12月17日(土)~12月25日(日)
※火曜日、水曜日定休
ボイリング・ポイント/沸騰
©MMXX Ascendant Films Limited
いつもよりちょっと贅沢でおいしい料理を楽しみながら、心ほっこりのひとときを過ごす家族や恋人たち。そんな“レストラン”のイメージを覆す、驚きに満ちた映画が届けられた。ロンドンに実在するレストランで撮影を行った本作は、なんと90分間の全編ワンショット!
正真正銘のノー編集で、ノーCG。ロンドンの高級レストランを舞台に、崖っぷちのオーナーシェフの波乱に満ちた、予測不能なスリリングな一夜を描く。新鋭フィリップ・バランティーニ監督は、慌ただしい人気レストランの表と裏を同時に味わえる濃密な人間ドラマを作りあげた。
主演を務めたのは『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』『アイリッシュマン』のスティーヴン・グレアム。崖っぷちシェフのアンディがたどる大波乱の運命を、ただならぬ気迫と悲哀をこめて体現し、BAFTAの主演男優賞にノミネートされた。アンディの頼れる相棒で、混乱に陥った厨房を支える副料理長カーリーに扮するのは、TVシリーズ「SHERLOCK/シャーロック」のヴィネット・ロビンソン。加えて、『スナッチ』でS・グレアムと共演した曲者俳優ジェイソン・フレミングのほか、即興演技が得意な若手キャストが迫真のアンサンブルを披露している。
(上映時間:95分 )
12月17日(土)~12月25日(日)
※火曜日、水曜日定休
秘密の森の、その向こう
©2021 Lilies Films / France 3 Cinéma
第72回カンヌ国際映画祭の脚本賞とクィア・パルム賞を始め、各国の映画賞を59受賞し、157ノミネートを果たすという偉業を成し遂げた『燃ゆる女の肖像』。すべてのカットに美が宿る完璧な映像と忘れ得ぬ愛の物語を、世界中の数多くの人々が「生涯の一本」として、感動に震える胸に刻み付けた。その名作を生み出したのが、セリーヌ・シアマ監督。デビュー作の『水の中のつぼみ』でセザール賞新人監督作品賞にノミネートされるなど、本国フランスではその眩いばかりの才能が早くから評価されてきた。そして今や、困難な時代を生きる私たちにエンターテインメントで光をもたらす存在として、深い共感とリスペクトを集めている。
そんなシアマ監督が、真骨頂である女性の深淵を描きつつ、全く新しい扉を開く最新作を完成させた。
それは、8歳の少女を主人公にした<喪失>と<癒し>の物語。ベルリン国際映画祭で上映されるや、「大傑作!」と熱い喝采を浴び、次々と映画祭に招かれるたびに賞のカウントを増やし、英国アカデミー賞にノミネートされ、Rotten
TomatoesのTOMATOMETERでは97%(2022.7.14時点)の支持を得る必見の作品が、ついに日本を圧倒する。
(上映時間:73分 )
12月17日(土)~12月25日(日)
※火曜日、水曜日定休
ゆめパのじかん
©ガーラフィルム/ノンデライコ
「ゆめパ」は子どもたちみんなの遊び場。約1万㎡の広大な敷地には、子どもたちの「やってみたい」がたくさん詰まっています。手作りの遊具で思いっきり遊ぶ子どもたち。一緒にどろんこになっている親子。くるくると踊る子。小さな子どもを連れた自主保育のグループ。ゆめパにはいつも子どもと子どもに関わる大人が集っています。
ゆめパの一角には「フリースペースえん」があり、学校に行っていない子どもたちが自分の「好き」をあたためています。安心して、ありのままの自分で過ごせる場所で、虫や鳥を観察したり、木工細工に熱中したり、ゴロゴロ休息したり。でも、時には学校や勉強のことが気になる子も…。新しい春を前に、一人の子が自身の将来を考え始め––––––。
子どもも大人もみんなが作り手となって生み出される「居場所の力」と、時に悩みながらも、自ら考え歩もうとする「子どもの力」を描き出したドキュメンタリー。
2020年度の日本の児童や生徒の自殺者数は初めて400人を超え、小中学生の不登校児はおよそ20万人となりました。社会環境の大きな変化に大人たちが戸惑い、不安を感じている時こそ必要となる”子どもの居場所”。本作の撮影中、2020年3月に新型コロナウイルスの感染拡大により全国の学校が一斉休校となった時もゆめパは子どもたちを受け入れ続けました。
家庭でもない、学校でもない、第3の子どもの居場所を公設民営で運営している先進的なモデルとして、全国の自治体から注目を集めるゆめパの日々を3年にわたり撮影したのは、『さとにきたらええやん』の重江良樹監督。プロデューサーは『さとにたらええやん』『隣る人』の大澤一生、音楽とナレーションをあたたかな声が魅力のシンガーソングライター・児玉奈央が務めています。
遊ぶこと、学ぶこと、休息すること、人と共にあること。その輝きも揺らぎも、子どもたちのかけがえのない“じかん”はきっと大人たちにも大切なものを思い起こさせてくれることでしょう。
(上映時間:90分 )
12月17日(土)~12月25日(日)
※火曜日、水曜日定休
PLAN 75
©2022
『 PLAN 75 』製作委員会 /Urban Factory/Fusee
夫と死別してひとりで慎ましく暮らす、角谷ミチ(倍賞千恵子)は78歳。ある日、高齢を理由にホテルの客室清掃の仕事を突然解雇される。住む場所をも失いそうになった彼女は<プラン75>の申請を検討し始める。一方、市役所の<プラン75>の申請窓口で働くヒロム、死を選んだお年寄りに“その日”が来る直前までサポートするコールセンタースタッフの瑶子(河合優実)は、このシステムの存在に強い疑問を抱いていく。また、フィリピンから単身来日した介護職のマリア(ステファニー・アリアン)は幼い娘の手術費用を稼ぐため、より高給の<プラン75>関連施設に転職。利用者の遺品処理など、複雑な思いを抱えて作業に勤しむ日々を送る。
果たして、<プラン75>に翻弄される人々が最後に見出した答えとは―――。
(上映時間:112分 )
12月10日(土)~12月16日(金)
※火曜日、水曜日定休
夜明けの夫婦
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
舞台挨拶決定
12月11日(日) 15:00回上映後
ゲスト:山内ケンジ
監督、泉拓磨
さん、岩谷健司
さん、
野上信子
プロデューサー
コロナ禍もようやく一応の終焉を迎え、町行く人々の口元にもマスクが目立たなくなってきた。さら(33)は夫、康介(31)の家で康介の両親と一緒に暮らしている。さら夫婦にはまだ子供はいない。
ある日、義理の母が「そろそろ子供は?作らないの?」と遠慮がちに聞いてきた。遠慮がちに聞かれたのはもうこれで何度目であろう。しかし、パンデミックの間、さらと康介は、今までよりもはるかに長くこの家に居たのに、すっかりセックスレスになっていた。なおかつ、
さらは最近、康介に女がいることに気がついていた。さらは、夜中コンドームを捨てた。一方、義理の母、晶子は、コロナによって年老いた母を亡くしたこともあり、命について深く考える毎日。どうしても孫の顔を見
たいという欲求で精神的に不安定になっていた。
(上映時間:135分 )
12月10日(土)~12月16日(金)
※火曜日、水曜日定休
神は見返りを求める
© 2022 「神は見返りを求める」製作委員会
主人公・イベント会社に勤める田母神(ムロツヨシ)は、合コンでYouTuber・ゆりちゃん(岸井ゆきの)に出会う。田母神は、再生回数に悩む彼女を不憫に思い、まるで「神」の様に見返りを求めず、ゆりちゃんのYouTubeチャンネルを手伝うようになる。登録者数がなかなか上がらないながらも、前向きに頑張り、お互い良きパートナーになっていく。そんなある日、ゆりちゃんは、田母神の同僚・梅川(若葉竜也)の紹介で、人気YouTuberチョレイ・カビゴン(吉村界人・淡梨)と知り合い、彼らとの“体当たり系”コラボ動画により、突然バズってしまう。イケメンデザイナ一・村上アレン(栁俊太郎)とも知り合い、瞬く間に人気YouTuberの仲間入りをしたゆりちゃん。一方、田母神は一生懸命手伝ってくれるが、動画の作りがダサい。良い人だけど、センスがない…。
恋が始まる予感が一転、物語は“豹変”する――!
(上映時間:105分 )
12月3日(土)~12月16日(金)
※火曜日、水曜日定休
セイント・フランシス
親友は結婚をして今では子どもの話に夢中。それに対して34歳で独身、大学も1年で中退し、レストランの給仕として働くブリジットは夏のナニー(子守り)の短期仕事を得るのに必死だ。自分では一生懸命生きているつもりだが、ことあるごとに周囲からは歳相応の生活ができていない自分に向けられる同情的な視線が刺さる。そんなうだつのあがらない日々を過ごすブリジットの人生に、ナニー先の6歳の少女フランシスや彼女の両親であるレズビアンカップルとの出会いにより、少しずつ変化の光が差してくる――。
SNS(ソーシャルメディア)でシェアされる、人々の充実したように見える人生。それに比べて「自分なんて」と落ちこみ、満たされない気持ちや不安にさいなまれる人は大勢いるはず。『セイント・フランシス』はそんな不安だらけの毎日を生きるすべての人を、笑顔でそっと抱きしめてくれる。
これまで映画で描かれることの少なかった生理、避妊、妊娠、中絶といった女性の身体にのしかかる負担やプレッシャー、さらにレズビアンカップルが直面する社会的な差別といったリアルを、軽やかに脚本に落としこんだのは今作で主演も務めるケリー・オサリヴァン。欧米では「先駆的」という表現が多く使われた本作は、ケリー・オサリヴァンの自伝的要素を織りこんだオリジナル脚本デビュー作。「女性に生理がなかったら地球には誰も存在しないのに、若い頃から生理のことは隠すように教育されている」。この女性が毎月向き合う日常の当たり前はタブーとされ、キレイな部分だけが美化されている現状に疑問を感じ、女性の心身の本音を見せたかったという。
グレタ・ガーウィグの『レディ・バード』(17)の女性の描き方に触発され、俳優として多くの脚本を読んできた経験を生かして本作の執筆を開始。社会問題を上手に取りこみながら、大人だからこその苦悩と揺れ動く心情、そして今を生きる人たちの本音をユーモアと感動を交えてナチュラルに伝える凄腕は、まさにグレタ・ガーウィグの才能を彷彿とさせる。今後の作品と活躍にも大きな注目が集まる。
(上映時間:101分 )
12月3日(土)~12月9日(金)
※火曜日、水曜日定休
キングメーカー
大統領を作った男
© 2021 MegaboxJoongAng PLUS M & SEE AT FILM CO.,LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
最高権力の座をめざして政治家同士が激突し、負ければ汚職など不正行為を問われて刑務所入りになることもある韓国の大統領選。まさに生き馬の目を抜く苛烈な選挙選を描いた衝撃作が『キングメーカー 大統領を作った男』だ。『KCIA南山の部長たち』など、韓国映画界が得意とするポリティカル・スリラーの真骨頂であり、男たちの熱いドラマが韓国政界の深すぎる闇を暴き出す!
劇中で描かれるエピソードの多くは、金大中(キム・デジュン)と選挙参謀だった厳昌録(オム·チャンノク)の実話を基にしており、「まさか!」と思うような展開も、ほとんどが現実に起こったということに驚かされる。そして世界各国で最高指導者の資質が問われている今だからこそ、この映画が描き出す「政治の理想と現実」が切実なテーマとして観客の胸に迫る。
光の当たる表の存在として民衆の希望となる国会議員、キム・ウンボムを演じるのは名優ソル・ギョング。そして同じ理想を追いかけながらも、ウンボムの影となり力を尽くすソ・チャンデに扮するのは『パラサイト 半地下の家族』のイ・ソンギョン。誰よりもお互いを必要としながらも、決定的なところで混じり合わない2人の複雑な関係を熱演。激動の時代に翻弄される男同士の絆が見る者の胸を熱くする。
監督を務めたのは、ソル・ギョングが主演した『名もなき野良犬の輪舞(ロンド)』の俊英ビョン・ソンヒョン。本作を歴史の重みを感じさせる本格派の政治映画として描き新境地を開拓、その才能の奥深を見せつけている。
(上映時間:123分 )
12月3日(土)~12月9日(金)
※火曜日、水曜日定休
人質
韓国トップスター誘拐事件
© 2021 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & FILMMAKERS R&K & SEM COMPANY. All Rights
Reserved.
『哭声/コクソン』『アシュラ』など出演作ごとに全く違う顔を見せ、強烈なインパクトを残して来た俳優ファン・ジョンミン。韓国では主演作の累計観客動員が1億人を超え“1億俳優”とも呼ばれ、『ベイビー・ブローカー』のソン・ガンホなどと並ぶトップスターだ。
そんな彼の最新作『人質 韓国トップスター誘拐事件』は、題名からも分かるようにクライム・サスペンスなのだが、耳を疑うようなサプライズの設定が施されている。主演ファン・ジョンミンにして、主人公ファン・ジョンミン。韓国映画界を牽引する大物俳優が、誘拐事件の人質となるトップスターを実名で演じた前代未聞の“リアル”サスペンス・アクション。
スクリーンでタフなヒーローを演じるスターも、実生活では悩みや弱さを抱えるひとりの人間にすぎない。その点においてもリアルに描いた本作では、哀れに拘束されたジョンミンが若者グループに蔑まれ、ボコボコにされるまさかの絶句シーンが続出。それでも最後まで希望を捨てないジョンミンが、持ち前の“演技力”を武器に誘拐犯はおろか観客までも騙し、すきあらば命がけの反撃を試みる姿から目が離せない。
ジョンミンの過去作のセリフ、役名が引用されているのもファンには嬉しいポイントだ。まさしく彼のキャリア“集大成”というべき入魂の一作だ!
(上映時間:94分 )
11月19日(土)~12月2日(金)
※火曜日、水曜日定休
神々の山嶺
©Le Sommet des Dieux - 2021 / Julianne Films / Folivari / Mélusine
Productions / France 3 Cinéma / Aura Ciném
「『坊っちゃん』の時代」「遥かな町へ」「孤独のグルメ」など数々の傑作漫画を世に送り出し、2017年にこの世を去った谷口ジロー。この天才漫画家には、生前に実現を待ち望んでいた海外プロジェクトがあった。第11回柴田錬三郎賞に輝いた夢枕獏のベストセラー小説を漫画化した「神々の山嶺」を、フランス映画界が長編アニメーション化する企画である。
もともとフランスで絶大な人気を誇り、2011年にはフランス政府から芸術文化勲章シュヴァリエ章を授与された谷口は、同国の製作チームのもとを二度訪れ、作画やストーリーの確認に携わっていた。惜しくも完成版を観ることは叶わなかったが、構想から完成まで実に7年を費やした本作は、第74回カンヌ国際映画祭でプレミア上映されたのち、フランスの300以上の劇場で公開され、大ヒットを記録。同国のアカデミー賞にあたるセザール賞では長編アニメーション映画賞を受賞した。
そして日本文化や日本人への深いリスペクトも感じられる本作は、Netflixが一部の国を除く世界配信権を獲得したが、日本では貴重なスクリーン上映による“凱旋”が実現。堀内賢雄(深町誠役)、大塚明夫(羽生丈二役)、逢坂良太(岸文太郎役)、今井麻美(岸涼子役)という豪華声優による日本語吹替版での公開となる。
「登山家マロリーがエベレスト初登頂を成し遂げたかもしれない」といういまだ未解決の謎。その謎が解明されれば歴史が変わることになる。カメラマンの深町誠はネパールで、何年も前に消息を絶った孤高のクライマー・羽生丈二が、マロリーの遺品と思われるカメラを手に去っていく姿を目撃。深町は、羽生を見つけ出しマロリーの謎を突き止めようと、羽生の人生の軌跡を追い始める。やがて二人の運命は交差し、不可能とされる冬季エベレスト南西壁無酸素単独登頂に挑むこととなる。
(上映時間:94分 )
11月19日(土)~12月2日(金)
※火曜日、水曜日定休
アプローズ、アプローズ!
