映時間:99分 DCP上映)
5月15日(土)~5月28日(金)
※火、水曜日定休
友達やめた。
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
初日舞台挨拶
ゲスト:今村彩子監督 村上由美さん(言語聴覚士)
5月15日(土)12:50の回上映後
空気を読みすぎて疲れてしまい、人と器用につき合うことができない、アスペルガー症候群(アスペ)の、まあちゃん。理解があるような顔で、内心悶々としたものをかかえる、映画監督のわたし。些細なことで、ふたりの仲がギクシャクするたび、これって、彼女がアスペだから?
それとも、わたし自身の問題なの? わかり合おうとしなくちゃ… いい人でいなくちゃ…ああ、でも!
まあちゃんと友達でいるために、わたしは自分たちに向けてカメラを回しはじめた…はずが、たどりついた答えは、友達やめた?!
コミュニケーションの壁に苦しむ自身の姿を、エイヤ!と晒した『Start Line』から4年、生まれつき耳のきこえない映画監督 今村彩子が、新たな葛藤と向きあう。人と人ってほんとうに分かりあえるの?
友達って何? 普通ってどういうこと?
わたしたちを縛るやっかいな“常識”を捨て、もっと自由に軽やかに、心と心を重ねあう。ヒリヒリして、イラッときて・・・でも何だかほっこりする、まあちゃんとわたし、ふたりの“違い”から生まれたものがたり。
(上映時間:84分 DCP上映)
5月15日(土)~5月21日(金)
※火、水曜日定休
めぐみへの誓い
©映画「 めぐみへの誓い 」製作委員会
13歳の時に北朝鮮に拉致された横田めぐみさんを中心に、拉致被害者とその家族の苦悩と闘いを描いたドラマ。劇団夜想会主宰の野伏翔が演出・脚本を手がけた舞台劇「めぐみへの誓い 奪還」を、野伏監督のメガホンで映画化した。1977年11月15日、新潟県の中学校に通う横田めぐみは、部活からの帰り道に拉致され、北朝鮮へと連れて行かれる。朝鮮語を覚えたら帰国できるという言葉を信じて必死に勉強するめぐみだったが、18歳になった時、その約束が嘘であったことを知り、絶望のあまり精神に破綻をきたしてしまう。一方、日本に幼い子どもたちを残して拉致された22歳の田口八重子は、若い工作員キム・ヒョンヒの日本人化教育の教師となり、姉妹のように心を通わせていく。しかしキム・ヒョンヒは、大韓航空機爆破事件の実行犯となる。日本では、めぐみの両親とその支援者たちが必死の署名活動を続けていた。
(上映時間:102分 DCP上映)
5月1日(土)~5月14日(金)
JUNK HEAD
©2021 MAGNET/YAMIKEN
<映画の作り方は独学><たった一人でスタート><制作期間7年間><本職は内装業>──そんな驚愕ワードをひっさげて、アニメーション界に突如出現した孤高のクリエイター、堀貴秀。総ショット数約14万コマ・フィギュアはすべて手作りという狂気の愛と熱量で完成させた作品は、北米最大のジャンル映画祭の呼び声も高いファンタジア国際映画祭で最優秀長編アニメーション賞を奪取!
さらに『シェイプ・オブ・ウォーター』でアカデミー賞🄬に輝いたギレルモ・デル・トロから、同じ高みを目指す才能として激賞された。
マニアックなのに壮大な世界観と、不気味だけどかわいいキャラクターに中毒者が続出した、最高のディストピア!? が遂に海外から逆輸入上映を果たす!
人類は遺伝子操作により長寿を得たが、代償として生殖能力を失った。さらに環境汚染、ウィルス感染により、世界は滅亡への道を歩んでいた。新たな命を生み出すカギは、地下で独自に進化した人工生命体マリガンに隠されていた。今、未来を救うために“主人公”が迷宮へと潜入する─!
(上映時間:99分 DCP上映)
5月1日(土)~5月14日(金)
あのこは貴族
©山内マリコ/集英社・『あのこは貴族』製作委員会
都会の異なる環境を生きる2人の女性が、恋愛や結婚だけではない人生を切り拓く姿を描くシスターフッドムービーの新境地とも言える作品が誕生した。監督は初のオリジナル長編作品『グッド・ストライプス』で、新藤兼人賞金賞を受賞した岨手由貴子。原作は、映像業界が最も注目する山内マリコによる同名小説。主人公の箱入り娘・華子には、本年度NHK大河ドラマ「麒麟がくる」でヒロインを好演中の門脇麦。地方から上京し、自力で生きる美紀役に、女優、モデル、デザイナーと多彩に活躍する水原希子。奇しくも二人を繋ぐことになる、弁護士・幸一郎役に高良健吾ほか、石橋静河、山下リオと、若手実力派俳優が集結した。20代後半から30代にかけて息苦しさを抱える女性たちが、軽やかに変化していく姿を、最後の青春譚として静かに紡いでゆく。
東京に生まれ、箱入り娘として何不自由なく成長し、「結婚=幸せ」と信じて疑わない華子。20代後半になり、結婚を考えていた恋人に振られ、初めて人生の岐路に立たされる。あらゆる手立てを使い、お相手探しに奔走した結果、ハンサムで良家の生まれである弁護士・幸一郎と出会う。幸一郎との結婚が決まり、順風満帆に思えたのだが…。一方、東京で働く美紀は富山生まれ。猛勉強の末に名門大学に入学し上京したが、学費が続かず、夜の世界で働くも中退。仕事にやりがいを感じているわけでもなく、都会にしがみつく意味を見いだせずにいた。幸一郎との大学の同期生であったことで、同じ東京で暮らしながら、別世界に生きる華子と出会うことになる。2人の人生が交錯した時、それぞれに思いもよらない世界が拓けていく―。
(上映時間:124分 DCP上映)
5月1日(土)~5月14日(金)
花のあとさき
ムツばあさんの歩いた道
©NHK
秩父の山深い村に暮らす小林ムツさんは、平成に入った頃から、夫の公一さんとともに、丹精込めた段々畑をひとつまたひとつと閉じそこに花を植えてきました。その数、1万本以上。ムツさんは言います。「長い間お世話になった畑が荒れ果てていくのは申し訳ない。せめて花を咲かせて山に還したい・・・」。それはまるでふるさとに花を手向け、終わり支度をしているかのようでした。二人が心がけていたのは、いつか誰も世話をする人がいなくなっても咲く、丈夫な花を育てること。人も花も、老いて枯れる時が来ても、いのちが次に引き継がれるように・・。