囚人たちの大舞台
©2020 – AGAT Films & Cie – Les Productions du Ch’timi / ReallyLikeFilms
囚人たちの為に演技のワークショップの講師として招かれたのは、決して順風満帆とは言えない人生を歩んできた崖っぷち役者のエチエンヌ。
彼は不条理劇で有名なサミュエル・ベケットの『ゴドーを待ちながら』を演目と決めて、ワケあり、クセありの囚人たちと向き合うことに。
しかしエチエンヌの情熱は次第に囚人たち、刑務所の管理者たちの心を動かすことになり、難関だった刑務所の外での公演を実現するまでに。
ただ思いも寄らぬ行動を取る囚人たちとエチエンヌの関係は常に危うく、今にも爆発しそうでハラハラドキドキの連続。
その爆弾は、舞台の上でもいつ着火するかわからない。
ところが彼らのその危なげな芝居は、むしろ観客や批評家からは予想外の高評価を受けて、再演に次ぐ再演を重ねる大成功!
そして遂にはあのフランス随一の大劇場、パリ・オデオン座から、最終公演のオファーが届く!!
果たして彼らの最終公演は、観衆の 喝采(アプローズ) の中で、感動のフィナーレを迎えることができるのだろうか?
(上映時間:105分 )
11月19日(土)~12月2日(金)
※火曜日、水曜日定休
ストーリー・オブ・
マイ・ワイフ
© INFORG-M&M FILM
長編デビュー作『私の20世紀』(89)で第42回カンヌ国際映画祭でカメラ・ドールを受賞、 その後『心と体と』(18)で第67回ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞したハンガリーの鬼才=
イルディコー・エニェディ監督最新作。物語は、20世紀初頭のマルタ共和国のカフェで始まる。 船長が友人と「最初に入ってきた女性と結婚する」と賭けたことから始まる大人のラブロマンス。
愛と嫉妬、騙し合い…。何が本当で何が嘘なのか。愛だけが真実なのか。今夏、21世紀を 代表する心揺さぶる恋愛映画が誕生した。 主演は『アデル、ブルーは熱い色』(13)でカンヌ国際映画祭史上初めて主演女優として
パルムドールを受賞、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(21)や『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、 カンザス・イヴニング・サン別冊』(21)の好演も記憶に残るレア・セドゥ。共演には『グッバイ・
ゴダール!』(17)や『SAINT LAURENT サンローラン』(14)のルイ・ガレル。第74回カンヌ 国際映画祭コンペティション部門出品作。
1920年のマルタ共和国。船長のヤコブ(ハイス・ナバー)は、カフェに最初に入ってきた女性と結婚するという賭けを友人とする。そこにリジー(レア・セドゥ)という美しい女性が入ってくる。ヤコブは初対面のリジーに結婚を申し込む。その週末、二人だけの結婚の儀式を行う。幸せなひと時を過ごしていたが、リジーの友人デダン(ルイ・ガレル)の登場によりヤコブは二人の仲を怪しみ嫉妬を覚えるようになる…。
(上映時間:169分 )
11月6日(日)~11月18日(金)
※火曜日、水曜日定休
わたしは最悪。
© 2021 OSLO PICTURES - MK PRODUCTIONS - FILM I VÄST - SNOWGLOBE - B-Reel
– ARTE FRANCE CINEMA
ノルウェーの〈異彩を放つラブストーリー〉が、2021年7月から現在まで、ヨーロッパ、アメリカ、アジアと、地球を一周する勢いで数多くの国々で上映され、一大ムーヴメントを巻き起こしている。主演のレナーテ・レインスヴェが第74回カンヌ国際映画祭女優賞を受賞したのをスタートダッシュに、数々の栄えある賞を席巻し、第94回アカデミー賞®でも脚本賞と国際長編映画賞にノミネートされた。さらに、アメリカでは限定公開にもかかわらず、2020〜2022年公開の外国語映画の中で、日本でも大ヒットした『パラサイト
半地下の家族』、そして『燃ゆる女の肖像』に続く、スクリーンアベレージ第3位という記録を打ち立てた。
主人公の女性の20代後半から30代前半の日々の暮らしを描いた物語なのに、メディアからは、「痛烈」「破壊的」「センセーショナル」「スリリング」といった、何ともミスマッチな熱いレビューが殺到。リチャード・カーティスやポール・トーマス・アンダーソンら名だたる名匠も、「完全なる傑作」「The
Best Movie」と大興奮。いったいどんな映画?
という疑問に、トップ俳優から「人生初」との証言も飛び出すエモーショナルな映像体験で答えてくれる、世界の映画ファンのオールタイム・ベスト・ムービーが、ついに日本も虜にする!
学生時代は成績優秀で、アート系の才能や文才もあるのに、「これしかない!」という決定的な道が見つからず、いまだ人生の脇役のような気分のユリヤ。そんな彼女にグラフィックノベル作家として成功した年上の恋人アクセルは、妻や母といったポジションをすすめてくる。ある夜、招待されていないパーティに紛れ込んだユリヤは、若くて魅力的なアイヴィンに出会う。新たな恋の勢いに乗って、ユリヤは今度こそ自分の人生の主役の座をつかもうとするのだが──。
(上映時間:128分 )
11月5日(土)~11月18日(金)
※火曜日、水曜日定休
ナワリヌイ
©2022 Cable News Network, Inc. A WarnerMedia Company All Rights Reserved.
Country of first publication United States of America.
ロシアの弁護士で政治活動家のアレクセイ・ナワリヌイは、インターネット上でのプーチン政権への批判で国内外の注目を集め、若者を中心とした反体制派から熱烈な支持を寄せられるカリスマだ。タイム誌の2012年版「世界で最も影響力のある100人」にも選出されたナワリヌイは、自らも政党を結成し、モスクワ市長選に出馬し大健闘。やがて政権の最大の敵となった彼は、不当な逮捕を繰り返され、徐々に見えない巨大な力に追い詰められてゆく。そして2020年8月、彼は移動中の飛行機内で毒物によって昏睡状態に陥った。機体は急遽緊急着陸し、搬送された病院でもナワリヌイは意識不明となっていたが、やがて病院側の反対を振り切ってドイツの病院へ移送され、そこで奇跡的に回復を遂げた。様々な憶測が飛び交う中、体調が戻り始めた彼は、自ら調査チームを結成。自分に毒を盛ったのは一体何者なのか?暗殺未遂事件の影に潜む勢力を、信じられない手法を用いて暴いていくのだった…。
連日ロシアによるウクライナ侵攻の惨状が世界中で報じられる一方、戦争反対の立場を表明したロシアの国内メディアは政府の圧力により次々と活動停止に追い込まれている。政府に抗議の声を上げることがいかに危険かというアクチュアルな実態に切り込んでいく本作は、ナワリヌイを支持して抗議デモに参加する市民の姿も映し出し、ロシア国内にも平和と正義を求め行動を起こす人々が確かにいるのだということを我々に訴えかける。ナワリヌイは本作中で、「もし私が殺されることになったら、それは私達がそれほど彼らにとって脅威だということだ。諦めてはならない」とメッセージを発している。まるでスパイ映画を観ているかのようなスリリングで予測もつかない展開の連続。強大な権威主義国家に立ち向かう闘いを捉えた、絶対に今観るべきドキュメンタリーだ。
(上映時間:98分 )
11月12日(土)~11月18日(金)
※火曜日、水曜日定休
暴力をめぐる対話
© Le Bureau - Jour2Fête – 2020
カンヌ国際映画祭2020「監督週間」選出ほか世界から注目が集まる衝撃作が日本公開。地方都市から瞬く間にフランス全土へ広がり、マクロン政権に異を唱え立ち上がった市民活動”黄色いベスト運動”。
燃料価格、生活費高騰による社会的不平等に対する怒りと不満が高まるにつれ抗議はときに破壊行為へと激化。2019年3月16日にはパリで200人以上が警察に拘束され、衝突は今日まで続いていく――。
監督のダヴィッド・デュフレーヌは、警官による暴力行為を市民がTwitterに投稿・報告する “Allo Place
Beauvau”をWEB上で管理する中で、多くのデモが抑圧の対象となり、死傷者を生む凄惨な武力鎮圧の増大を目の当たりにする。はたしてその「暴力」は正当な行為と呼べるものだったのか。いまも世界中の国々で警察と市民の衝突から血が流れる事件が起きている。民主主義国家の存続をかけた重要な問題に対して、本作は傷を負った市民や警察関係組織、弁護士、社会学者、心理セラピストたち24名にデモの現場を映した数多の映像を提示して、対話を促し、疑問を語り合いながら、正義と呼ばれる「暴力」の原因と結果を考究していく。
(上映時間:93分 )
10月29日(土)~11月11日(金)
※火曜日、水曜日定休
映画はアリスから始まった
©2018 Be Natural LLC All Rights Reserved
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
第21回弁士・伴奏付き
「アリス・ギイ短編集」無声映画上映会
11
月5
日(土)開場15:40/開演16:00
弁士: ハルキ
さん
ピアノ演奏: 新垣隆
さん
※アフタートークあり(MC:渋谷哲也氏)
リュミエール兄弟がシネマトグラフを発明した<映画誕生の年>、1895年その時、アリス・ギイは映画の“物語る力”に可能性を見出していた―!
「記録するだけの映像は退屈。映画で物語をつくったらどうかしら―」
クローズアップ、特殊効果、カラー、音の同期…現在の標準的な映画製作技法を次々と生み出し、世界初の劇映画『キャベツ畑の妖精』や、超大作『キリストの誕生』など1,000本以上を監督した映画監督・製作・脚本家として、世界映画史に大きな足跡を残したアリス・ギイ。リュミエール兄弟やジョルジュ・メリエスと並ぶ映画のパイオニアであり、ハリウッドの映画製作システムの原型を作り上げた世界初の映画監督となった女性は、なぜ映画史から忘れ去られていたのか?
ベン・キングズレーや、アニエス・ヴァルダ、マーティン・スコセッシら映画界の錚々たる面々や、アリス自身と彼女の親族らへの膨大なインタビューと緻密なリサーチ、アリス作品のフッテージの数々によってアリス・ギイの功績とその生涯をめぐる謎が今、明らかになる。
(上映時間:103分 )
10月29日(土)、11月5日(土)
アリス・ギイ短編集
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
第21回弁士・伴奏付き
「アリス・ギイ短編集」無声映画上映会
11
月5
日(土)開場15:40/開演16:00
弁士: ハルキ
さん
ピアノ演奏: 新垣隆
さん
※アフタートークあり(MC:渋谷哲也氏)
上映作品
『催眠術師の家で』Chez le magnétiseur(1分/白黒)1898年
『世紀末の外科医』Chirurgie fin de siècle(2分/白黒)1900年
『オペラ通り』Avenue de l’Opéra(1分/白黒)1900年
『全自動の帽子屋兼肉屋』Chapellerie et Charcuterie mécaniques(1分/白黒)1900年
『カメラマンの家で』Chez le photographe(1分・白黒)1900年
『フェリックス・マヨル 失礼な質問』Questions indiscrètes(3分/染色 → 彩色)1905年
『マダムの欲望』Madame a des envies(5分/白黒)1906年
『フェミニズムの結果』Les Résultats du féminisme(8分/白黒)1906年
『キャスター付きベッド』Le Lit à roulettes(4分/白黒)1907年
『ソーセージ競争』La Course à la saucisse(5分/白黒)1907年
『ビュット=ショーモン撮影所でフォノセーヌを撮るアリス・ギイ』Alice Guy tourne une phonoscène(2分/白黒)1907年
『バリケードを挟んで』Sur la barricade(5分/白黒)1907年
『銀行券』Le Billet de banque(12分/白黒)1907年
全13作品(計50分)
(上映時間:合計50分 )
10月22日(土)~11月4日(金)
※火曜日、水曜日定休
教育と愛国
©2022映画「教育と愛国」製作委員会
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
舞台挨拶決定
10月29日(土) 15:50回上映後
ゲスト:斉加尚代
監督、澤田隆三
プロデューサー
いま、政治と教育の距離がどんどん近くなっている。
軍国主義へと流れた戦前の反省から、戦後の教育は政治と常に一線を画してきたが、昨今この流れは大きく変わりつつある。2006年に第一次安倍政権下で教育基本法が改変され、「愛国心」条項が戦後初めて盛り込まれた。
2014年。その基準が見直されて以降、「教育改革」「教育再生」の名の下、目に見えない力を増していく教科書検定制度。政治介入ともいえる状況の中で繰り広げられる出版社と執筆者の攻防はいま現在も続く。
本作は、歴史の記述をきっかけに倒産に追い込まれた大手教科書出版社の元編集者や、保守系の政治家が薦める教科書の執筆者などへのインタビュー、新しく採用が始まった教科書を使う学校や、慰安婦問題など加害の歴史を教える教師・研究する大学教授へのバッシング、さらには日本学術会議任命拒否問題など、⼤阪・毎⽇放送(MBS)で20年以上にわたって教育現場を取材してきた斉加尚代ディレクターが、「教育と政治」の関係を見つめながら最新の教育事情を記録した。
教科書は、教育はいったい誰のものなのか……。
(上映時間:107分 )
10月22日(土)~11月4日(金)
※火曜日、水曜日定休
メイド・イン・バングラデシュ
世界の繊維産業を支えるバングラデシュ。
国内の縫製工場労働者の80%が女性で平均年齢は25歳。
その過酷な労働環境と低賃金に、たったひとりの女性が立ち向かう
大手アパレルブランドの工場が集まるダッカ。
衣料品工場で働くシムは、厳しい労働環境にあえぐ同僚たちと労働組合を結成すべく立ち上がる。工場幹部からの脅し、夫や仲間の反対に遭いながら労働法を学び奮闘するが…。
バングラデシュ独立戦争下で敵兵と恋に落ちた女性を描いた“Meherjaan”(2011)、タゴールの詩を背景に葛藤する女性を描いた“Under
Construction”(2015)が各国の映画祭で高く評価された、バングラデシュの気鋭ルバイヤット・ホセイン監督、待望の日本初公開作。3年以上のリサーチを経て、10代半ばからバングラデシュの労働闘争に関わってきたダリヤ・アクター・ドリの実話を元に完成させたヒューマンストーリー。陰影のある美しい映像は、マノエル・ド・オリヴェイラ監督の『アンジェリカの微笑み』などで知られるサビーヌ・ランスラン。
(上映時間:95分 )
10月22日(土)~10月28日(金)
※火曜日、水曜日定休
アザー・ミュージック
© 2019 Production Company Productions, LLC
2016年5月、世界中の音楽ファンに激震が走った。ニューヨーク、イースト・ヴィレッジにあるレコードショップが閉店するという。このニュースを知り駆けつけたのは、店のスタッフと客として出会い、やがて夫婦となったドキュメンタリー作家コンビ、プロマ・バスーとロブ・ハッチ=ミラー。2人は、この店の知られざる歴史をdigり始める──。
1995年、アルバイト先のレンタルビデオ屋で知り合ったジョシュとクリスが、店を立ち上げた。巨大チェーン、タワーレコードの向かいにあるから、「アザー・ミュージック」。続々と、クセモノ揃いの愉快なスタッフが加わっていく。
2001年のNY同時多発テロとiTunesの誕生、03年のタワーレコードの倒産など、時代の大きなうねりに翻弄されながらも、「別」の道を模索し、抵抗し続けた奮闘の日々。その最中で、アーティスト=場所=カスタマーの双方向的なコミュニケーションによって、歴史的なシーンが次々に生まれていった理想的なコミュニティは、いかにして形づくられたのか。そして、店員や常連客にとって”家”だったような場所がなぜ失われるに至ったのか……。これは、「その他」であることを、控えめに誇りながら、「もうひとつ」の可能性を追い求め足掻き続けた異人たちの、哀しく美しい、世界にたったひとつの青春群像物語。
ヴァンパイア・ウィークエンドにニュートラル・ミルク・ホテルなどアザー・ミュージックと馴染み深いバンドが店内で頻繁に行っていた異様な熱気と親密さに満ちたインストア・ライブ、オノ・ヨーコやヨ・ラ・テンゴらが一同に会したフェアウェル・コンサートの模様など、貴重なライブ映像の数々も見逃せない。
(上映時間:85分 )
10月22日(土)~10月28日(金)
※火曜日、水曜日定休
ZAPPA
©2020 Roxbourne Media Limited, All Rights Reserved.
60年代以降、圧倒的な独創性とともに土星人サン・ラーやエルヴィス・プレスリー、ジョニー・キャッシュと並ぶ音楽史上最大規模のディスコグラフィを築き上げたアメリカの作曲家、編曲家、ギタリスト、ロック・ミュージシャンであり、あらゆる芸術における先駆であったフランク・ザッパ(1940.12.21-1993.12.4)の革新的人生に迫るドキュメンタリー巨編。教会に非難され、警察にコンサートを潰され、ラジオにも放送禁止とされながら、商業芸術、商業的成功とは別次元の世界に存在し、ビートルズ、デヴィッド・ボウイ、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、トム・ウェイツほか数えきれないミュージシャンに多大な影響を与え、ローリング・ストーンの「史上最も偉大な100人のギタリスト」において第22位に選出、ロックの殿堂入りを果たし、97年にはグラミー賞特別功労賞・生涯業績賞を受賞した巨人の生涯を、何千時間にもおよぶザッパ本人が遺したアーカイヴ素材を駆使して綴る。このアーカイヴ素材が公となるのは初。監督はチャールズ・ブロンソンの当たり役ポール・カージーのシリーズ第三弾『スーパー・マグナム』(85)でブロンソンと争うギャング役で映画デビュー、『ビルとテッドの大冒険』シリーズではキアヌ・リーブスとともに主演をつとめる役者であり、『ミュータント・フリークス』(93)などの監督作品も誇る才人アレックス・ウィンター。制作に5年以上の時間を費やし、一般的には奇天烈な変人というイメージがつきまとうザッパの、知られざる人間性と創作への真摯なアプローチを、丁寧に誠実に浮き彫りにしていく。
(上映時間:128分 )
10月1日(土)~10月14日(金)
※火曜日、水曜日定休
なまず
©2018 2x19HD. All rights reserved
心にぐっと刺さるセリフと、カラフルで遊び心いっぱいの映像、ニュートロなビジュアルで韓国映画界に新しい風を吹き込み、インディーズ映画にも関わらず異例のロングランで大ヒットした『なまず』。2019年大阪アジア映画祭で上映されると、貧乏なカップルが交わす若さゆえの痛い会話やブラックユーモアたっぷりの物語が日本でも反響を呼び、なんとグランプリを受賞。単なる恋愛劇ではなく、“なまず”“シンクホール”“ゴリラ”など一度観ただけでは回収不能な謎が満載で、いち早く鑑賞した映画ファンの間では何度も観たい!と、本作の日本公開が熱望されていた。
主演は「梨泰院クラス」でブレイクしたイ・ジュヨン、共演に『新感染半島 ファイナル・ステージ』で強い印象を残したク・ギョファンや『オアシス』のムン・ソリなど演技派キャストが集結!主人公の半径0.5mで起きるハプニングと決断は、恋愛のグダグダを楽しみ、失恋の予感に震えた懐かしいあの日を思い出させてくれる。
看護師のユニョン(イ・ジュヨン)は、自分と恋人ソンウォン(ク・ギョファン)の恥ずかしい姿が映ったレントゲン写真が流出した…と誤解。イ副院長(ムン・ソリ)は写真の主がユニョンと決めつけ、自宅待機を命じる。その頃、シンクホールが出現する怪現象が発生。無職のソンウォンは埋め戻し工事のおかげで仕事にありつけたが、職場で大切な指輪を紛失してしまう。ソンウォンは言えない過去を持つ同僚を疑い、ユニョンは見え透いた嘘をつくソンウォンを疑う。ユニョンを癒してきたなまず(声/チョン・ウヒ)は、病室の水槽からそんなゴタゴタを見つめていた―。
(上映時間:89分 )
10月1日(土)~10月14日(金)
※火曜日、水曜日定休
ポーランドへ行った子どもたち
©2016. The Children Gone To Poland.
“ポーランドへ行った子どもたち”とは、1950年代、北朝鮮から秘密裏にポーランドへ送られた朝鮮戦争の戦災孤児のことを言う。韓国でも知られていない歴史の闇に光を当てたのは、ホン・サンス監督作への出演など俳優としても注目を集めるチュ・サンミ。取材に同行したのは、10代の若さで命がけの脱北を経験した大学生のイ・ソン。現代から過去へ、朝鮮半島からポーランドへ。孤児たちの悲痛な分断の記憶を巡る旅先で、彼女たちは異国の子どもたちを我が子のように育てた教師たちの記録を知る――。いまもなお国家間の凄惨な争いが続くこの世界で、本作は抗えない傷を負う子どもたちの姿に近づき、消失した“愛”の再生の可能性を問いかける。
監督のチュ・サンミは、出産後に子どもへの愛着や不安のために産後うつを経験する。そんな中、彼女は偶然目にした北朝鮮の孤児たちの映像をきっかけに、秘密裏にポーランドへ強制移送された戦災孤児たちの記録を知る。1950年代、自国も厳しい情勢下に異国の孤児たちを我が子のように受け入れたポーランド人教師たちと、彼らを「ママ」「パパ」と慕う朝鮮の子どもたちがいた――。チュ・サンミは、脱北の過去を持つ大学生イ・ソンとともにポーランドを訪問し、いまでも子どもたちを懐かしく思い涙を流す教師たちと出会う。あのとき彼らは何を思ったのか。その後朝鮮に送り戻された孤児たちはどうなったのか。そして旅の途中、イ・ソンは泣きながらいまも北朝鮮にいる家族のことを語りはじめる。
(上映時間:78分 )
10月1日(土)~10月14日(金)
※火曜日、水曜日定休
劇場版 おいしい給食
卒業
© 2022「おいしい給食」製作委員会
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初日舞台挨拶決定
10
月1
日(土)
ゲスト:
市原隼人
さん(主演)
MC:
岩淵規
さん(「おいしい給食」プロデューサー)
1回目
本編上映 12:30~14:19(予告5分)
舞台挨拶 14:20~14:45(25分)
※開場12:15
2回目
舞台挨拶 15:10~15:30(20分)
本編上映 15:30~17:14(予告なし)
※開場15:00
2019年にドラマシーズン1が放送され、ハマる人が続出。翌年劇場版第1弾公開、2021年にはシーズン2が放送され絶大な支持を集めた「おいしい給食」が、笑いも涙も飯テロもスケールアップしてスクリーンに帰ってくる。本作は1980年代の中学校を舞台に給食マニアの教師・甘利田幸男と生徒・神野ゴウによる、どちらが給食を「おいしく食べるか」という闘いを描いた学園グルメコメディ。
劇場版第2弾は、長く続いた給食バトルが、宿敵ゴウの卒業によって終止符を打つまでを描く。果たして最後の晩餐での勝者はどっちだ!?学校給食に人生の全てをかける数学教師、甘利田幸男。与えられた献立に異次元のアレンジを加える生徒、神野ゴウ。二人の長き戦いがゴウの義務教育最後の年、遂に完結する。強烈な個性の甘利田を市原隼人が驚天動地の熱演。生真面目ゆえに甘利田に翻弄される女教師に土村芳、給食の神童を演じるは佐藤大志。他に勇翔(BOYS
AND MEN)、山﨑玲奈、いとうまい子、直江喜一、木野花、酒井敏也のほか、田村侑久(BOYS AND MEN)、登坂淳一が参戦!
日本中を笑顔にする給食スペクタクルコメディが誕生した!!
(上映時間:104分 )
9月24日(土)~9月30日(金)
※火、水曜日定休
シネマスコーレ特集
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シネマスコーレ特集イベント
9月24日(土)
第一部
15:30~17:15 『劇場版シネマ狂想曲』『劇場版シネマ狂想曲~暗黒篇(『シネマSOS』)』
17:15~17:45 アフタートーク
第二部
18:00~19:00 映画業界内緒話大会
ゲスト(第一部、第二部共通)
久保山智夏さん(『シネマ狂想曲』応援隊長/俳優)
大浦奈都子さん(シネマスコーレスタッフ)
坪井篤史さん(『シネマ狂想曲』出演/シネマスコーレ副支配人)
樋口智彦監督
9月25日(日)
第一部
15:30~17:15 『劇場版シネマ狂想曲』『劇場版シネマ狂想曲~暗黒篇(『シネマSOS』)』
17:15~18:15 アメカル映画祭
ゲスト
白石晃士さん(『生でコワすぎ!』監督/『シネマ狂想曲』出演)
森裕介さん(アメカル映画祭主宰/『シネマ狂想曲』出演/某シネコン支配人)
坪井篤史さん(『シネマ狂想曲』出演/シネマスコーレ副支配人)
第二部
18:30~19:20 『史上最恐の生でコワすぎ! 工藤仁の超常現象SP! 俳優・田中俊介に何かが起きる!』
19:20~19:50 アフタートーク
ゲスト
白石晃士さん(『生でコワすぎ!』監督/『シネマ狂想曲』出演)
久保山智夏さん(『生でコワすぎ!』出演/『シネマ狂想曲』応援隊長)
坪井篤史さん(『シネマ狂想曲』出演/シネマスコーレ副支配人)
『劇場版シネマ狂想曲』
『劇場版シネマ狂想曲~暗黒篇(『シネマSOS』)』は毎日上映します。
(火、水曜日定休)
『劇場版シネマ狂想曲』解説
メ~テレ(名古屋テレビ放送)が制作し、2017年2月1日に放送したテレビドキュメンタリー「シネマ狂騒曲 名古屋映画館革命」の劇場版。名古屋のミニシアター「シネマスコーレ」の副支配人・坪井篤史氏に密着し、名古屋を映画で一番熱い地にしようとミニシアターで様々な上映企画やイベントを行い、プライベートではVHS映画を7000本以上も所持するなど、映画愛にあふれる坪井氏の生き様や、その周辺の人々との交流を描く。ナレーションは俳優の竹中直人。
9月17日(土)~9月30日(金)
※火曜日、水曜日定休
リ、ライト
©2022unit.TOTLOT
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最終日舞台挨拶決定
9月30日(金) 12:45の回上映後
登壇予定:
梅宮万紗子(主演)、一ノ瀬晶(監督)
MC:遠藤佳代子(プロデューサー)
※予約なし、当日券のみ(前売券使用可)
※当日券は朝10時より窓口にて販売開始
※12:35開場(入場は整理番号順)
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初日舞台挨拶決定
9月17日(土) 15:00回上映後
「灯りに集まれば一家団欒か? 私は独りがいい」
老シャンデリア修理士の藤吾は、言う。
「私、歌は好き。でもなんだか疲れちゃった」
自称クラブシンガーの洋子が、言う。
灯りの消えた心に、再びあかりを灯すことができたなら。
消えそうな心の灯りを、再び輝かせることができたなら。
出会いには、人を幸せにするチカラがある。
洋子を演じるのは本作初主演となる、梅宮万紗子。
藤吾役には演劇界の名優、大森博史を迎え、出会い、集う素晴らしさを、クラシックジャズの音色とともにうたいあげる。
アンティーク照明の修理店を営む老人、藤吾のもとに、クラブシンガーを名乗る水崎洋子が怒鳴り込んでくる。20年前に行方をくらませた藤吾の息子、耕輔の子をお腹に宿しているというのだ。洋子の素性を怪しみ、店から追い出そうとする藤吾だったが、結局、一晩店に泊める羽目になる。
(上映時間:111分 )
9月10日(土)~9月23日(金・祝)
※火曜日、水曜日定休
FLEE フリー
©Final Cut for Real ApS, Sun Creature Studio, Vivement Lundi!, Mostfilm,
Mer Film ARTE France, Copenhagen Film Fund, Ryot Films, Vice Studios, VPRO 2021 All rights reserved
本年度アカデミー賞®にて、史上初となる国際長編映画賞、長編ドキュメンタリー賞、長編アニメーション賞の3部門同時ノミネートの快挙を成し遂げた、デンマークほか合作によるドキュメンタリー映画『FLEEフリー』。英題である“FLEE”とは危険や災害、追跡者などから(安全な場所へ)逃げるという意味である。
主人公のアミンをはじめ周辺の人々の安全を守るためにアニメーションで制作され、いまや世界中で大きなニュースになっているタリバンとアフガニスタンの恐ろしい現実や、祖国から逃れて生き延びるために奮闘する人々の過酷な日々、そして、ゲイであるのひとりの青年が、自分の未来を救うために過去のトラウマと向き合う物語を描く。
そんな本作は多くの観客に深い感動と衝撃を与え、昨年のサンダンス映画祭でワールド・シネマ・ドキュメンタリー部門の最高賞であるグランプリを獲得。またアヌシー国際アニメーション映画祭でも最高賞となるクリスタル賞ほか3部門を受賞。ドキュメンタリー、アニメーションという表現の垣根を越えてジャンル横断的に高い評価を受け、4月12日現在、各国の映画祭で82受賞136部門ノミネートという圧倒的な評価を獲得している。
本作が伝えるアミンの物語は非常に個人的なものでありながらも、紛争、難民、人種差別、LGBTQ+など現代社会を覆う数々のテーマが内包されており、彼の声は、今を生きる我々の心に深く語り掛けてくる。自身も迫害から逃れるためにロシアを離れたユダヤ系移民の家系であるヨナス・ポヘール・ラスムセン監督は、インタビューでこう語っている。「この物語は、過去やセクシュアリティも含め、
自分が誰なのか。 それを知ることのできる場所を見つける、一人の人間の物語なのです」
(上映時間:89分 )
9月10日(土)~9月23日(金・祝)
※火曜日、水曜日定休
二トラム/NITRAM
© 2021 Good Thing Productions Company Pty Ltd, Filmfest Limited
1996年4月28日日曜日。タスマニア島、ポート・アーサーで無差別銃乱射事件が発生。死者35人、負傷者15人。当時28歳の単独犯の動機が不明瞭であることも拍車をかけ、新時代のテロリズムの恐怖に全世界が騒然となった。
国内では未だ議論の絶えないこの事件を初映画化したのは、「現代オーストラリア最高の映画作家」と称される俊英ジャスティン・カーゼル。事件の〈真実〉に迫るため、映画は犯人の複雑なパーソナリティだけでなく、彼を取り巻く社会──家族、ローカルコミュニティ、医療、福祉、法制度、慣習──を多角的・重層的アングルからひとつずつ剥き出しにする。出来事に至るプロセスを緻密かつ繊細極まりない叙述で積み重ねてゆく、その真に倫理的な試みが高く評価され、豪アカデミー賞では主要8部門で最多受賞を果たした。本作が描くのは、“ニトラム”と呼ばれた青年の〈生活〉と〈彷徨〉の日々。母は彼を「普通」の若者として人生を謳歌してほしいと願う一方、父は将来を案じ出来る限りのケアをしようと努めている。サーフィンに憧れている彼は、ボードを買うために庭の芝刈りの訪問営業を始める。そんなある日、ヘレンという女性と出会う……。