暮らす人が年々いなくなる小さな村は、春、色とりどりの花に包まれるようになりました。福寿草に始まって、レンギョウ、ハナモモ、ヤマツツジ。潤いの雨を受けてアジサイが咲き、秋は、苗木の時から夫婦で育てたモミジが彩ります。「いつか人が山に戻ってきたとき、花が咲いていたらどんなにうれしかろう。」ムツさんの歩いた道を、美しい山里の四季とともにたどります。
監督・撮影は、ムツさんに惹かれて18年に渡り取材を続けたNHKカメラマン・百崎満晴。プロデューサーは「新日本風土記」で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した伊藤純。語りは「NHKスペシャル」などのナレーションで放送文化基金賞を受賞した長谷川勝彦。平成14年から放送されて大反響を呼んだ7本のドキュメンタリーシリーズを集大成し、映画のために書きおろされたオリジナル楽曲と未公開シーンを加えてお届けします。
(上映時間:112分 DCP上映)
4月24日(土)~4月30日(金)
※火、水曜日定休
恋するけだもの
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
トークイベント決定!
4月29日(木・祝)15:00の回上映後
ゲスト:白石晃士監督、坪井篤史さん(シネマスコーレ副支配人)久保山智夏さん(窪千花役)大迫茂生さん(ジロー役)
木村知貴さん(社長・瓜生万役)
「貞子vs伽椰子」の白石晃士監督が、2018年の自主製作短編「恋のクレイジーロード」を長編映画として自らリブートしたバイオレンスラブコメディ。過去を隠して田舎町の工務店で働き始めた内気な青年・宙也は、同僚たちから暴力を振るわれる日々を送っていた。町では近頃「男が関西弁の女装男に声を掛けられ、交際を断ると殺される」という都市伝説がささやかれていた。ある日、宙也は好意を寄せている同僚・栞から、一緒に逃げようと持ち掛けられる。彼女によると工務店の人間は人殺しで、宙也もいずれ遊び半分で殺されるという。2人は町外れのスナックで落ち合う約束をするが、逃亡に気づいた工務店の社長や同僚が彼らを追う。そんな中、噂の女装男が現れ宙也に一目ぼれしたことから、事態は思わぬ方向へと展開していく。短編に続いて「デッドエンドの思い出」の田中俊介が主演を務め、「俳優・亀岡拓次」の宇野祥平が女装男・江野祥平を怪演。
(上映時間:86分 DCP上映)
4月24日(土)~4月30日(金)
※火、水曜日定休
サン・ラーの
スペース・
イズ・ザ・プレイス
© A North American Star System Production / Rapid Eye Movies
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
渋谷哲也氏オンライン無観客映画トーク
「仮設のロビー」
4月29日(木・祝)18:30から
アヴァンギャルド・フリー・ジャズの音源を大量に発表、その数があまりにも膨大なため誰も全貌を把握できていない土星からの使者、超現実的宇宙音楽の創造者であり、1993年に地球を去ったサン・ラーが脚本、音楽、主演をつとめた漆黒の革新的SF映画。ミュージカル、SFオペラ、社会評論を組み合わせた、まったく新しい映画体験を提供、クエンティン・タランティーノ等に影響を与えたブラックスプロイテーションの重要な作品と呼ぶ人もいる。それでも本作はジャンルの慣習に準拠しない。むしろ、サン・ラーの鋭い精神状態を視覚的に表したものだ。常に晴れて活気のあるカリフォルニアは、サン・ラーの予言的使命の装置として機能する。ここでは何でも可能であり、社会的ユートピアの夢がスクリーン上に浸透している。音楽は当時の政治的希望、つまり人種的抑圧からの解放を反映した銀河間の兵器。これは映画的で哲学的な若さの源であり、依然として重要な意味を放つ、時代を超えた傑作である。
(上映時間:81分 DCP上映)
4月24日(土)~4月30日(金)
※火、水曜日定休
ホーリー・マウンテン
世界的にヒットした『エル・トポ』などで知られ、数多くの熱烈なファンを持つチリ出身の名匠アレハンドロ・ホドロフスキーの作品をデジタルリマスター版で上映。不死を求め、聖なる山の頂点へと向かう男女9人の狂気と美に満ちた旅が展開する。ホドロフスキー監督自身が、登場人物たちを聖なる山へと導く錬金術師を熱演。今もなお色あせることのない奇抜で驚異的な映像世界と、あまりに唐突であぜんとさせられるラストシーンに注目だ。
(上映時間: 117分 DCP上映)
4月10日(土)~4月23日(金)
※火、水曜日定休
私は確信する
©Delante Productions - Photo Séverine BRIGEOT
2000年2月、フランス南西部トゥールーズ。38歳の女性スザンヌ・ヴィギエが3人の子供を残して忽然と姿を消した。夫ジャックに殺人容疑がかけられるが、明確な動機がなく、決め手となる証拠は見つからない。ジャックは第一審で無罪となるがすぐさま検察に控訴され、翌年の第二審で、再び殺人罪を問う裁判が行われる。
無実を確信するシングルマザーのノラは、敏腕弁護士デュポン=モレッティに弁護を懇願。自らも助手となり250時間の電話記録を調べるうちに、新たな真実と疑惑に気がつくが…。
フランスで実際に起こった未解決の“ヴィギエ事件”を映画化。“ヒッチコック狂による完全犯罪”とメディアがセンセーショナルに報じて大衆の好奇心を煽り立てるなか、本当に殺されたのかも判然としないまま開かれた“殺人事件”をめぐる裁判はフランス中の注目を集めた。スザンヌは本当に夫に殺害されたのか?刑事、ベビーシッター、愛人たちの食い違う証言。事件の真相とは―?