主人公を演じたのは、今ハリウッドで最も熱い視線を浴びる実力派スター、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ。内面に巣食う孤独と劣等感、屈折した男性性を痛々しいまでのナイーブな演技で表現。カンヌ国際映画祭では7分間のスタンディングオベーションの賛嘆で迎え入れられ、見事主演男優賞を受賞した。
(上映時間:112分 )
9月10日(土)~9月16日(金)
※火曜日、水曜日定休
君は永遠にそいつらより若い
©「君は永遠にそいつらより若い」製作委員会
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舞台挨拶決定
9月10日(土)15:00の回上映後
ゲスト:吉野竜平監督
ぐだぐだした彼らの日常はユーモラスに描かれ、
一方、ふとした折に顔を出す社会の闇にも、確かな問題意識と倫理観を持ってきちんと向き合う。
芥川賞作家、津村記久子作品の初めてにして待望の映画化作品。
主人公ホリガイ役に佐久間由衣、イノギ役に奈緒、さらに小日向星一、笠松将、葵揚、森田想と気鋭の若手俳優たちを、本作で長編三作目、緻密で力強い演出で定評の監督 吉野竜平が束ねる。
大学卒業を間近に控え、児童福祉職への就職も決まり、手持ちぶさたな日々を送るホリガイは、身長170cmを超える22歳、処女。
変わり者とされているが、さほど自覚はない。
バイトと学校と下宿を行き来するぐだぐだした日常をすごしている。
同じ大学に通う一つ年下のイノギと知り合うが、過去に痛ましい経験を持つイノギとは、独特な関係を紡いでいく。
そんな中、友人、ホミネの死以降、ホリガイを取り巻く日常の裏に潜む「暴力」と「哀しみ」が顔を見せる...。
(上映時間:118分 )
8月27日(土)~9月9日(金)
※火曜日、水曜日定休
メタモルフォーゼの縁側
©2022「メタモルフォーゼの縁側」製作委員会
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ライブ音声ガイド付き上映
8月27日(土)
ガイド:檀 鼓太郎さん(バリアフリー活弁士)
※音声ガイドご利用の方は、FMラジオとイヤホンをお持ちください。
※ガイド不要な方も、通常と同じくご覧いただけます。
※盲導犬のご入場もできます。
17歳の人付き合いが苦手な女子高生・佐山うららを演じるのは芦田愛菜。ドラマ「Mother」で脚光をあび、俳優として数々の最年少記録を塗り替えながら、活躍を続ける国民的俳優。夫に先立たれ孤独に暮らす75歳のおばあちゃん・市野井雪を演じるのは日本を代表する名優・宮本信子。『お葬式』や『マルサの女』で国内外の映画賞を多数受賞。以降、映画、ドラマと精力的に活動を続けている。二人の共演は『阪急電車
片道15分の奇跡』以来、10年ぶり。
さらに、高橋恭平(なにわ男子)、古川琴音、生田智子、光石研など多彩なキャストが脇を固める。
脚本を手掛けたのは、連続テレビ小説「ひよっこ」、『8年越しの花嫁
奇跡の実話』など名作ドラマを数多く手掛けてきた名脚本家・岡田惠和。それぞれ別のさみしさを抱えたうららと雪の友情と変化を丁寧に落とし込んだ脚本を、狩山俊輔監督が美しい映像で紡ぎ出す。
年齢も立場も肩書きも全く違うけれど、一緒に漫画を読んで、一緒に笑って、一緒に泣いて、時には激論を交わす、年の差58歳の女の友情。そして、BLでつながったふたりの人生は、意外な方向に転がりだしていく…。
(上映時間:118分)
8月27日(土)~9月9日(金)
※火曜日、水曜日定休
私だけ聴こえる
©TEMJIN / RITORNELLO FILMS
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松井至監督舞台挨拶決定
8月28日(日) 15:30回終了後
耳の聴こえない親から生まれた、耳の聴こえる子どもたち、コーダ(CODA:Children Of Deaf
Adults)。家では手話で、外では口話で話す彼らは、学校に行けば“障害者の子”扱い、ろうからは「耳が聞こえるから」と距離を置かれる。コーダという言葉が生まれたアメリカでコーダ・コミュニティを取材した初めての長編ドキュメンタリーとなる本作は、15歳というアイデンティティ形成期の多感な時期を過ごすコーダの子どもたちの3年間を追う。聞こえる世界にもろうの世界にも居場所のない彼らは、一年に一度の“CODAサマーキャンプ”の時だけ、ありのままの自分を解放し無邪気な子供に戻れる。
15歳。サマーキャンプは終わり、進路を決める大切な時期に入る。「私はろうになりたい」という深い欲望に突き動かされ、聴力に異変をきたすナイラ、自分を育ててくれたろうの母から離れて大学に行こうと葛藤するジェシカ、コーダである自分の人生を手話で物語ることで肯定し友達を作ろうとするMJ、さらに日本とアメリカを行き来し手話通訳士をするアシュリーが妊娠を機に「お腹の子がろうになるか聞こえる子になるか」という悩みを抱えながら出産に向かう――。
監督は“社会の周縁に生きる人々の知られざる物語”をテーマに映像作品を制作してきた松井至。本作は2016年TokyoDocsにて最優秀企画賞を受賞。その後取材を続け、2021年に北米最大のドキュメンタリー映画祭HotDocsに選出されるなど、現在世界各国で上映を行っている。音のない世界と聴こえる世界のあいだで居場所を失い、揺らぎながらも自らを語り、成長していく子どもたちの姿からコーダの知られざる物語を綴る。
(上映時間:76分 )
8月27日(土)~9月9日(金)
※火曜日、水曜日定休
ベイビー・ブローカー
© 2022 ZIP CINEMA & CJ ENM Co., Ltd., ALL RIGHTS RESERVED
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是枝裕和監督ティーチイン決定
8月27日(土) 15:30回上映後
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ライブ音声ガイド付き上映
9月5日(月)
ガイド:檀 鼓太郎さん(バリアフリー活弁士)
※音声ガイドご利用の方は、FMラジオとイヤホンをお持ちください。
※ガイド不要な方も、通常と同じくご覧いただけます。
※盲導犬のご入場もできます。
始まりは約6年前、キャストとの出会いだった――。是枝監督が映画祭で顔を合わせていた韓国の国民的俳優ソン・ガンホやカン・ドンウォン、そして『空気人形』への出演後「また必ず」と誓っていたペ・ドゥナ。彼らと会話を重ねる中で、一緒に映画を、という話になるのは必然だった。この作品の構想中に、監督はカンヌ国際映画祭のパルムドールという最高峰の栄誉に輝き、ソン・ガンホはアカデミー賞®作品賞を受賞した『パラサイト
半地下の家族』で全世界を瞠目させ、NYタイムズが選ぶ「21世紀の偉大な俳優25人」にも選出された。ここに、韓国トップの歌姫として圧倒的人気を誇り、女優としての新境地に挑むイ・ジウン(歌手名IU)や、「梨泰院クラス」で新世代スターの仲間入りを果たしたイ・ジュヨンらが参加。さらに撮影に『バーニング
劇場版』のホン・ギョンピョ、音楽に「イカゲーム」のチョン・ジェイルと、今最もオファーが殺到する一流スタッフが加わり、是枝監督と韓国最高峰の才能の出会いが、長年温めてきた企画に熱い命を吹き込んでいく。
古びたクリーニング店を営みながらも借金に追われるサンヒョン(ソン・ガンホ)と、〈赤ちゃんポスト〉がある施設で働く児童養護施設出身のドンス(カン・ドンウォン)。ある土砂降りの雨の晩、彼らは若い女ソヨン(イ・ジウン)が〈赤ちゃんポスト〉に預けた赤ん坊をこっそりと連れ去る。彼らの裏稼業は、ベイビー・ブローカーだ。しかし、翌日思い直して戻ってきたソヨンが、赤ん坊が居ないことに気づき警察に通報しようとしたため、2人は仕方なく白状する。「赤ちゃんを大切に育ててくれる家族を見つけようとした」という言い訳にあきれるソヨンだが、成り行きから彼らと共に養父母探しの旅に出ることに。一方、彼らを検挙するためずっと尾行していた刑事スジン(ぺ・ドゥナ)と後輩のイ刑事(イ・ジュヨン)は、是が非でも現行犯で逮捕しようと、静かに後を追っていくが…。
(上映時間:130分)
8月13日(土)~8月26日(金)
※火曜日、水曜日定休 ※8月15日(月)休映
猫は逃げた
©2021『猫は逃げた』フィルムパートナーズ
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
舞台挨拶決定
8月21日(日) 16:00の回上映後
ゲスト:山本奈衣瑠、城定秀夫監督(本作脚本)
詳細はイベントブログ
『愛なのに』『猫は逃げた』舞台挨拶をご覧ください。
監督:今泉力哉×脚本:城定秀夫による本作は、飼い猫“カンタ”をどちらが引き取るかで揉める離婚直前の夫婦とそれぞれの
恋人の物語。レディコミ漫画家の町田亜子を演じるのは、モデルとして活動する傍ら、アート展のキュレーターなども務め
る山本奈衣瑠。亜子と離婚寸前の夫で、週刊誌記者の広重役には、主演映画『ケンとカズ』(16)で数々の新人俳優賞を受賞以降、
映画やドラマに活躍する若手実力派・毎熊克哉。広重の同僚で、浮気相手でもある真実子役には、2022年に『よだかの片想い』
など公開作が待機中の新星・手島実優。亜子と関係を持っている雑誌編集者の松山役には、作品ごとに独特の存在感を残す若
き演技派、井之脇海。そのほか、映画初出演となるオズワルド・伊藤俊介や今泉組常連の芹澤興人などが脇を固める。
片想いでも、両想いでも、夫婦でも、恋人でも一。巧妙にツイストする城定脚本と今泉監督ならではの緻密な演出が紡ぎ出す、 迷える4人の男女と1匹の猫の物語。
漫画家・町田亜子(山本奈衣瑠)と週刊誌記者の広重(毎熊克哉)は離婚間近の夫婦。広重は同僚の真実子(手島実優)と浮気中で、亜子は編集者の松山(井之脇海)と体の関係を持ち、夫婦関係は冷え切っていた。2人は飼い猫カンタをどちらが引き取るかで揉めていた
が、その矢先、カンタが家からいなくなってしまい...。
(上映時間:109分 )
8月13日(土)~8月26日(金)
※火曜日、水曜日定休 ※8月15日(月)休映
愛なのに
©2021『愛なのに』フィルムパートナーズ
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
舞台挨拶決定
8月21日(日) 13:10の回上映後
ゲスト:中島歩、城定秀夫監督
詳細はイベントブログ
『愛なのに』『猫は逃げた』舞台挨拶をご覧ください。
監督:城定秀夫×脚本:今泉力哉 --- による本作は、古本屋の店主と、店主に求婚する女子高生、店主の憧れの女性とその夫など、一方通行の恋愛が交差し
二転三転する先の読めないラブコメディ。古本屋店主・多田浩司を演じるのは、映画、ドラマ、舞台と幅広く活躍中の
瀬戸康史。多田の憧れの女性・一花(いっか)役は、ロックバンド・ゲスの極み乙女。のドラマーで、最近は女優としても
活動の幅を広げるさとうほなみ。多田に突然求婚する女子高生・岬役に、話題作への出演が相次ぐ河合優実ほか、
中島歩、向里祐香、丈太郎が集結。不器用ながらもまっすぐに思いを伝える人たちの切実さとおかしみが、城定・今泉 両監督の持ち味とも言える優しさとユーモアを携えた視点ですくいとられていく。
古本屋の店主・多田(瀬戸康史)は、昔のバイト仲間、一花(さとうほなみ)のことが忘れられない。その古本屋には、女子高生・岬(河合優実)が通い、多田に一途に求婚してくる。一方、亮介(中島歩)と婚約中の一花。結婚式の準備に追われる彼女は、亮介とウェディング
・プランナーの美樹(向里祐香)が男女の関係になっていることを知らずにいて...。
(上映時間:107分 )
8月13日(土)~8月26日(金)
※火曜日、水曜日定休
生きろ 島田叡
ー戦中最後の沖縄県知事
©2021 映画『生きろ 島田叡』製作委員会
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
舞台挨拶決定
8月14日(日) 15:00の回上映後
ゲスト:佐古忠彦監督
アジア太平洋戦争末期。すでに日本軍の敗色濃厚だった1945年1月31日、一人の男が沖縄の地を踏んだ。戦中最後の沖縄県知事・島田叡(しまだ・あきら)である。前年の10月10日、米軍による大空襲によって那覇は壊滅的な打撃を受け、行政は麻痺状態に陥っていた。そんな中、内務省は新たな沖縄県知事として大阪府の内政部長、島田叡に白羽の矢を立てた。辞令を受けた島田は、家族を大阪に残し、ひとり那覇の飛行場に降り立ったのである。
知事就任と同時に、島田は大規模な疎開促進、食料不足解消のため自ら台湾に飛び、大量のコメを確保するなど、さまざまな施策を断行。米軍が沖縄本島に上陸した後は、壕(自然洞窟)を移動しながら行政を続けた。だが、戦況の悪化に伴い、大勢の県民が戦闘に巻き込まれ、日々命を落としていく。また、島田自身も理不尽極まりない軍部からの要求と、行政官としての住民第一主義という信念の板挟みになって苦渋の選択を迫られる―。
戦時下の教育により、捕虜になるよりも自決や玉砕こそが美徳とされた時代、島田はしかしそれに反し、周りの人々に何としても「生きろ」と言い続けていた。その考え方はどのように育まれてきたのか?
沖縄戦を生き延びた住民、軍や県の関係者、その遺族らへの取材を通じ、これまで多くを語られることのなかった島田叡という人物の生涯と、語り継ぐべき沖縄戦の全貌に迫ったこの長編ドキュメンタリーは、『米軍(アメリカ)が最も恐れた男
その名は、カメジロー』2部作で沖縄戦後史に切り込んだ佐古忠彦監督が、牛島満・第32軍司令官から島田にあてた手紙など、新たに発掘された資料も交え、沖縄の知られざる戦中史に迫った野心作だ。
語りは、山根基世、津嘉山正種、そして佐々木蔵之介が島田叡の語りを担当。小椋佳の主題歌『生きろ』はオリジナルで作られ、自身のラストアルバム「もういいかい」にも収められている。
権力者への忖度(そんたく)、資料の改竄(かいざん)や隠蔽(いんぺい)が常態化し、政治不信が蔓延する21世紀・令和の時代に生きる私たち日本人の眼に、後に「官僚の鑑」(かがみ)、「本当に民主的な人」と讃えられた島田叡という人物の生き方はどのように映るだろうか。
(上映時間:118分 )
8月6日(土)~8月12日(金)
※火曜日、水曜日定休
ナイト・オブ・
ザ・リビングデッド
4Kリマスター版
4K restoration © 2017 Image Ten, Inc. All rights reserved.