疑惑だらけの証人たちと対峙する白熱の法廷シーン、事件によって人生を狂わされたヴィギエ一家の苦悩、真実を求めて事件にのめりこむ主人公・シングルマザーのノラ…。裁判の内外で繰り広げられる息をのむスリリングな展開と人間模様に、一瞬たりとも目が離せない。
(上映時間:110分 DCP上映)
4月10日(土)~4月23日(金)
※火、水曜日定休
タネは誰のもの
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
舞台挨拶決定!
4月10日(土)12:40の回上映後
ゲスト:原村政樹監督
4月17日(土)12:50の回上映後
ゲスト:山田正彦プロデューサー
2018年4月、種子法廃止
そして2020年10月、種苗法改定案の国会審議が再び始まる
急速なグローバル化の中であらためて問われるタネの権利とは
2020年6月に国会成立が見送られ、継続審議となった種苗法改定の動きに対して賛否が渦巻く中、自家採種・自家増殖している農家と種苗育成農家の双方の声を伝えるため、北海道から沖縄まで様々な農業の現場を取材。政府が拙速に改定を成立させようとしている中、種苗法改定(案)が日本の農業を深刻な危機に陥れる可能性を、専門家の分析も含め農業の現場から探った。
(上映時間:65分 DCP上映)
4月10日(土)~4月23日(金)
※火、水曜日定休
ステージ・マザー
© 2019 Stage Mother, LLC All Rights Reserved.
やったことがないことに手を出すのは、誰にとってもコワイもの。それも、自分が苦手だったり、偏見をもっている分野に対してはなおのこと。いくら亡くなった息子の遺したもの、とはいえ、超保守的な初老の女性が、大都会のゲイバーを再建する!? あらゆる偏見の壁を乗り越えてチャレンジすることで見えてくる、新たなる希望と友情を描くハートウォーミングストーリーが『ステージ・マザー』だ。
ゲイでドラァグクイーンの息子が急死し、彼が経営するバーを相続することになってしまったメイベリン。息子が生きているときにはわかり合えなかった後悔をバネに、彼が自分らしく生きた街で、メイベリンもまた自分らしさとは何か、生きるとは何かを見つめ直す。
『キッズ・オールライト』やNetflix映画『シカゴ7裁判』を製作したJ・トッド・ハリスがプロデューサーを務めた本作。主演は『世界にひとつのプレイブック』などで知られるジャッキー・ウィーヴァー、共演は『チャーリーズ・エンジェル』シリーズやドラマ『エレメンタリー
ホームズ&ワトソン in
NY』のルーシー・リュー、ドラマ『アントラージュ★オレたちのハリウッド』のエイドリアン・グレニアーなど。また、トランス女性のドラァグクイーン・チェリー役は、同じくトランス女性の俳優で『タンジェリン』の好演で知られるマイア・テイラーが演じ、「セクシュアリティの違う俳優が性的マイノリティの役を演じる」という昨今の問題も乗り越えた。
(上映時間:93分 DCP上映)
3月27日(土)~4月9日(金)
※火、水曜日定休
ミッドナイト・ファミリー
© FamilyAmbulanceFilmLLC Luke Lorentzen
メキシコ・シティでは、人口900万人に対し、行政が運営する救急車は45台にも満たない。そのため、専門訓練もほとんどなく、認可も得ていない営利目的の救急隊という闇ビジネスが生まれている。オチョア家族もその一つだ。
同業者と競い合って、緊急患者を搬送する毎日。この熾烈なビジネスで日銭を稼ごうと奮闘するオチョア家だが、現実はそう甘くない。腐敗した警察による取り締まりが、さらに家族を窮地へと追いやっていく。
「ミッドナイト・ファミリー」は、倫理的に疑問視されるオチョア家の稼業を、人間味あふれる視点で捉えつつ、メキシコの医療事情、行政機能の停滞、自己責任の複雑さといった差し迫った課題を私たちに突きつける。
(上映時間:81分 DCP上映)
3月27日(土)~4月9日(金)
※火、水曜日定休
クラッシュ
4K無修正版
© 1996 ALLIANCE COMMUNICATIONS CORPORATION, IN TRUST
「ザ・フライ」「裸のランチ」などで知られるカナダの鬼才デビッド・クローネンバーグ監督がイギリスのSF作家J・G・バラードの小説を映画化し、第49回カンヌ国際映画祭で審査委員特別賞を受賞した作品。自動車事故をきっかけに倒錯的セックスにのめりこむようになった男女の姿を描き、過激な性描写などで賛否両論を巻き起こした。倦怠期にあったジェームズと妻キャサリンはハイウェイで衝突事故を起こす。やがてジェームズはその事故で夫を亡くしたヘレンと再会。事故の瞬間にエクスタシーを感じ、それを忘れられなかったジェームズはヘレンとセックスをし、さらに自動車事故で性的快感を得た者たちによる集会に参加することに。その指導者的存在の男ボーンはジェームズとキャサリンをさらなる官能の世界に導いていくが……。主人公ジェームズ役に「セックスと嘘とビデオテープ」のジェームズ・スペイダー、ヘレン役に「ピアノ・レッスン」のホリー・ハンター。96年製作、日本では97年に劇場公開。製作25年を迎える2021年、「4K無修正版」でリバイバル公開。
(上映時間:100分 DCP上映)
3月20日(土)~4月2日(金)
※火、水曜日定休
春江水暖
©2019 Factory Gate Films All Rights Reserved