ホラー映画の巨匠ジョージ・A・ロメロ監督が1968年に手がけた長編デビュー作で、後世に多大な影響をもたらしたゾンビ映画の原点にして金字塔。襲いかかる死者の群れから生き延びるため、人々がそれぞれの立場を優先して勝手な行動によって破滅していく姿を描いていく。父の墓参りにやってきたバーバラと兄のジョニーに、突然よみがえった死体=ゾンビが襲いかかる。ジョニーは抵抗するも犠牲となり、バーバラは恐怖と悲しみに襲われながら近くの民家に逃げ込む。ほかの避難者たちとともに民家に立てこもるバーバラだったが、外部との連絡が取れないまま、民家はゾンビの群れに取り囲まれていく。しかし、次第に避難者たちのあいだで脱出を図るか、救助を待つかで意見の対立が生じていく。人肉を食らい、食われた人間もゾンビ化し、倒す方法は脳を破壊するだけといった、後に大量生産される同種の映画にも引き継がれるゾンビの定義を確立した一作。日本では劇場未公開だったが、2022年6月に4Kリマスター版で劇場公開。4Kリマスター版は、2016年に監督のジョージ・A・ロメロ、共同脚本のジョン・A・ルッソらの監修により4Kデジタルレストアされたもので、音響もロメロ監督らの監修で修復された。
(上映時間:96分 )
戦争映画特集
8月6日(土)~8月12日(金)
※火曜日、水曜日定休
野火
©SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER
1959年に市川崑により映画化された大岡昇平の同名小説を塚本晋也の監督、脚本、製作、主演により再び映画化。日本軍の敗北が濃厚となった第二次世界大戦末期のフィリピン戦線。結核を患った田村一等兵は部隊を追放され、野戦病院へと送られる。しかし、野戦病院では食糧不足を理由に田村の入院を拒絶。再び舞い戻った部隊からも入隊を拒否されてしまう。空腹と孤独と戦いながら、レイテ島の暑さの中をさまよい続ける田村は、かつての仲間たちと再会する。戦場という異常な空間で極限状態に追い込まれた人間たちが描かれる。共演にリリー・フランキー、俳優デビュー作の「バレット・バレエ」以来の塚本監督作品への参加となるドラマーの中村達也。
(上映時間:87分 DCP上映)
戦争映画特集
8月6日(土)~8月12日(金)
※火曜日、水曜日定休
クナシリ
© Les Films du Temps Scellé - Les Docs du Nord 2019
北海道からわずか16キロに位置し、かつては四島全体で約17,000人の日本人が生活していたという北方領土。しかし、戦後の1947年から48年にかけて引揚が行われ、今日本人は一人もおらず、日本政府は問題が解決するまで、日本国民に入域を行わないよう要請している。
戦後76年を経て、現在の国後島の様子をありのままに映し出した本作から見えてきたのは、ロシア人島民の厳しい暮らしぶりや日本に対する本音。幼少期に引揚の様子を目の当たりにした島民の当時を振り返る貴重な証言や、日本・ロシア間の平和条約締結への願い、生活苦を訴える切実な声などを、どちらにも
偏ることなく客観的かつ淡々と捉えている。両国の主張が膠着状態のまま政治に翻弄されてきた当事者たちの複雑な心境や実際の生活など、これまで我々が知らされることのなかった国後島の<真実>が明らかとなっている。
旧ソ連(現ベラルーシ)出身で現在はフランスを拠点とするウラジミール・コズロフ監督が、ロシア連邦保安庁の特別許可と国境警察の通行許可を得て撮影にこぎつけた国後島の現在とは。
(上映時間:74分 )
戦争映画特集
8月6日(土)~8月12日(金)
※火曜日、水曜日定休
ピアノ
ーウクライナの尊厳を守る闘いー
2014年2月、親ロシア派の政権に抗議する市民や学生が機動隊と対峙した「ユーロ・マイダン革命」。
この騒乱の真っただ中の首都キーウの独立広場で、音楽院の学生アントネッタ・ミッシェンコがバリケードにされようとしていたピアノを救い出した。
厳寒の広場で若きアントネッタが演奏するショパンは人々の心をつかむ。
そして世界的に有名な作曲家であるリュドミラ・チチュクや兵士のヴォロディミル、覆面の男ボーダンも演奏に加わっていく。
政権側は彼らを「ピアノ過激派」と呼んだ。広場のピアノと4人の英雄は、やがてウクライナの平和革命の象徴となり、同時に権威主義的支配への抵抗となっていく。
(上映時間:41分 )
戦争映画特集
8月6日(土)~8月12日(金)
※火曜日、水曜日定休
この世界の
(さらにいくつもの)
片隅に
©こうの史代・コアミックス/「この世界の片隅に」製作委員会
この映画は、大ヒット映画『この世界の片隅に』の単なる長尺版ではない。250カットを超える新エピソードによって、これまで目にしていたシーンや人物像が、まったく異なる印象で息づきはじめる。『この世界の片隅に』を知る人も、知らない人も1本の‟新作“として体感することになるだろう。
すずの内面を大人の表現で魅せる女優のん、岩井七世(リン役)、細谷佳正(周作役)など、前作のキャストがパワーアップして再集結。さらに遊郭の女性テル役として花澤香菜が初参加。コトリンゴによる書き下ろしの新曲と共に、私たちを新たな世界へといざなう。
広島県呉に嫁いだすずは、夫・周作とその家族に囲まれて、新たな生活を始める。昭和19年、日本が戦争のただ中にあった頃だ。戦況が悪化し、生活は困難を極めるが、すずは工夫を重ね日々の暮らしを紡いでいく。
ある日、迷い込んだ遊郭でリンと出会う。境遇は異なるが呉で初めて出会った同世代の女性に心通わせていくすず。しかしその中で、夫・周作とリンとのつながりに気づいてしまう。だがすずは、それをそっと胸にしまい込む……。
昭和20年3月、軍港のあった呉は大規模な空襲に見舞われる。その日から空襲はたび重なり、すずも大切なものを失ってしまう。 そして、昭和20年の夏がやってくる――。
(上映時間:168分 DCP上映)
7月30日(土)~8月5日(金)
※火曜日、水曜日定休
シェイン
世界が愛する厄介者のうた
© The Gift Film Limited 2020 © ANDREW CATLIN © NATIONAL CONCERT
HALL, DUBLIN
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
タイアップ決定
本作の当館半券をtobibakoさんでご提示の方に、
ウイスキー1杯サービス!
アイリッシュ・パンク(ケルト音楽×パンク・ロック)という一大ジャンルを築き上げ、ヨーロッパで最も人気なクリスマス・ソング「ニューヨークの夢」等のヒット曲で知られる伝説の英パンク・バンド「ザ・ポーグズ(THE
POGUES)」。そのフロントマンで、多くのミュージシャンが愛して止まない天才シンガー、シェイン・マガウアン。5歳から飲酒、タバコ、競馬を嗜み、10代で移住したロンドンでドラッグ地獄に転落。そこから這い上がるように始めたバンドで、絶大な人気を集め瞬く間に英ロック界のスターに。そんな彼の伝説は音楽だけに留まらず、ライブ中泥酔して退場、素行が悪すぎてバンドから追放、長年にわたる酒と薬の濫用で50歳にして全歯を失うなど、音楽史に残る仰天事件を連発。
『ビギナーズ』ジュリアン・テンプル監督が、貴重なアーカイブ映像やラルフ・ステッドマンによるアニメーションをコラージュしシェインの半生を丸裸に。ボビー・ギレスピーやジョニー・デップ本人たちがインタビュアーとして出演。アイルランドで過ごした子供時代からロンドンのパンク・シーンで活動したシェインの軌跡を通じて、彼の情熱、ユーモア、深い音楽知識、歴史、ポップカルチャーが見事に描かれている。いいことばかりじゃない私たちの人生を鼓舞してくれる、破天荒パンクドキュメンタリーが誕生!。
(上映時間:130分 )
7月30日(土)~8月5日(金)
※火曜日、水曜日定休
ストレイ 犬が見た世界
©2020 THIS WAS ARGOS, LLC
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
殺処分ゼロの国トルコ・イスタンブールの街で暮らす野良犬たち。ここではまるで風景に溶け込むように、自然に人間と犬が共存生活を送っている。自立心が強くいつも単独行動の犬ゼイティン。フレンドリーで人懐っこく、街ゆく人たちに挨拶を欠かさない犬ナザール。そしてシリア難民の心の拠り所になっている愛らしい表情の子犬カルタル…。彼らの視点で街を見渡せば、人間社会が持つ様々な問題と愛に満ちた世界が同時に見えてくる。ほぼ全編に渡って犬の目線と同じローアングルで撮影され、ごく普通の街の風景さえも新鮮な驚きとなって映し出される本作。地上を視覚的、聴覚的に再構成し、高性能カメラが半年間追いかけた先の、知られざる世界とは――。犬と人間の絆が感動を呼ぶドキュメンタリーが誕生した。
舞台となるトルコは、世界でも珍しいくらいに犬との歴史や関係が深い国だ。20世紀初頭にあった大規模な野犬駆除という悲しい歴史への反省から、安楽死や野良犬の捕獲が違法とされている国のひとつであり、動物愛護に関する国民の意識も非常に高い。2017年に、そんなトルコを旅した自身も愛犬家のエリザベス・ロー監督は、主人公となる犬ゼイティンと偶然に出逢い、彼女の「強い意志を持つ雰囲気に惹かれ、追いかけた」と言う。この街では犬たちが自由に街を歩き、人間との共存社会を築いている。彼らに密着し、犬目線のカメラで追い続けたその世界は、想像を超えた信頼と愛に満ちていたのだった――。
(上映時間:72分 )
7月30日(土)~8月5日(金)
※火曜日、水曜日定休
猫が教えてくれたこと
©2016 Nine Cats LLC
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
古くから猫の街として知られるトルコ・イスタンブール。野良猫たちが街を歩く姿はすでにイスタンブールの景観の一部にもなっている。猫たちは人間たちの生活に自然に溶け込み、心の支えともいえる存在だ。日々をひたむきに生きる街の人々はそれぞれの悩みや苦しみを胸に秘め、猫との出会いに癒され深い愛情を注いでいる。まるで猫と会話をしているように通じあう人と猫とのあたたかな交流を優しく見つめた物語。
海外との貿易で栄えた街イスタンブールは古くから海洋交易の重要拠点として発展し、猫はオスマン帝国の頃に貨物船に乗って世界からやってきたとされる。今なお帝国時代の名残を残す古き良き街並みの片隅に生きる猫たち。世界遺産に指定されているイスタンブール歴史地区を眼下に望み、東洋と西洋が融合した独特の建築群、石造りの長屋やカフェのテラス、名物レストラン、古い漁港など、エキゾチックな情景は旅へのあこがれがふくらむ。そんな魅力あふれる街イスタンブールを個性溢れる7匹の猫たちとともに10センチの高さから猫目線で撮影した映像はガイドブックの景色とは違い新鮮で、猫と共に街を歩いているような気分を味わえる。
(上映時間:79分)
7月16日(土)~7月29日(金)
※火曜日、水曜日定休
スープとイデオロギー
©PLACE TO BE, Yang Yonghi
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
トークイベント決定
7月24日(日)15:00の回上映後
ゲスト:ヤン ヨンヒ監督
MC:渋谷哲也氏
年老いた母が、娘のヨンヒにはじめて打ち明けた壮絶な体験 ———1948年、当時18歳の母は韓国現代史最大のタブーといわれる「済州4・3事件」の渦中にいた。
朝鮮総連の熱心な活動家だった両親は、「帰国事業」で3人の兄たちを北朝鮮へ送った。父が他界したあとも、“地上の楽園”にいるはずの息子たちに借金をしてまで仕送りを続ける母を、ヨンヒは心の中で責めてきた。心の奥底にしまっていた記憶を語った母は、アルツハイマー病を患う。消えゆく記憶を掬いとろうと、ヨンヒは母を済州島に連れていくことを決意する。それは、本当の母を知る旅のはじまりだった。
監督は『ディア・ピョンヤン』『かぞくのくに』など、朝鮮半島と日本の悲劇的な歴史のうねりを生きる在日コリアン家族の肖像を親密なタッチで写し続けてきたヤン
ヨンヒ。本作ではクレイ人形やアニメーションを駆使して母が語ってこなかった記憶を鮮やかにスクリーンに照らし出す。音楽監督を務めたのは『お嬢さん』『タクシー運転手
約束は海を越えて』など、名だたるヒット作を生み出してきたチョ・ヨンウク。
なぜ父と母は、頑なに“北”を信じ続けてきたのか? ついに明かされる母の秘密。あたらしい家族の存在…。これまで多くの映画ファンを魅了してきた、あの〈家族の物語〉が、まったくあらたな様相をおびて浮かび上がる。
(上映時間:118分 )
7月16日(土)~7月29日(金)
※火曜日、水曜日定休
名もなき歌
1988年、政情不安に揺れる南米ペルー。貧しい生活を送る先住民の女性、20才のヘオルヒナは、妊婦に無償医療を提供する財団の存在を知り、首都リマの小さなクリニックを受診する。数日後、陣痛が始まり、再度クリニックを訪れたへオルヒナは、無事女児を出産。しかし、その手に一度も我が子を抱くこともなく院外へ閉め出され、娘は何者かに奪い去られてしまう。夫と共に警察や裁判所に訴え出るが、有権者番号を持たない夫婦は取り合ってもらえない。新聞社に押しかけ、泣きながら窮状を訴えるヘオルヒナから事情を聞いた記者ペドロは、事件を追って、権力の背後に見え隠れする国際的な乳児売買組織の闇へと足を踏み入れるが―。
実際に起きた事件を基に作られたこの作品は、ペルー出身の女性監督メリーナ・レオンの長編デビュー作。2019年カンヌ国際映画祭・監督週間で注目を集め、以来世界十数ヶ国の映画祭において作品賞他32部門で受賞。2020年アカデミー賞・国際長編映画部門ではペルー代表に選ばれ、ノミネートは逸したものの、その抑制を利かせた演出スタイル、モノクロ×スタンダードの画面に際立つヴィジュアル・センスは、新たな才能の誕生を実感させる。へオルヒナを演じたパメラ・メンドーサは、レオン監督に見出された無名の新人。その無垢な存在感、自然体の演技は高く評価され、リマ
ラテンアメリカ映画祭では特別賞(女優賞)を受賞している。
赤ん坊を奪われた母親の悲哀と絶望、そして、孤独な新聞記者が内に秘めた苦悩と使命感を描いたこの作品は、貧困と格差、人身売買、民族差別とジェンダー差別、全体主義とテロリズムといった社会問題をも浮き彫りにし、それらが今の時代においても何ら変わっていないことを静かに提示してみせた野心作だ。
(上映時間:97分 )
7月16日(土)~7月29日(金)
※火曜日、水曜日定休
瀬戸内寂聴
99年生きて思うこと
© 2022「瀬戸内寂聴 99年生きて思うこと」製作委員会
生きるということは、死ぬ日まで自分の可能性をあきらめず、与えられた才能や日々の仕事に努力し続けることです。
2022年5月15日で満100歳を迎えるはずであった瀬戸内寂聴に、密着17年間という歳月を撮影し続けた監督・中村裕。2015年にNHKスペシャル「いのち瀬戸内寂聴密着500日」(ATP賞ドキュメンタリー部門最優秀賞受賞)のディレクターもつとめた実力派監督だ。17年に及ぶ密着では、日常的に互いに全てを報告し合う、まるで母親、先達、友人、あるいは恋人のような・・・形容しがたい関係性の二人。長年、寄り添い続けた監督だから描ける“誰も知らない瀬戸内寂聴”の“本音”や“金言”の数々が満載の貴重なドキュメンタリー映画が誕生した。
寂聴は、死の直前まで月刊誌、新聞の連載をこなす“現役“作家であり、2020年1月まで行っていた、月一の法話には全国から人が押し寄せる「最長寿の国民的アイドル」。駆け落ち、不倫、三角関係など、自らの体験を私小説の形で次々に発表し、世間のバッシングに晒されるも、女流作家として不動の地位を確立。51歳のとき出家し、以来、僧侶、作家の2つの顔を持つ。いつまでも恋心を持って生きる―。女性であるということを忘れず人生を楽しむ―。彼女の“生き様”は、不寛容な空気が充満しつつある現代社会で、人間の生命力とは何かを強く感じさせてくれ、〈いかに生き、老いていけばいいのか〉というヒントともなるはずだ。
(上映時間:95分 )
7月2日(土)~7月15日(金)
※火曜日、水曜日定休
私はヴァレンティナ
©2020 Campo Cerrado All Rights Reserved.