杭州市、富陽。大河、富春江が流れる。しかし今、富陽地区は再開発の只中にある。顧<グー>家の家長である母の誕生日の祝宴の夜。老いた母のもとに4人の兄弟や親戚たちが集う。その祝宴の最中に、母が脳卒中で倒れてしまう。認知症が進み、介護が必要なった母。「黄金大飯店」という店を経営する長男、漁師を生業とする次男、男手ひとつでダウン症の息子を育て、闇社会に足を踏み入れる三男、独身生活を気ままに楽しむ四男。恋と結婚に直面する孫たち。変わりゆく世界に生きる親子三代の物語。
これが長編デビューとなる、まだ若い監督の映画が、いきなり2019年カンヌ国際映画祭批評家週間のクロージング作品に選ばれた。監督のグー・シャオガンは、山水画の絵巻「富春山居図」にインスピレーションを得て、クラシックでありながら、革新的な映画を完成させた。エドワード・ヤン、ホウ・シャオシェン、ジャ・ジャンクーの遺伝子を感じさせる新世代の才能として世界に迎えられたのだ。息を呑む横移動スクロールの超ロングテイクや壮大なロングショット。激動の中国に生きる、ある大家族の営みが、まさに絵巻としてスクリーンに広がる。
(上映時間:150分 DCP上映)
3月13日(土)~3月26日(金)
※火、水曜日定休
ジョン・F・ドノヴァンの死と生
© 2018 THE DEATH AND LIFE OF JOHN F. DONOVAN INC., UK DONOVAN LTD.
2009年。19歳の才能に世界は一瞬で魂を奪われた。その後『Mommy/マミー』でカンヌ国際映画祭審査委員賞を受賞し、前作『たかが世界の終わり』でカンヌ国際映画祭グランプリに輝いた。そして今、グザヴィエ
・ドラン初英語監督作品を誕生させた。着想から10年の時を経て挑んだ本作は、8歳だったドランが当時『タイタニック』に出ていたレオナルド・ディカプリオにファンレターを書いたという自身の思い出をヒントに描かれる、スターと少年の物語だ。幼少期のドラン自身がモデルになった少年ルパートには、『ルーム』で絶賛された天才子役ジェイコブ・トレンブレイ。彼が憧れる俳優ジョンに、TVシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」のキット・ハリントン。脇を固めるのはナタリー・ポートマン、スーザン・サランドン、キャシー・ベイツら豪華オスカー女優たち。さらにアデル、ザ・ヴァーヴの音楽、ほとばしる感情に揺れる映像で、美しきスターの光と影に迫る。デビューから一貫して描き続けてきた「母と息子」というテーマにおける集大成だと監督自身が語る最新作が遂に幕を上げる。
2006年、ニューヨーク。人気俳優のジョン・F・ドノヴァン(キット・ハリントン)が29歳の若さでこの世を去った。
自殺か事故か、あるいは事件か。謎の真相の鍵を握るのは、一人の少年だった。
それから10年の歳月が過ぎ、ドノヴァンと当時11歳の少年だったルパート・ターナー(ジェイコブ・トレンブイ)の“秘密の文通”が一冊の本として出版される。今では注目の新進俳優となったルパートが、100通以上の手紙の公開に踏み切ったのだ。
さらにルパートは、著名なジャーナリストの取材を受け、すべてを明かすと宣言するのだが──。
(上映時間:123分 DCP上映)
3月13日(土)~3月26日(金)
※火、水曜日定休
ハッピー・バースデー
家族のいる時間
©Les Films du Worso
夏のある日、フランス南西部の美しく豊かな自然に囲まれた邸宅で、母アンドレアの70歳の誕生日祝いが開かれようとしていた。だが行方不明だった長女の突然の帰郷が、誕生会を大混乱へ導いていく。思い出の家をめぐる問題や複雑な親子関係、それぞれが抱える過去や秘密が次々に暴かれ、激しく感情をぶつけあう家族。幸福なはずの一日はどんな終わりを迎えるのか…? 過激で強烈、でもどこかユーモラスなフランス流家族のめくるめく大騒動。愛するからこそ衝突する——母と娘、そして家族が織りなす人間模様は、国や世代を超え、やがて普遍的な愛の物語をつくりだす。
国民的女優カトリーヌ・ドヌーヴが、問題だらけの家族を優しく見守る母親アンドレア役を、たしかな演技力と類稀な存在感で演じる。トラブルメーカーの長女クレール役は、監督としても活躍するエマニュエル・ベルコ。芸術家肌の次男ロマン役は、個性派俳優ヴァンサン・マケーニュ。そしてしっかり者だが融通のきかない長男ヴァンサンを、本作の監督セドリック・カーンが自ら演じる。『COLD
WAR
あの歌、2つの心』『おとなの恋の測り方』など数々の名作に出演してきたカーンだが、自作への出演はこれが初となる。また小説家として日本でも人気の高いレティシア・コロンバニ、期待の新人ルアナ・バイラミらも出演。フランスを代表する名優たちが奏でる見事なアンサンブルが、おかしくも愛しい家族の一日を豪華に彩る。演技の饗宴ともいうべき素晴らしき俳優映画が誕生した。
(上映時間:101分 DCP上映)
3月13日(土)~3月19日(金)
※火、水曜日定休
泣く子はいねぇが
©2020「泣く子はいねぇが」製作委員会
親になることからも、大人になることからも逃げてしまった主人公が、過去の過ちと向き合い、不器用ながらも青年から大人へ成長する姿を描く。主人公・たすくを演じるのは、個性溢れる表現力で注目を集める演技派俳優、仲野太賀。たすくの妻・ことね役に、人気実力派女優、吉岡里帆。たすくの親友・志波役は若手最注目株、寛一郎。彼らを取り巻く面々に、山中崇、余貴美子、柳葉敏郎といった豪華俳優陣が集結。監督・脚本・編集は、本作が劇場デビュー作となる新進気鋭の佐藤快磨。秋田県・男鹿半島の伝統文化「ナマハゲ」から、“父親としての責任”、“人としての道徳”というテーマを見出し、約5年をかけて作り上げたオリジナル脚本は、是枝裕和をも唸らせた。「いつから人は大人に?」「大人になるとは?」誰もが経験する人生の通過点を圧倒的なリアリティで描き、観る人すべての心を鷲掴みにする!!