LGBTQの権利保障に前向きに動き、同性婚も認められているブラジル。その一方、トランスジェンダーの中途退学率は82%、そして平
均寿命は35歳と言われている。いまだ根強く残る差別による事件の数々。トランスジェンダーの少女が、ただ自分自身として学校生活を送りたいというごくシンプルな望みすら実現することの難しさをリアルに描き、自分の居場所を探し、あるがままでいることの力強さを描いた本作。
ヴァレンティナ役は自身もトランスジェンダーであり、著名なYouTuberでインスタグラマーとしても活躍中のティエッサ・ウィンバックが演じる。監督はショートショートフィルムフェスティバル&アジア2009でオーディエンス・アワードを受賞した『秘密の学校』(08)のカッシオ・ペレイラ・ドス・サントス。苦しい状況の中でも若いトランスジェンダーたちにとって希望のある物語を贈りたいという監督の想いから生まれた、未来に捧げる一作。
監督のカッシオとプロデューサーのエリカがこのプロジェクトを始めたのは、まだトランスジェンダーに関する映画が出始めだした2013年のことだった。1本目の長編監督作でありプロデュース作でもあるこの作品の出資を募るまで数年が掛かった。2019年5月に撮影を開始。カッシオとエリカ自身もLGBTQであり彼らがトランスジェンダーを映画のテーマとしたのは、このような人物たちが社会においてもっと認識されるべきだという望みからであった。保守的な社会の中で、特に極右政権が国を司る地球の裏側のブラジルで、カッシオはこの映画によって観客たちが繋がり、インクルージョンとリスペクトという今まさに必要な議論に貢献してほしいと思ったのだ。『私はヴァレンティナ』は十代、そして若い世代のために作った映画である。
(上映時間:95分 )
7月2日(土)~7月15日(金)
※火曜日、水曜日定休
キャスティング・ディレクター
ハリウッドの顔を変えた女性
©Casting By 2012
本作はハリウッドで長年活躍したキャスティングの先駆者マリオン・ドハティ(1923-2011)を中心に、キャスティング(配役)という仕事に迫るドキュメンタリーです。絶妙なセンスと直感的な先見の明を頼りに、白人男性至上主義が根強く、役者を単純にタイプ分けしていた古いスタジオの配役方法から、ユニークで多彩なアンサンブルキャストへ移行する道筋をつけ、革新的なアメリカン・ニューシネマの到来を告げたマリオン。驚きと笑いに溢れたエピソードの数々、そして切なくも感動的なラストまで...その人生を通して映画史に新たな光を当てます。
スターたちが自ら語るキャリアを変えた“あの役”、そしてアメリカ映画が輝き出した時代が鮮明に蘇る貴重な証言が満載!主な出演者にマーティン・スコセッシ、ロバート・デ・ニーロ、ウディ・アレン、アル・パチーノ、ロバート・レッドフォード、クリント・イーストウッド、メル・ギブソン、ダニー・グローヴァー、ダスティン・ホフマン、ジョン・ヴォイト、グレン・クローズ、ジョン・リスゴー、ベット・ミドラー、ジョン・トラボルタ、バック・ヘンリー、リチャード・ドナー、ジョン・セイルズ、テイラー・ハックフォード、ノーマン・ジュイソン、ピーター・ボグダノビッチ、デヴィッド・ピッカーほか。そして現在活躍する後進のキャスティング・ディレクターたち。
2012年に米国で公開されキャスティングへの再評価と、その後にアカデミー賞が取り組む変革(2025年の第96回以降は作品賞候補に“インクルージョン(包摂性)”が評価条件に加わる等)にも重要な役割を果たしたと評価された注目作です。2019年に英国アカデミー賞がキャスティング部門を新設したことも話題となっており、今回が日本初公開となります。
(上映時間:89分 )
7月2日(土)~7月15日(金)
※火曜日、水曜日定休
テレビで会えない芸人
©2021 鹿児島テレビ放送
芸人、松元ヒロ。かつて社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」で数々の番組に出演し人気を博した。しかし90年代末、彼はテレビを棄て、主戦場を舞台に移す。政治や社会問題をネタに笑いで一言モノ申す。ライブ会場は連日満席、チケットは入手困難。痛快な風刺に、会場がどっと笑いで包まれる。しかしそれだけではない。松元ヒロの芸には、不思議なやさしさがある—
松元が20年以上語り続ける『憲法くん』は、日本国憲法を人間に見立てた演目。井上ひさしが大絶賛し、永六輔は「ヒロくん、9条を頼む」と言い遺した。その芸は、あの立川談志をしてこう言わしめた。「最近のテレビはサラリーマン芸人ばかり。本当に言いたいことを言わない。松元ヒロは本当の芸人」。けれど、いや、だからこそ、いまテレビで彼の姿を見ることはない…。
そんな今日のメディア状況に強い危機感を募らせていたのは、松元の故郷鹿児島のローカルテレビ局。2019年の春から松元ヒロの芸とその舞台裏にカメラが張りついた。監督は鹿児島テレビの四元良隆と牧祐樹。プロデュースを手掛けたのは『ヤクザと憲法』『さよならテレビ』などの衝撃作を世に送り出してきた東海テレビの阿武野勝彦。なぜ松元ヒロはテレビから去ったのか?
なぜテレビは松元ヒロを手放したのか? そして本作はその答えを見つけられたのか?
(上映時間:81分 )
6月25日(土)~7月1日(金)
※火曜日、水曜日定休
N号棟
©「N号棟」製作委員会
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
舞台挨拶決定
6月26日(日)14:30の回上映後
ゲスト:菅谷英一プロデューサー(本作企画)、
加藤大騎さん(教授役)、松井貴さん(助監督)、
神尾優典さん (倫太郎役)
※予約なし、当日券のみ(朝10時より窓口にて販売開始、無料鑑賞無し)
夜中、誰もいない部屋から響く音…勝手に開閉を繰り返すドア…チャンネルが勝手に切り変わるテレビ…
とある団地の一棟で数多の怪奇現象が報告される。
現地には大勢の警察やマスコミ、霊能者が押し寄せ、大パニックとなった怪事件だが、“建て付けの問題など、欠陥住宅であることに起因する現象だった”として、ある日突然事態は収束する。
驚くことに、その怪奇現象の発信源は他でもない住人たちだったとも言われる。
が…その裏で本当は何が起きていたのか?真実を知る者はだれ一人としていなかった…。
主演は、昨年末公開の主演作『成れの果て』での好演も記憶に新しく、近年話題作への出演が相次ぎ作品ごとにその表情を大きく変え、観る者を魅了してやまない、いま業界で最も注目される女優のひとり萩原みのりが務める。本作では死恐怖症(タナトフォビア)を抱える女子大学生を演じ、廃団地で起こる怪現象の謎を突き止めようと奮闘する姿は、後藤監督からまるでドキュメンタリーと形容されるほどの表現を見せつけている。
共演には、子役時代から数々の作品に出演している実力派の山谷花純。2020年『夏、至るころ』2021年『衝動』と主演作が続く倉悠貴、国内外問わず多くの賞を受賞している筒井真理子など。
メガホンを取るのは、『リトル・サブカル・ウォーズ ~ヴィレヴァン!の逆襲~』(2020)を監督し、世にも奇妙な物語を数多く演出およびプロデュースした奇才・後藤庸介。
本作では何度も観て確かめたくなる考察型恐怖体験ホラーという新ジャンルを開拓する!
(上映時間:95分 )
6月18日(土)~7月1日(金)
※火曜日、水曜日定休
ゴースト・フリート
知られざるシーフード産業の闇
©Vulcan Productions, Inc. and Seahorse Productions, LLC.
あなたの買っているシーフードやペットフードは「海の奴隷」が捕ったものかもしれない。信じられないかもしれないが、現代も奴隷が存在し、世界有数の水産大国であるタイには、人身売買業者に騙されるなどして漁船で奴隷労働者として働かされている「海の奴隷」が数万人存在するといわれている。日本は決して無関係ではない。タイの水産物輸入で世界第二位の日本は、ツナ缶やエビなどを輸入している。安価な水産物の裏で犠牲になっているのがタダ同然または無給で働かされている「海の奴隷」の存在だ。本作は、タイの漁船から離島に逃げた人々を捜索し、救出すべく命がけの航海に出るタイ人女性、パティマ・タンプチャヤクル(2017年ノーベル平和賞ノミネート)たちの活動を追う。奴隷労働5年、7年、12年──。ミャンマー、ラオス、カンボジアなど貧困国から集められ、売り飛ばされた男性たちをパティマたちは救うことが出来るだろうか?
(上映時間:90分 )
6月18日(土)~7月1日(金)
※火曜日、水曜日定休
ゴヤの名画と優しい泥棒
©PATHE PRODUCTIONS LIMITED 2020
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
ライブ音声ガイド付き上映
6月30日(木)
ガイド:声なびシネマわかばさん
※音声ガイドご利用の方は、FMラジオとイヤホンをお持ちください。
※ガイド不要な方も、通常と同じくご覧いただけます。
※盲導犬のご入場もできます。
誰もが虜になるチャーミングな主人公に名優ジム・ブロードベント。そして長年連れ添った妻を演じるのはヘレン・ミレン。イギリスを代表するオスカー俳優の共演による、ユーモアあふれる軽妙な夫婦の会話劇も見どころのひとつ。また、『ダンケルク』の好演が記憶に新しいフィオン・ホワイトヘッドが息子役を演じ、そのフレッシュな魅力も見逃せない。監督は2021年9月、惜しまれながら逝去し、本作が長編遺作となった『ノッティングヒルの恋人』のロジャー・ミッシェル。名画で世界を救おうとした男が、人々に優しく寄り添う姿を描く、爽やかな感動作が誕生した。
世界中から年間600万人以上が来訪・2300点以上の貴重なコレクションを揃えるロンドン・ナショナル・ギャラリー。1961年、“世界屈指の美の殿堂”から、ゴヤの名画「ウェリントン公爵」が盗まれた。この前代未聞の大事件の犯人は、60歳のタクシー運転手ケンプトン・バントン。孤独な高齢者が、TVに社会との繋がりを求めていた時代。彼らの生活を少しでも楽にしようと、盗んだ絵画の身代金で公共放送(BBC)の受信料を肩代わりしようと企てたのだ。しかし、事件にはもう一つの隠された真相が・・・。当時、イギリス中の人々を感動の渦に巻き込んだケンプトン・バントンの“優しい嘘”とは−!?
(上映時間:95分 )
6月11日(土)~6月24日(金)
※火曜日、水曜日定休
牛久
Ushiku
©Thomas Ash 2021
6月18日(土)~6月24日(金)※火曜日、水曜日定休
(1)14:30~16:02
※予告5分
※予約不可、当日券のみ(イベント時は予約を受け付ける場合あり)
※ご来館の際はこちらをご一読ください
「ご来館時のお願い」
6月18日~7月15日:スケジュールPDFファイルはこちら
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
初日舞台挨拶決定
6月11日(土)12:30の回上映後
ゲスト:トーマス・アッシュ監督、映画当事者参加予定
在留資格のない人、更新が認められず国外退去を命じられた外国人を“不法滞在者”として強制的に収容している施設が全国に17カ所ある。
その一つが茨城県牛久市にある“東日本入国管理センター”、いわゆる『牛久』だ。
この施設内には、紛争などにより出身国に帰れず、難民申請をしている人も多くいる。しかし、彼らの声を施設の外に届ける機会はほとんどない。
本年3月の名古屋入国管理局におけるスリランカ出身女性・ウィシュマさんの死亡事件、“入管法”改正案の国会成立断念など、日本の入国管理行政を巡る闇は深まるばかりだ。
本作は、厳しい規制を切り抜け、当事者達の了解を得て、撮影されたものである。
トーマス・アッシュ監督は“隠し撮り”という手法で、面会室で訴える彼らの証言を、記録し続けた。命を守るために祖国を後にした者、家族への思いを馳せる者…。「帰れない」現実を抱えた一人一人の実像。
「まるで刑務所のよう」「これが『おもてなし』かよ」、口々に驚きの実情を面会室のアクリル板越しに訴える9人の肉声。長期の強制収容や非人間的な扱いで、精神や肉体を蝕まれ、日本という国への信頼や希望を失ってゆく多くの人々。論議を呼ぶ“隠し撮り”で撮影された本映画だが、ここに記録された証言と現実は、果たして無視できるものだろうか。
世界中から注目された華やかな東京オリンピック開催の影で、露わになる日本の“おもてなしの現実”と“偽りの共生”。
「撮影の制約自体を映画的な形式に用い、観客をその現実に参加せざるをえなくすることで、ドキュメンタリーの力を示した」として、2021年9月の韓国DMZ映画祭でアジア部門最優秀賞を受賞した本作が、いよいよ劇場公開。
(上映時間:87分 )
6月11日(土)~6月17日(金)
※火曜日、水曜日定休
TITANE/チタン
©Carole_Bethuel
6月11日(土)
(1)15:30~17:23
※予告5分
6月12日(日)~6月17日(金)※火曜日、水曜日定休
(1)14:30~16:23
※予告5分
※一週間限定上映
※予約不可、当日券のみ(イベント時は予約を受け付ける場合あり)
※ご来館の際はこちらをご一読ください
「ご来館時のお願い」
6月4日~7月1日:スケジュールPDFファイルはこちら
2018年「万引き家族」、2019年「パラサイト 半地下の家族」、2020年【開催中止】——
そして2021年、すべての価値観が一変した直後の世界で、カンヌ国際映画祭が頂点に選んだのは、突然変異の如く現れた、まさに【怪物】。新時代の申し子と呼ぶべき圧倒的怪作が2022年、遂に日本でもその全貌を明かす!
監督は、鮮烈なるデビュー作「RAW~少女のめざめ~」(16)で、カンヌ国際映画祭フィプレシ(国際映画批評家連盟)賞に輝いたジュリア・デュクルノー。そして本作、長編2作目にしてカンヌの最高賞を奪取するという偉業を成し遂げた。さらに99ノミネート23受賞(22/02/21時点)と世界各国の映画祭・映画賞を席捲!行先不明の映像体験による困惑と驚愕、感動を超えて、新たな時代を生き抜く存在に、あなた自身が生まれ変わる、未知なる108分の旅。
幼い頃、交通事故により頭蓋骨にチタンプレートが埋め込まれたアレクシア。
彼女はそれ以来<車>
に対し異常な執着心を抱き、危険な衝動に駆られるようになる。自らの犯した罪により行き場を失った彼女はある日、消防士のヴァンサンと出会う。10年前に息子が行方不明となり、今は孤独に生きる彼に引き取られ、ふたりは奇妙な共同生活を始める。だが、彼女は自らの体にある重大な秘密を抱えていた──
(上映時間:108分 )
6月11日(土)~6月17日(金)
※火曜日、水曜日定休
ハッチング-孵化-
© 2021 Silva Mysterium, Hobab, Film i Väst
6月11日(土)~6月17日(金)※火曜日、水曜日定休
(1)10:30~12:06
※予告5分
※一週間限定上映
※予約不可、当日券のみ(イベント時は予約を受け付ける場合あり)
※ご来館の際はこちらをご一読ください
「ご来館時のお願い」
6月4日~7月1日:スケジュールPDFファイルはこちら
2022年サンダンス映画祭(ミッドナイト部門)でプレミア上映されるや、その美しくも不穏な世界観で世界を驚愕させ、フランスで開催されるジャンル映画に特化した国際映画祭、ジェラルメ国際ファンタスティカ映画祭でもグランプリを受賞した『ハッチング―孵化―』。少女が孵化させた卵が、絵に描いたような幸せな家族のおぞましい真の姿をさらしていく―。
主人公の少女ティンヤを演じるのは1200人のオーディションから選ばれたシーリ・ソラリンナ。母親を喜ばせるために自分を抑制する、この年代特有の儚さを見事に演じきっている。母親役はフィンランドで多くの作品に出演するソフィア・ヘイッキラ。理想の家族像を作り上げ、娘を所有物として扱う自己中心的な母親を演じている。
メガホンをとるのは多くの短編作品を世界の映画祭に出品して高い評価を受け、今回が長編デビュー作となる新鋭女性監督ハンナ・ベルイホルム。北欧の明るさの中に潜む恐怖を見事に切り取ってみせている。
『ぼくのエリ 200歳の少女』『ボーダー 二つの世界』に次ぐ、北欧発の新たな傑作ホラー、日本解禁。
北欧フィンランド。
12歳の少女ティンヤは、完璧で幸せな自身の家族の動画を世界へ発信することに夢中な母親を喜ばすために全てを我慢し自分を抑え、新体操の大会優勝を目指す日々を送っていた。ある夜、ティンヤは森で奇妙な卵を見つける。
家族に秘密にしながら、その卵を自分のベッドで温めるティンヤ。やがて卵は大きくなりはじめ、遂には孵化する。
卵から生まれた‘それ’は、幸福な家族の仮面を剥ぎ取っていく・・・。
(上映時間:91分 )
5月28日(土)~6月10日(金)
※火曜日、水曜日定休
ふたつの部屋、
ふたりの暮らし
© PAPRIKA FILMS / TARANTULA / ARTÉMIS PRODUCTIONS - 2019
南仏モンペリエを見渡すアパルトマン最上階、向かい合う互いの部屋を行き来して暮らす隣人同士のニナとマドレーヌは、実は長年密かに愛し合ってきた恋人同士。マドレーヌは不幸な結婚の末に夫が先立ち、子供たちもいまは独立し、家族との思い出の品や美しいインテリアに囲まれながら心地よく静かな引退生活を送っている。2人の望みはアパルトマンを売ったお金で共にローマに移住すること。だが子供たちに真実を伝えられないまま、時間だけが過ぎていく。そして突如マドレーヌに訪れた悲劇により、2人はやがて家族や周囲を巻き込んで、究極の選択を迫られることになる。
最愛の人と築き上げた平和な日常が突如崩れ去った時、自らの手で人生を取り戻すべく抗う彼女たちが選んだ答えとは――。
ニナを演じるのはカンヌ国際映画祭女優賞を受賞した『ローザ・ルクセンブルク』(85)、『ハンナ・アーレント』(12)など、アメリカとヨーロッパを股にかけ活躍するバルバラ・スコヴァ。一方、マドレーヌに扮するのは、フランスの名門国立劇場コメディ・フランセーズの団員でもある大女優、マルティーヌ・シュヴァリエ。
監督・共同脚本を手掛けたのは、本作で初長編とは思えない成熟した演出を見せたイタリアの新たな才能フィリッポ・メネゲッティ。2020年、セザール賞新人監督賞受賞、リュミエール賞の新人監督賞、最優秀女優賞受賞を始め、2021年にアカデミー賞国際長編映画賞ショートリスト(フランス代表)に選出、ゴールデングローブ賞非英語映画賞にノミネート、ロッテントマト批評家スコア98%を記録するなど大絶賛をもって迎えられ、大きな話題を集めた。
社会の障壁の中で、愛する人との自由な人生を勝ち取るため闘う女性たちを、独仏を代表する2大女優の圧倒的な演技と、光と影が織りなす秀逸な映像美でサスペンスフルに描き上げた異色の注目作が誕生した。
(上映時間:95分 )
5月28日(土)~6月10日(金)
※火曜日、水曜日定休
ブラックボックス:
音声分析捜査
© 2020 / WY Productions - 24 25 FILMS - STUDIOCANAL - FRANCE 2 CINEMA -
PANACHE Productions
bb-movie.jp
ヨーロピアン航空の最新型機がアルプスで墜落!
乗客・乗務員316人全員の死亡が確認される。司法警察の立会いの下、航空事故調査局の音声分析官が、ボイスレコーダー、通称“ブラックボックス”を聴く。いつもなら責任者のポロックに同行するのは、最も優秀なマチューだったが、天才的なあまり孤立していた彼は外されてしまう。だが、まもなくポロックが謎の失踪を遂げ、引き継いだマチューは「コックピットに男が侵入した」と記者会見で発表する。やがて乗客にイスラム過激派と思われる男がいたことが判明。マチューの分析は高く評価され、責任者として調査をまとめるよう任命される。本格的な捜査に乗り出したマチューは、被害者の一人が夫に残した事故直前の留守電を聞いて、ブラックボックスの音と違うことに愕然とする。今、マチューのキャリアと命をかけた危険な探求が始まる──。
マチューには、『イヴ・サンローラン』でセザール賞を受賞した、美しさと繊細な表現力が光るピエール・ニネ。音を聞くだけで、故障ならどの箇所か、事故なら何と接触したのか、事件なら犯人の人物像まで割り出す、音声分析官という真のプロフェッショナルを、徹底的にリサーチして作り上げた。マチューの妻で新型航空機の認証機関に勤め、夫にも言えない秘密を抱えるノエミに『夜明けの祈り』のルー・ドゥ・ラージュ、調査局の冷静沈着なレニエ局長にフランス映画界の重鎮、『パリよ、永遠に』のアンドレ・デュソリエ。監督は『パーフェクトマン 完全犯罪』のヤン・ゴズラン。
フィクションかリアルか、加速するスリルの中、音声分析官が暴く航空機業界の知られざる闇とは──?
(上映時間:129分 )
5月28日(土)~6月10日(金)
※火曜日、水曜日定休
帆花
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
初日舞台挨拶決定
5月28日(土)12:30の回上映後
ゲスト:國友勇吾監督
生後すぐに「脳死に近い状態」と宣告された帆花ちゃん。
母親の理佐さん、父親の秀勝さんと過ごす家族の時間にカメラは寄り添う。常に見守りが必要な帆花ちゃんとの生活は誰にでもできることではない。でも、理佐さんと秀勝さんの2人にとってはあたりまえで、普通のこと。いろんな場所に出かけていき、絵本を読み聞かせ、お風呂に入れ、吸引をする……ありふれた日常の中で積み重なり、育まれていくもの。動かなくても、言葉を発しなくても、ふれあうことで通じあい、満ちていくもの。帆花ちゃんを愛しむ両親の姿から伝わる、我が子と一緒にいられる幸せ。
そんな家族のかけがえのない日々に、生きる喜びと生命の営みを見出したのは、今作が初監督作品となる國友勇吾。3歳だった帆花ちゃんが小学校に入学するまでの間、家族のすぐそばで、言葉にならずとも、カメラに映らずとも、ひとが生きていく上で大切なものを丁寧にみつめ続けた。プロデューサーに『春を告げる町』の監督でもある島田隆一を迎え、編集を『ニッポン国VS泉南石綿村』『東京クルド』などの秦岳志、整音を『台湾萬歳』『オキナワ
サントス』などの川上拓也が手掛けるなど、現代ドキュメンタリーの精鋭陣がスタッフとして参加している。
帆花ちゃんの手の柔らかさとぬくもりに、生を実感して心が震えたという國友監督が紡ぎ出す、いま、この社会に私たちとともに在る「いのち」の物語。
(上映時間:72分 )
5月21日(土)、5月22日(日)
※火曜日、水曜日定休
ダーク・ウォーターズ
巨大企業が恐れた男
© 2021 STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC.
2016年1月6日のニューヨーク・タイムズ紙に掲載されたその記事には、米ウェストバージニア州のコミュニティを蝕む環境汚染問題をめぐり、ひとりの弁護士が十数年にもわたって巨大企業との闘いを繰り広げてきた軌跡が綴られていた。そしてこの驚くべき記事は、マーベル・シネマティック・ユニバースのブルース・バナー/ハルク役で絶大な人気を博した実力派俳優マーク・ラファロの心を動かした。環境活動家でもあるラファロは、プロデューサーも兼任して映画化に向けて動き出した。ロブをスーパーヒーローでも聖人でもない生身の人間として体現し、観る者の深い共感を呼び起こす。世界有数の化学企業を敵に回したことで生じる強烈なプレッシャー、公私両面の凄まじいストレスなどの“正義の代償”を伝える一方、弱き者を救おうとする弁護士の揺るぎない信念を感動的に演じきった。人命さえ脅かす化学物質の存在が身近な恐怖として描かれ、闇の中の真実をひたむきに追求するロブの姿から目が離せない。
1998年、オハイオ州の名門法律事務所で働く企業弁護士ロブ・ビロットが、見知らぬ中年男から思いがけない調査依頼を受ける。ウェストバージニア州パーカーズバーグで農場を営むその男、ウィルバー・テナントは、大手化学メーカー、デュポン社の工場からの廃棄物によって土地を汚され、190頭もの牛を病死させられたというのだ。さしたる確信もなく、廃棄物に関する資料開示を裁判所に求めたロブは、“PFOA”という謎めいたワードを調べたことをきっかけに、事態の深刻さに気づき始める。デュポンは発ガン性のある有害物質の危険性を40年間も隠蔽し、その物質を大気中や土壌に垂れ流してきたのだ。やがてロブは7万人の住民を原告団とする一大集団訴訟に踏みきる。しかし強大な権力と資金力を誇る巨大企業との法廷闘争は、真実を追い求めるロブを窮地に陥れていくのだった……
(上映時間:126分 )
5月21日(土)、5月22日(日)
※火曜日、水曜日定休
さがす
©2022『さがす』製作委員会
国内外の錚々たる著名人から激賞を受け、映画ファンに衝撃を与えた映画『岬の兄妹』。今後の映画界を担う新たな才能として“片山慎三”の名を知らしめた。あれから3年、彼の長編2作目にして、商業デビュー作が満を持して誕生。
主演を務めるのは佐藤二朗。映画・テレビドラマ・演劇・バラエティ番組、さらには映画監督に至るまで、幅広い活躍を続ける彼が、監督からの熱望を受け、オファーに応えた。指名手配犯を見かけた翌朝に姿を消した父・原田智役として、彼の苦悩や矛盾を説得力たっぷりに表現。底知れない凄みと可笑しみがせめぎ合う演技はまさに佐藤二朗の真骨頂だ。
消えた父をさがす娘・原田楓役には次世代を担う女優・伊東蒼を抜擢。『湯を沸かすほどの熱い愛』で映画賞レースを席巻し、主演作『島々清しゃ』で毎日映画コンクール
スポニチグランプリ新人賞を受賞。21年には、NHK「ひきこもり先生」「おかえりモネ」、映画『空白』など話題作への出演が続く。オーディションで驚くべき対応力と演技力を見せた気鋭の女優が、人として強く、正しくあろうとする姿と等身大の弱さを繊細に表現し、見るものすべてを驚嘆させる。
指名手配中の連続殺人犯・山内照巳を演じるのは清水尋也。『渇き。』『ホットギミック
ガールミーツボーイ』『東京リベンジャーズ』「おかえりモネ」など数多くの話題作で独特の存在感を放ち続ける“カメレオン俳優”が本作では狂気に満ちた殺人衝動と普通の青年らしさを共存させ、リアリティたっぷりに演じ切る。
自殺志願者・ムクドリ役には森田望智を起用。全世界同時配信されたNetflixドラマ「全裸監督」で一躍注目を浴び、第24回釜山国際映画祭アジアコンテンツアワード最優秀新人賞を受賞。死を切望しつつもどこかあっけらかんとした複雑な役どころを多彩な演技で表現する。
見る者の価値観を覆し、すべての予想を裏切るストーリー。多彩なキャストによる繊細で、リアリティあふれる演技。片山慎三監督が自問自答を繰り返して作り上げた物語は、観客自身の心の奥底にひそむ苦悩や矛盾をあぶり出していく。日本国内のみならず、世界に放つ“唯一無二の衝撃作”が遂に公開!
(上映時間:123分 )
5月21日(土)、5月22日(日)
※火曜日、水曜日定休
白い牛のバラッド
カンヌ国際映画祭の常連監督であるアスガー・ファルハディらを輩出し、世界的に注目を集める中東のイランから衝撃的な映画が届けられた。第71回ベルリン国際映画祭金熊賞&観客賞にノミネートされた本作は、これが2度目のタッグ作となるベタシュ・サナイハ、マリヤム・モガッダムの共同監督作品である。主人公のミナは、愛する夫を1年前に冤罪で処刑されてしまった女性。女優として長いキャリアを持つモガッダムは主演を兼任し、女性差別的な法律や風習が残るイランの現状を描出。未亡人でシングルマザーでもあるミナの苦闘を通して、“女性の生きづらさ”という普遍的な共感を呼び起こすテーマを追求した。
しかも本作は、多くの観客が予想するような再生や癒やしのドラマではない。日本と同じく死刑制度が存在するイラン社会の不条理に切り込んだモガダム監督は、あらゆる観客の心を激しく揺さぶり、ショッキングな結末が待ち受ける冤罪サスペンスを完成させた。すでに国際的な評価を確立したアスガー・ファルハディ、『悪は存在せず』で第70回ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞したモハマド・ラスロフに続く、新たな才能の誕生を告げる一作である。なお自国ではイラン政府の検閲より正式な上映許可が下りず、3回しか上映されていない。
テヘランの牛乳工場で働きながら耳の聞こえない幼い娘ビタを育てるミナは、1年前に夫のババクを殺人罪で死刑に処せられたシングルマザー。
今なお喪失感に囚われている彼女は、裁判所から信じがたい事実を告げられる。ババクが告訴された殺人事件を再精査した結果、別の人物が真犯人だったというのだ。賠償金が支払われると聞いても納得できないミナは、担当判事アミニへの謝罪を求めるが門前払いされてしまう。理不尽な現実にあえぐミナに救いの手を差し伸べたのは、夫の旧友と称する中年男性レザだった。やがてミナとビタ、レザの3人は家族のように親密な関係を育んでいくが、レザはある重大な秘密を抱えていた。やがてその罪深き真実を知ったとき、ミナが最後に下した決断とは……。
(上映時間:105分 )
5月14日(土)~5月20日(金)
※火曜日、水曜日定休
チロンヌプカムイ
イオマンテ
©Visual Folklore Inc. ©堤大司郎
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
舞台挨拶決定
5月14日(土)15:10の回上映後
ゲスト:北村皆雄監督
アイヌの幻の祭り
1986年、北海道屈斜路湖を臨む美幌峠で、大正時代から75年ぶりに「キタキツネのイオマンテ(霊送り)」が行われた。わが子と同じように育てたキタキツネを、神の国へ送り返す。
ウポポ(歌)とリㇺセ(踊り)の原点
霊魂を神の国へ導く時がくる。イオマンテでは、一言一句に魂を込めカムイノミ(神への祈り)を唱え、ウポポとリㇺセが捧げられる。アイヌの歌と踊りの原点がここにある。
不世出の伝承者・日川エカシ
祭祀を司るのは、明治44生まれの日川善次郎エカシ(当時75歳)。祈りの言葉を間違えれば神の怒りをかうという大役である。神の国へ戻ったチロンヌプカムイは、人間の国で歓待されたようすをみんなに聞かせ、うらやましがられる。仲間たちは、肉と毛皮をみやげにして、人間の国を訪ねたいと願うのだ。
人気漫画『ゴールデンカムイ』の監修者・中川裕が全訳、監修
日川エカシの祈りのすべてをアイヌ語に書き起こし、現代日本語訳で甦らせた。映画は、1986年に撮影したものをレストア(補修)し、35年ぶりに作品に仕上げた。北村皆雄監督は「民俗の記録は古いほど原型が残っている。時間の奥に眠っていたアイヌの世界観を現在に引き出した」と語る。
(上映時間:105分 )
5月14日(土)~5月20日(金)
※火曜日、水曜日定休
アカマタの歌
海南小記序説/西表島・古見
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
舞台挨拶決定
5月14日(土)13:10の回上映後
ゲスト:北村皆雄監督、松村修氏(制作)
5月15日(日)13:10の回上映後
ゲスト:松村修氏(制作)
西表島・古見の豊年祭には、アカマタをはじめ仮面仮装の来訪神が登場する。秘儀の撮影を拒まれたスタッフは、17軒の一つ一つを訪ねて、オーラルヒストリーを記録しすることにした。そこに見えてきたものは、伝統的なアカマタを信仰する土着の人々と新興の宗教を信ずる移住者たちとの対立であった。島を離れた者は、アカマタへの思いを一層胸に抱えて都会で生きていた。このドキュメンタリーは、赤裸々な告白を含むため、長い間上映を封印してきたが、一つの島の記録としての意味を考え、あえて公開することにした。
(上映時間:84分 )
5月14日(土)~5月20日(金)
※火曜日、水曜日定休
ザ・ユナイテッド・ステイツ
vs.
ビリー・ホリデイ
©2021 Billie Holiday Films, LLC. All rights reserved.
1959年に44歳の若さで亡くなった天才ジャズ・シンガー、ビリー・ホリデイは、ドラッグ、アルコール、悪い男たちによって自滅したのだと、多くの人が信じている。だが、「ニューヨーク・タイムズ」年間ベストセラーを記録し、エルトン・ジョンが絶賛した、イギリス人作家ヨハン・ハリによる「麻薬と人間
100年の物語」が真実を暴き出した。ビリーに関する章で、黒人へのリンチに抗議した「奇妙な果実」を、歌うのをやめろという連邦政府の命令に公然と反抗したことが、彼女の死につながったというのだ。実はビリーが、公民権運動の初期に命を吹き込んだ旗手の一人であったという知られざる事実も、克明に記されている。その章に着想を得て映画化したのが本作である。
いち早くこの書を手に取り感銘を受けたのが、アカデミー賞®2部門受賞4部門ノミネートを果した『プレシャス』や、世界各国でヒットした『大統領の執事の涙』などで、社会派の深淵なテーマをエンターテイメントに昇華する手腕が称えられたリー・ダニエルズ監督。舞台の戯曲で、黒人女性作家として初のピューリッツァー賞に輝いたスーザン=ロリ・パークスが脚本を手掛けるという、理想的なコラボレーションが実現した。
これは、遠い昔の物語ではない。2020年2月に、反リンチ法がアメリカの上院で審議されたが、いまだ通過していない。同年に起こった、警官による黒人男性ジョージ・フロイド氏殺害事件など、ビリーに仕掛けられた陰謀は、現在も形を変えて世界中を揺るがしている。今、最も熱い問題を投げかけるスリリングな話題作の全貌が、ついに日本でも明かされる。
(上映時間:131分 )
4月30日(土)~5月13日(金)
ぼけますから、
よろしくお願いします。
~おかえり お母さん~
©2022「ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえり お母さん~」製作委員会
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
舞台挨拶決定
5月7日(土)15:20の回上映後
ゲスト:信友直子監督
認知症の母と老老介護する父の暮らしを、ひとり娘である信友直子監督が丹念に記録した2018年公開のドキュメンタリー「ぼけますから、よろしくお願いします。」の続編。信友監督は前作完成後も、広島県呉市で暮らす90代の両親を撮り続けていた。2018年、母の認知症はさらに進行し、ついに脳梗塞を発症してしまう。入院した母に面会するため、父は毎日1時間かけて病院へ通い、いつか母が帰ってくる時のためにと筋トレを始める。一時は歩けるまでに回復した母だったが、新たな脳梗塞が見つかり、病状は深刻化していく。そして2020年3月、新型コロナウイルスが世界的に拡大し、病院の面会すら困難な状況が訪れる。認知症とともに生きることの大変さや家族の苦労、日本全体が抱える高齢化社会の問題を浮き彫りにしながらも、幸せな夫婦の姿を家族ならではの視線で映し出す。
(上映時間:101分 )
4月30日(土)~5月13日(金)
ちょっと思い出しただけ
©2022『ちょっと思い出しただけ』製作委員会
ご入場者さま特典
スペシャルポストカード「手と手」Ver.