たすくは、娘が生まれ喜びの中にいた。一方、妻・ことねは、子供じみて、父になる覚悟が見えないたすくに苛立っていた。大晦日の夜、たすくはことねに「酒を飲まずに早く帰る」と約束を交わし、地元の伝統行事「ナマハゲ」に例年通り参加する。しかし結果、酒を断ることができずに泥酔したたすくは、溜め込んだ鬱憤を晴らすように「ナマハゲ」の面をつけたまま全裸で男鹿の街へ走り出す。そしてその姿をテレビで全国放送されてしまうのだった――。
それから2年の月日が流れ、たすくは東京にいた。ことねには愛想をつかされ、地元にも到底いられず、逃げるように上京したものの、そこにも居場所は見つからず、くすぶった生活を送っていた。そんな矢先、親友の志波からことねの近況を聞く。ことねと娘への強い想いを再認識したたすくは、ようやく自らの愚行と向き合い、地元に戻る決意をする。だが、現実はそう容易いものではなかった…
(上映時間:108分 DCP上映)
2月27日(土)~3月12日(金)
※火、水曜日定休
ヒッチャー
ニューマスター版
© Filmverlag Fernsehjuwelen. All rights reserved.
「ブレードランナー」のルトガー・ハウアーが謎の殺人ヒッチハイカーを怪演し大ヒットを記録したサスペンススリラー。陸送の仕事をするジム・ハルジーは、シカゴからサンディエゴへと向かう砂漠地帯で、1人のヒッチハイカーを拾う。その男ジョン・ライダーは、ハンドルを握るジムの喉元にナイフを突きつける。一瞬の隙を見てライダーを車から突き落としたものの、その後も彼は執拗にジムを付け狙う。警察やウェイトレスのナッシュも巻き込み、事態は最悪の方向へと転がっていく。主人公ジム役に「アウトサイダー」のC・トーマス・ハウエル。「ボディ・ターゲット」のロバート・ハーモン監督がメガホンをとった。
(上映時間:97分 DCP上映)
2月27日(土)~3月12日(金)
※火、水曜日定休
スタントウーマン
ハリウッドの知られざるヒーローたち
© STUNTWOMEN THE DOCUMENTARY LLC 2020
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
渋谷哲也氏オンライン無観客映画トーク
「仮設のロビー」
3月13日(土)18:00から
CG技術の発達と共に迫力ある映像に満ちたハリウッド映画が日々作られている中、CGでは表現出来ないアクションシーンをより緻密に表現するため、ハリウッドでは今でもスタントパフォーマーたちが活躍している。昨今、このスタントパフォーマーの存在はこれまで以上に映画産業の中で重要視され、アカデミー賞におけるスタント部門の設立などが声高に叫ばれてきている。しかしハリウッドでははるか昔からスタントウーマンたちが活躍し、男性中心のスタントパフォーマーたちの世界で彼女たちの地位や権利を守るために戦ってきた歴史があった。本作は、『トゥルーライズ』『ワイルド・スピード』『マトリックス
リローデッド』をはじめとした映画史に残るアクションシーンを演じてきたスタントウーマンたちの証言で紡ぎだすドキュメンタリー。息を呑むような名シーンの数々を彼女たちはいかに作りあげてきたのか。彼女たちスタントウーマンたちの日々の鍛錬の様子やスタントウーマンの歴史を通して、ハリウッド映画の最前線で活躍するプロフェッショナル達の姿を映し出す。製作総指揮を務めるのは、「ワイルド・スピード」シリーズなど、数々のアクション映画に出演してきたミシェル・ロドリゲス。作品のナビゲーターとしても出演し、スタントウーマンたちの素顔に迫っている。
(上映時間:84分 DCP上映)
2月27日(土)~3月12日(金)
※火、水曜日定休
おらおらでひとりいぐも
© 2020 「おらおらでひとりいぐも」製作委員会
原作は、55歳で夫を亡くした後、主婦業の傍ら執筆し63歳で作家デビューした若竹千佐子の同名小説。本作を発表するやいなや「これは“私の物語”だ」と絶賛を浴び、芥川賞・文藝賞をW受賞した。シニア世代の圧倒的支持を得たベストセラーをこれまで数々の映画賞を受賞してきた沖田修一監督が映画化。15年ぶりの主演となる田中裕子をはじめ、蒼井優、東出昌大、濱田
岳、青木崇高、宮藤官九郎ら豪華キャストが集結し、巡る時代と季節を縦横自在に描く。新しい日常を生きる今――不安や寂しさを受け入れて力強く歩みを進める桃子さんの姿が優しく響く、可憐でたくましい唯一無二の感動作が誕生した。
1964年、日本中に響き渡るファンファーレに押し出されるように故郷を飛び出し、上京した桃子さん。あれから55年。結婚し子供を育て、夫と2人の平穏な日常になると思っていた矢先…突然夫に先立たれ、ひとり孤独な日々を送ることに。図書館で本を借り、病院へ行き、46億年の歴史ノートを作る毎日。しかし、ある時、桃子さんの“心の声=寂しさたち”が、音楽に乗せて内から外から湧き上がってきた!孤独の先で新しい世界を見つけた桃子さんの、ささやかで壮大な1年の物語。
(上映時間:137分 DCP上映)
2月13日(土)~2月26日(金)
※火、水曜日定休
ジョーン・ジェット/
バッド・レピュテーション
© 2018 Bad Reputation LLC
70年代末に日本で大ヒットしたガールズバンド、ザ・ランナウェイズの元中心メンバーであり、<ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツ>としてソロ活動を続け、2015年にはロックの殿堂入りを果たした、女性ギタリストでありロックンロールの象徴ともいわれるジョーン・ジェットの半生を描いたドキュメンタリー映画。ニルヴァーナやREMほか多くのMVを手掛けてきたケヴィン・カースレイク監督作。
2003年に発表のローリング・ストーン誌の「歴史上最も偉大な100人のギタリスト」では87位にランクイン(女性は100人中2人のみ)というジョーン・ジェットのロックンロールのパイオニアとして、またポップカルチャーのアイコンとしての彼女の存在感に迫る。
70年代末に日本でも大ヒットした女性5人組バンド、ザ・ランナウェイズの中心メンバーであり、解散後は<ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツ>としてソロ活動を続け、2015年にはロックの殿堂入りを果たした、女性ギタリストでありロックンロールの象徴ともいわれるジョーン・ジェットの半生を描いたドキュメンタリー映画。ジョーン・ジェットがギターを手にした幼少期から現代まで、約半世紀にわたるロック人生を95分間で描き切る。
(上映時間:95分 BD上映)
2月13日(土)~2月26日(金)
※火、水曜日定休
天空の結婚式
© Copyright 2017 Colorado Film Production C.F.P. Srl
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渋谷哲也氏オンライン無観客映画トーク
「仮設のロビー」
2月23日(火・祝)17:00から
息子が連れてきた「婚約者」は「男」だった・・・
イタリアの「天空の村」を舞台に、同性婚をめぐる家族の大騒動を描く最高にハッピーなロマンティック・コメディ!
結婚を決意したアントニオとパウロ、最大の難関それは実家の両親に認めてもらうこと。
向かった先はアントニオのふるさと、イタリアで最も美しい天空の村、チヴィタ・ディ・バニョレージョ。
カリスマウェディングプランナーが手掛ける最高の結婚式。
はたして天空の地で永遠の愛を交わすことはできるのか。
(上映時間:90分 DCP上映)
2月13日(土)~2月26日(金)
※火、水曜日定休
ヨコハマメリー
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
リモート舞台挨拶
ゲスト:中村高寛監督
2月21日(日)15:00の回上映後
歌舞伎役者のように顔を白く塗り、貴族のようなドレスに身を包んだ老婆が、ひっそりと横浜の街角に立っていた。本名も年齢すらも明かさず、戦後50年間、娼婦として生き方を貫いたひとりの女。かつて絶世の美人娼婦として名を馳せた、その気品ある立ち振る舞いは、いつしか横浜の街の風景の一部ともなっていた。“ハマのメリーさん”人々は彼女をそう読んだ。
1995年冬、メリーさんが忽然と姿を消した。自分からは何も語ろうとしなかった彼女を置き去りにして、膨らんでいく噂話。いつの間にかメリーさんは都市伝説のヒロインとなっていった。
本作に出演するのは、メリーさんと関係のあった人たちや思い入れのある人たち、そして昔の横浜を知る人たちである。それらの人たちのインタビューや取材により「メリーさん」とは何だったのか、彼女が愛し離れなかった「横浜」とは何だったのかを検証し、浮き彫りにしていった。いわば本作は、あるテーマ(ヨコハマ、メリーさん)についての「現象」を追ったドキュメンタリーである。
監督は本作がデビューとなる、弱冠30歳の中村高寛。メリーさんが街から消え、彼はその影を追うように、様々な人々へのインタビューを始めた。そしてメリーさんを通して見えてきたものは、市井の普遍的な人の営み、感情、人生の機微であった。撮影開始から5年の歳月をかけ、地元・横浜への親しみが込められた、清々しい感動に溢れる作品を作り上げた。
(上映時間:92分 DCP上映)
2月6日(土)~2月12日(金)
※火、水曜日定休
おろかもの
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
リモート舞台挨拶
ゲスト
芳賀俊監督、笠松七海さん(洋子役)、村田唯さん(美沙役)、南久松真奈さん(吉岡秀子役)
2月7日(日)15:30の回上映後
若手監督の登竜門として知られる田辺・弁慶映画祭の2019年(第13回)のコンペティション部門でグランプリを受賞した長編作品。同映画祭ではグランプリのほか、主演の笠松七海と村田唯の俳優賞や観客賞など5冠に輝き、第16回SKIPシティ国際Dシネマ映画祭の長編コンペティション部門でも観客賞を受賞するなど、多数の映画祭で高い評価を得た。結婚を目前に控えた兄・健治の浮気現場を目撃した高校生の洋子は、好奇心に突き動かされて浮気相手の女性・美沙と対峙するが、美沙の独特の柔らかさや強さと脆さにひかれていく。そして衝動的に、洋子は美沙にある共犯関係を持ち掛ける。
(上映時間:96分 DCP上映)
1月30日(土)~2月12日(金)
※火、水曜日定休
相撲道
~サムライを継ぐ者たち~
© 2020「相撲道~サムライを継ぐ者たち~」製作委員会
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
リモート舞台挨拶
ゲスト:坂田栄治監督
1月30日(土)15:30の回上映後
1500年以上もの歴史の中で日本人の暮らしに深く根付き、今や国技となった「相撲」。
そこには知られざる世界があった―。
約半年間、境川部屋と高田川部屋の二つの稽古場に密着。
想像を絶する朝稽古、驚きの日常生活、親方・仲間たちとの固い絆、そして、本場所での熱き闘いの姿を追いかける中で、相撲の魅力を歴史、文化、競技、様々な角度から紐解いていく。
勝ち続けなければいけない、強くなくてはいけない、サムライの魂を宿した力士たち。極限まで自分と向き合い、不屈の精神で「相撲」と闘い続けるサムライたちの生き様を描いた唯一無二のドキュメンタリーが生まれた。
(上映時間:104分 DCP上映)
1月16日(土)~2月12日(金)
※火、水曜日定休
一生に一度は、
映画館でジブリを。
© 1984 Studio Ghibli・H © 1997 Studio Ghibli・ND © 2001 Studio
Ghibli・NDDTM
© 2006 Studio Ghibli・NDHDMT
風の谷のナウシカ
もののけ姫
千と千尋の神隠し
ゲド戦記
1月30日(土)~2月5日(金)
※火、水曜日定休
瞽女GOZE
©2020映画瞽女GOZE製作委員会
生後3ヶ月で失明したハルは2歳のとき父と死別。盲目の為に七歳で瞽女になる、それまでは優しい母であったトメは、瞽女になった時から心を鬼にしてハルを厳しく躾ける。それは、母親が子を思う愛情の深さだった。その母親の優しさを気がつかないまま八歳でフジ親方と共に初めて巡業の旅に出る。その年、病が悪化してトメはこの世を去る。死別の際、ハルは自分を虐めた鬼である母親に涙一つ流さなかった。
苛酷な瞽女人生の中でハルは意地悪なフジ親方からは瞽女として生き抜く力を、サワ親方からは瞽女の心を授かるのである。ハルは言う「いい人と歩けば祭り、悪い人と歩けば修行」と・・・・
こうして様々な困難を経て親方になったハルは初めて幼い弟子ハナヨを向かい入れる、何も知らないハナヨを瞽女として生きていける様にとハルは厳しく躾をした時、自分が幼い頃母から鬼の様に厳しく躾けられる姿が走馬灯のように浮かび上がる。
その時、ハルは自分を愛してくれた母親トメの慈愛の深さを知る「カカさ・・・あり~がと・・・」
ハルは母に感謝の涙を流すのであった。
(上映時間:109分 DCP上映)
1月16日(土)~1月29日(金)
※火、水曜日休館
ブリング・ミー・ホーム
尋ね人
© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
看護師として働くジョンヨン(イ・ヨンエ)は、夫ミョングク(パク・ヘジュン)と共に、6年前に失踪した息子ユンスを捜し続けていた。捜索途中に起こった悲劇的な事故の後、憔悴しきった彼女の元に「ユンスに似た子を、郊外の漁村で見た」という情報が寄せられる。しかし、漁村へとやってきたジョンヨンの前に立ちはだかったのは、釣り場を営む怪しげな一家だった。口を閉ざす村の人々、非協力的な地元警察。この村は何かがおかしい…。
韓国で記録的高視聴率を獲得し、日本でもブームを巻き起こした名作テレビドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」で一躍国民的スターとなったイ・ヨンエが、パク・チャヌク監督作『親切なクムジャさん』(05)以来、実に14年ぶりにスクリーンに帰ってきた!私生活での結婚、子育てを経て、映画復帰第一作に選んだのは、愛と復讐の母性サスペンス!待望のカムバックを受け、韓国ではBOX
OFFICE初登場、韓国映画ナンバーワンのヒットを記録した。
監督は、イ・チャンドン監督作『シークレット・サンシャイン』(07)他に参加し、本作が長編劇映画デビューとなるキム・スンウ。自ら書き下ろした渾身の脚本がイ・ヨンエの目に留まり映画化が実現。さらに、ドラマ「梨泰院クラス」のユ・ジェミョン、「夫婦の世界」のパク・ヘジュンら実力派俳優も集結した。
(上映時間:108分 DCP上映)
1月16日(土)~1月29日(金)
※火、水曜日定休
詩人の恋
© 2017 CJ CGV Co., Ltd., JIN PICTURES, MIIN PICTURES All Rights Reserved
『息もできない』『あゝ、荒野』で映画ファンを唸らせた韓国の名優ヤン・イクチュン。変幻自在のカメレオン俳優の彼が、本作では日がな一日のんびりと過ごす詩人ヒョン・テッキに変身した。『あゝ、荒野』の役を演じるために鍛え上げたボクサー体形から約8キロも増量。ぽっこりふくらんだお腹と、ドーナツをほおばる姿は食いしん坊のクマのように愛らしい。テッキの妻役には『名もなき野良犬の輪舞』のチョン・ヘジン、テッキの人生に大きな影響を与える青年セユンにNetflixオリジナル韓国ドラマ「恋するアプリ
LOVE ALARM」の新星チョン・ガラムら、韓国を代表する俳優たちが集結した。
韓国のリゾート地、済州島を舞台にメガホンをとったのは、2007年の短編デビューから苦節10年、念願の初長編監督作となるキム・ヤンヒ。平凡な人生を歩いてきた男が突然同性に激しい感情を抱いたら?
という発想から、済州島の日常風景を背景に無垢な詩人が社会の影を知る姿を映し出す。
愛とは? 夫婦の意味とは? 理想と現実に直面した3人が、もがきながら答えをたぐり寄せる―。
切なすぎる三角関係をヤン・イクチュンら実力派俳優が繊細に紡ぎ、観る者の終わらせた恋、諦めたあの人が思わずよぎる共感を呼ぶ感動作が誕生した!
自然豊かな済州島で生まれ育った詩人のテッキ(ヤン・イクチュン)は、ここ数年スランプだ。稼げない彼を支える妻ガンスン(チョン・ヘジン)が妊活を始めたことから、テッキの人生に波が立ちはじめる。乏精子症と診断され、詩も浮かばず思い悩む彼を救ったのは、港に開店したドーナツ屋で働く美青年セユン(チョン・ガラム)だった。彼のつぶやきが詩の種となり、新しい詩の世界への扉を開いてくれたのだ。もっと彼を知りたい―。30代後半にして初めて芽生えた“守ってあげたい”という感情を隠しながら、テッキは孤独を抱えるセユンと心を通わせていく……。
(上映時間:110分 DCP上映)
ブックスマート
卒業前夜のパーティーデビュー
© 2019 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.
“俺たち”シリーズ、『バイス』の製作コンビによるバックアップの下、女優オリヴィア・ワイルドが長編監督デビュー。これまでになく大胆でパワフルな青春コメディはSXSW映画祭で話題沸騰!数々の映画賞を席巻する快進撃で全米を熱狂させた。また、監督、脚本、主演の全てが女性主導という作品にテイラー・スウィフト、ナタリー・ポートマンら多くのセレブが絶賛し、支持表明したことも大きな話題となった。
主演は、本作でゴールデン・グローブ賞にノミネートを果たした『レディ・バード』ビーニー・フェルドスタインと『デトロイト』ケイトリン・デヴァー。
レベル・ウィルソンのNetflixで配信中『ロマンティックじゃない?』の脚本家陣が見かけや趣向のステレオタイプを排除し多面的なキャラクターを作り上げ、初監督のワイルドがフレッシュにまとめあげた。たった一晩のはちゃめちゃな冒険が、全ての登場人物に気づきを与え、爆笑の後には過ぎ去った時間の愛しさと、彼らを待つ未来の美しさを予感させてくれる。2020年代の青春コメディの傑作がついに公開される。
明日は卒業式。親友同士のモリーとエイミーは、高校生活の全てを勉学に費やし輝かしい進路を勝ちとった。ところが、パーティー三昧だった同級生たちも同じくらいハイレベルな進路を歩むことを知り驚愕。2人は失った時間を取り戻すべく、卒業パーティーに乗り込むことを決意する。
(上映時間:102分 DCP上映)
喜劇 愛妻物語
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
舞台挨拶
ゲスト:足立紳監督 & 足立晃子さん
1月9日(土)16:00の回上映後
結婚して10年。いまだにうだつの上がらない脚本家の豪太と、トキメキを失って久しい妻のチカが、幼い娘と三人で旅に出た。四国を舞台にしたシナリオを書くための五日間の取材旅行。しかし豪太にはもうひとつの重大ミッションがあった。旅の間になんとしても、「セックスレスの妻とセックスする」という悲願を達成するのだ!
『百円の恋』で日本アカデミー賞に輝いた名脚本家・足立紳が、自伝的小説「喜劇
愛妻物語」を自ら脚色した監督第二作。とことんどうしようもない倦怠期夫婦の珍道中を通じて、滑稽だが愛すべき“夫婦の真実”を一切カッコつけることなく描き切った珠玉のロードコメディだ。
稼ぎがほぼゼロで家に居場所もないのに、隙あればセックスに持ち込もうと奮闘するダメ夫・豪太役には、独特の憎めない個性で愛される人気俳優、濱田岳。そして夫に罵声を浴びせながら、家計や子育てを支える不機嫌妻のチカには水川あさみが扮し、速射砲のように罵詈雑言が飛び出す毒舌キャラを熱演。また、豪太とチカの娘アキには、音楽ユニット「Foorin」のメンバーでもある注目の子役、新津ちせ。さらにチカの親友・由美役の夏帆や、光石研、ふせえり、大久保佳代子ら個性派陣が脇を固める。
世知辛い人生の苦みや、夫婦関係を続けていく難しさを噛みしめつつも、足立監督の視線はどこかのほほんとしていてユーモラス。ほぼほぼ険悪、ほんの時折、緊張の糸が緩む豪太とチカの夫婦の姿は、みっともなくてカッコ悪くて、それでいてどこか愛らしい。「笑って泣ける」は使い古された常套句だが、「笑い」と「泣き」がひとつに混じり合うクライマックスに、“男女の愛の神髄”を見出すことができなくもないだろう。
あまりにも赤裸々で、スケールの小さい痴話ゲンカ。見終えた後に押し寄せるのは、胸にしみる感動か、呆れ混じりの乾いた笑いか、それとも他人ごととは思えないディープな共感か? 日本の“家族映画”の伝統に新たな1ページを加える、とことんまで情けない痛快作が誕生した。
(上映時間:115分 DCP上映)
パブリック
図書館の奇跡
© EL CAMINO LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
ある公共図書館の元副理事がロサンゼルス・タイムズに寄稿したエッセイにインスピレーションを得て、完成までに11年を費やし監督したのは名優エミリオ・エステベス。米オハイオ州シンシナティ。記録的な大寒波により、緊急シェルターがいっぱいで行き場がないホームレスの集団が図書館を占拠した。突如勃発した大騒動に巻き込まれたひとりの図書館員の奮闘を軸に、笑いと涙たっぷり、予測不可能なサプライズも盛り込まれた感動作。
約70人のホームレスの苦境を察したスチュアート(エミリオ・エステベス)は、彼らと共に図書館に立てこもることに。しかし、図書館館長、刑事と検察官、マスコミなどそれぞれの思惑が交錯。やがて警察の機動隊が出動し、追いつめられたスチュアートとホームレスは驚愕の行動を決断する…。エミリオ・エステベス監督のもとにアレック・ボールドウィン、クリスチャン・スレイター、『ネオン・デーモン』のジェナ・マローン、Netflix「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」のテイラー・シリングなど実力派揃いのキャストが集結。
主人公の勇気ある行動は、今を生きる私たちにそっと語りかけてくるような問いかけであり、あらゆる観客の胸に響くに違いない。
(上映時間:119分 DCP上映)