※先着順
※無くなり次第終了
照明スタッフの照生と、タクシードライバーの葉。
物語はふたりが別れてしまった後から始まり、時が巻き戻されていく。
愛し合った日、喧嘩した日、冗談を言い合った日、出会った日・・・
コロナ禍より前の世界に戻れないように、誰もが戻れない過去を抱えて生きている。
そんな日々を”ちょっと思い出しただけ”。
クリープハイプの尾崎世界観が自身のオールタイムベストに挙げるジム・ジャームッシュの名作映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』に着想を得て書き上げた、本作の主題歌『ナイトオンザプラネット』。
『バイプレイヤーズ』シリーズ、『くれなずめ』などこれまで仲間たちとの友情を描いてきた松居大悟監督がこの楽曲を受けて、初となる完全オリジナルラブストーリーを描き、第34回東京国際映画祭で観客賞/スペシャル・メンションW受賞。
主演には実力・人気を兼ね備え、これまで『君が君で君だ』などで松居監督作品にも多く出演してきた池松壮亮と、今や数々の作品から引く手数多の伊藤沙莉が初共演。その他タクシーの乗客たち、主人公2人が行きつけのバーマスターや常連など個性豊かな登場人物には、永瀬正敏、國村隼、尾崎世界観、河合優実、成田凌を筆頭に豪華キャストが出演する。
(上映時間:115分 )
4月30日(土)~5月13日(金)
コーダ あいのうた
© 2020 VENDOME PICTURES LLC, PATHE FILMS
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
ライブ音声ガイド付き上映
5月9日(月)
ガイド:檀 鼓太郎さん(バリアフリー活弁士)
※音声ガイドご利用の方は、FMラジオとイヤホンをお持ちください。
※ガイド不要な方も、通常と同じくご覧いただけます。
※盲導犬のご入場もできます。
アカデミー賞®の前哨戦ともいわれるサンダンス映画祭で、史上最多4冠に輝き、世界を沸かせた〈必見の1本〉。その日、この映画が上映されるや、各国のバイヤーが配給権に殺到。サンダンス映画祭史上最高額【約26億円】で落札されたことも大きなニュースになった。
主人公のルビーには、大ヒットTVシリーズ「ロック&キー」で一躍人気のエミリア・ジョーンズ。共演は『シング・ストリート 未来へのうた』の主役でも話題のフェルディア・ウォルシュ=ピーロ。ルビーの家族を演じるのは、オスカー女優のマーリー・マトリンを始め全員が実際に聞こえない俳優たち。そのキャスティングにこだわったのは、若き実力派監督シアン・ヘダー。
抱き合い支え合っていた家族が、それぞれの夢に向かって歩き始めることで、さらに心の絆を強くする──熱く美しい瞬間を共に生き、あなたの〈大好きな一本〉になる、爽快で胸熱な感動作。
豊かな自然に恵まれた海の町で暮らす高校生のルビーは、両親と兄の4人家族の中で一人だけ耳が聴こえる。陽気で優しい家族のために、ルビーは幼い頃から“通訳”となり、家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。新学期、秘かに憧れるクラスメイトのマイルズと同じ合唱クラブを選択するルビー。すると、顧問の先生がルビーの歌の才能に気づき、都会の名門音楽大学の受験を強く勧める。だが、ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられず、家業の方が大事だと大反対。悩んだルビーは夢よりも家族の助けを続けることを選ぶと決めるが、思いがけない方法で娘の才能に気づいた父は、意外な決意をし・・・。
(上映時間:112分 )
4月16日(土)~4月29日(金)
※火曜日、水曜日定休
白い牛のバラッド
カンヌ国際映画祭の常連監督であるアスガー・ファルハディらを輩出し、世界的に注目を集める中東のイランから衝撃的な映画が届けられた。第71回ベルリン国際映画祭金熊賞&観客賞にノミネートされた本作は、これが2度目のタッグ作となるベタシュ・サナイハ、マリヤム・モガッダムの共同監督作品である。主人公のミナは、愛する夫を1年前に冤罪で処刑されてしまった女性。女優として長いキャリアを持つモガッダムは主演を兼任し、女性差別的な法律や風習が残るイランの現状を描出。未亡人でシングルマザーでもあるミナの苦闘を通して、“女性の生きづらさ”という普遍的な共感を呼び起こすテーマを追求した。
しかも本作は、多くの観客が予想するような再生や癒やしのドラマではない。日本と同じく死刑制度が存在するイラン社会の不条理に切り込んだモガダム監督は、あらゆる観客の心を激しく揺さぶり、ショッキングな結末が待ち受ける冤罪サスペンスを完成させた。すでに国際的な評価を確立したアスガー・ファルハディ、『悪は存在せず』で第70回ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞したモハマド・ラスロフに続く、新たな才能の誕生を告げる一作である。なお自国ではイラン政府の検閲より正式な上映許可が下りず、3回しか上映されていない。
テヘランの牛乳工場で働きながら耳の聞こえない幼い娘ビタを育てるミナは、1年前に夫のババクを殺人罪で死刑に処せられたシングルマザー。
今なお喪失感に囚われている彼女は、裁判所から信じがたい事実を告げられる。ババクが告訴された殺人事件を再精査した結果、別の人物が真犯人だったというのだ。賠償金が支払われると聞いても納得できないミナは、担当判事アミニへの謝罪を求めるが門前払いされてしまう。理不尽な現実にあえぐミナに救いの手を差し伸べたのは、夫の旧友と称する中年男性レザだった。やがてミナとビタ、レザの3人は家族のように親密な関係を育んでいくが、レザはある重大な秘密を抱えていた。やがてその罪深き真実を知ったとき、ミナが最後に下した決断とは……。
(上映時間:105分 )
4月16日(土)~4月29日(金)
※火曜日、水曜日定休
さがす
©2022『さがす』製作委員会
国内外の錚々たる著名人から激賞を受け、映画ファンに衝撃を与えた映画『岬の兄妹』。今後の映画界を担う新たな才能として“片山慎三”の名を知らしめた。あれから3年、彼の長編2作目にして、商業デビュー作が満を持して誕生。
主演を務めるのは佐藤二朗。映画・テレビドラマ・演劇・バラエティ番組、さらには映画監督に至るまで、幅広い活躍を続ける彼が、監督からの熱望を受け、オファーに応えた。指名手配犯を見かけた翌朝に姿を消した父・原田智役として、彼の苦悩や矛盾を説得力たっぷりに表現。底知れない凄みと可笑しみがせめぎ合う演技はまさに佐藤二朗の真骨頂だ。
消えた父をさがす娘・原田楓役には次世代を担う女優・伊東蒼を抜擢。『湯を沸かすほどの熱い愛』で映画賞レースを席巻し、主演作『島々清しゃ』で毎日映画コンクール
スポニチグランプリ新人賞を受賞。21年には、NHK「ひきこもり先生」「おかえりモネ」、映画『空白』など話題作への出演が続く。オーディションで驚くべき対応力と演技力を見せた気鋭の女優が、人として強く、正しくあろうとする姿と等身大の弱さを繊細に表現し、見るものすべてを驚嘆させる。
指名手配中の連続殺人犯・山内照巳を演じるのは清水尋也。『渇き。』『ホットギミック
ガールミーツボーイ』『東京リベンジャーズ』「おかえりモネ」など数多くの話題作で独特の存在感を放ち続ける“カメレオン俳優”が本作では狂気に満ちた殺人衝動と普通の青年らしさを共存させ、リアリティたっぷりに演じ切る。
自殺志願者・ムクドリ役には森田望智を起用。全世界同時配信されたNetflixドラマ「全裸監督」で一躍注目を浴び、第24回釜山国際映画祭アジアコンテンツアワード最優秀新人賞を受賞。死を切望しつつもどこかあっけらかんとした複雑な役どころを多彩な演技で表現する。
見る者の価値観を覆し、すべての予想を裏切るストーリー。多彩なキャストによる繊細で、リアリティあふれる演技。片山慎三監督が自問自答を繰り返して作り上げた物語は、観客自身の心の奥底にひそむ苦悩や矛盾をあぶり出していく。日本国内のみならず、世界に放つ“唯一無二の衝撃作”が遂に公開!
(上映時間:123分 )
4月16日(土)~4月29日(金)
※火曜日、水曜日定休
ダーク・ウォーターズ
巨大企業が恐れた男
© 2021 STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC.
2016年1月6日のニューヨーク・タイムズ紙に掲載されたその記事には、米ウェストバージニア州のコミュニティを蝕む環境汚染問題をめぐり、ひとりの弁護士が十数年にもわたって巨大企業との闘いを繰り広げてきた軌跡が綴られていた。そしてこの驚くべき記事は、マーベル・シネマティック・ユニバースのブルース・バナー/ハルク役で絶大な人気を博した実力派俳優マーク・ラファロの心を動かした。環境活動家でもあるラファロは、プロデューサーも兼任して映画化に向けて動き出した。ロブをスーパーヒーローでも聖人でもない生身の人間として体現し、観る者の深い共感を呼び起こす。世界有数の化学企業を敵に回したことで生じる強烈なプレッシャー、公私両面の凄まじいストレスなどの“正義の代償”を伝える一方、弱き者を救おうとする弁護士の揺るぎない信念を感動的に演じきった。人命さえ脅かす化学物質の存在が身近な恐怖として描かれ、闇の中の真実をひたむきに追求するロブの姿から目が離せない。
1998年、オハイオ州の名門法律事務所で働く企業弁護士ロブ・ビロットが、見知らぬ中年男から思いがけない調査依頼を受ける。ウェストバージニア州パーカーズバーグで農場を営むその男、ウィルバー・テナントは、大手化学メーカー、デュポン社の工場からの廃棄物によって土地を汚され、190頭もの牛を病死させられたというのだ。さしたる確信もなく、廃棄物に関する資料開示を裁判所に求めたロブは、“PFOA”という謎めいたワードを調べたことをきっかけに、事態の深刻さに気づき始める。デュポンは発ガン性のある有害物質の危険性を40年間も隠蔽し、その物質を大気中や土壌に垂れ流してきたのだ。やがてロブは7万人の住民を原告団とする一大集団訴訟に踏みきる。しかし強大な権力と資金力を誇る巨大企業との法廷闘争は、真実を追い求めるロブを窮地に陥れていくのだった……
(上映時間:126分 )
4月2日(土)~4月15日(金)
※火曜日、水曜日定休
シブコレ
© Compass Film Srl-Italy
© R.T.I. S.p.A.-Rome,Italy,Licensed by Variety Distribution Srl- Rome,Italy.All Rights
reserved.
© LES IMPRODUCTIBLES, KALY PRODUCTIONS et CHARADES PRODUCTIONS
©1993 OMEGA FILM GmbH : NOMAD FILMS S.P.R.I.
<上映作品>
モデル連続殺人!
ルチオ・フルチのマーダロック
地獄の門<4Kレストア版>
あまねき旋律
彼女はひとり
シャイニー・シュリンプス!
レニ
ソドムの市(2004)
プラーグの学生(1913)※弁士・伴奏付き無声映画上映会
3月26日(土)~4月1日(金)
※火曜日、水曜日定休
ロックフィールド
伝説の音楽スタジオ
© 2020 Ie Ie Rockfield Productions Ltd.
1970年代から2000年代にかけてブリティッシュロックの名曲を多数生み出した伝説の音楽スタジオ、ロックフィールドの歴史をたどったドキュメンタリー。1960年代のイギリス。ウェールズの片田舎で家業の酪農場を継いだ音楽好きの兄弟キングズリーとチャールズは、農作業の傍ら、屋根裏に録音機材を持ち込んでレコーディングスタジオをつくる。当初は友人たちと使用する目的だったが、空き部屋を宿泊施設に改修したことで、兄弟は意図せずに世界初となる宿泊可能な滞在型音楽スタジオ、ロックフィールドを設立した。その情報は瞬く間に拡散して国際的な注目を集め、多くの有名ミュージシャンが利用。クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」、オアシスの「ワンダーウォール」など、数え切れないほどの名曲がこのスタジオで誕生した。映画にはオジー・オズボーン、レッド・ツェッペリンのロバート・プラント、オアシスのリアム・ギャラガー、コールドプレイのクリス・マーティンらが登場し、同スタジオでのエピソードを楽曲と共に振り返る。
(上映時間:96分 )
3月19日(土)~4月1日(金)
※火曜日、水曜日定休
ミッドサマー
ディレクターズカット版
© 2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved.
長編デビュー作 『ヘレディタリー/継承
』が世界中で絶賛され、いまハリウッドの製作陣が”最も組みたいクリエイター”として注目しているアリ・アスター監督の最新作。恐怖の歴史を覆す、暗闇とは真逆の明るい祝祭を舞台に、天才的な発想と演出、全シーンが伏線となる緻密な脚本、観る者を魅惑する極彩色の映像美が一体となり、永遠に忘れられない結末に到達する。前代未聞の”フェスティバル・スリラー”がついに日本上陸!
家族を不慮の事故で失ったダニーは、大学で民俗学を研究する恋人や友人と共にスウェーデンの奥地で開かれる”90年に一度の祝祭”を訪れる。美しい花々が咲き乱れ、太陽が沈まないその村は、優しい住人が陽気に歌い踊る楽園のように思えた。しかし、次第に不穏な空気が漂い始め、ダニーの心はかき乱されていく。妄想、トラウマ、不安、恐怖……それは想像を絶する悪夢の始まりだった。
(上映時間:170分 )
3月19日(土)~4月1日(金)
※火曜日、水曜日定休
世界で一番美しい少年
© Mantaray Film AB, Sveriges Television AB, ZDF/ARTE, Jonas Gardell
Produktion, 2021
“世界で一番美しい少年”と称賛され、一大センセーションを巻き起こした少年がいた。巨匠ルキノ・ヴィスコンティに見出されて映画『ベニスに死す』(71)に出演、美少年タジオ役の崇高な美しさで世界を陶酔させたビョルン・アンドレセン。来日時には詰めかけたファン達の熱狂で迎えられたが、その瞳には、憂いと怖れ、生い立ちの秘密が隠されていた・・・。そして約50年後。伝説のアイコンは、『ミッドサマー』(19)の老人ダン役となって私達の前に現れ、話題となる。彼の人生に何があったのか。『ベニスに死す』に隠された真実。“世界で一番美しい少年”が見た天国と地獄。50年の時を経て、今、すべてが明かされる——。
リゾート地で出会った少年タジオの美貌に魅了され、苦悩する初老の芸術家の姿を描いた、トーマス・マンの自伝的小説の映画化『ベニスに死す』。すべての始まりは、究極の美を持つ“タジオ”になり得る少年を探し続けていた巨匠ルキノ・ヴィスコンティとの出会いだった。ヨーロッパ各国におよんだ大規模なオーディションにおいて、ストックホルムに暮らす15歳のビョルンの存在感は、ヴィスコンティを一瞬で確信に導く。ビョルンの運命を変えたその瞬間のオーディションの光景や映画の撮影風景、カンヌ国際映画祭の華やかな狂騒から来日時のファン達の熱狂まで・・・。『ベニスに死す』にまつわる豊富なアーカイブ映像とビョルンの回顧が、傑作の裏側を描き出す。浮き彫りになるのは、守る者が誰もいないまま、熱狂の嵐に巻き込まれていった孤独な少年の悲劇。さらには、英国ロイヤル・ワールド・プレミアにて初めてヴィスコンティの口から発せられた“世界で一番美しい少年”という表現が、その後の彼の人生を運命づけるものとなる。
(上映時間:98分 )
3月19日(土)~3月25日(金)
※火曜日、水曜日定休
食の安全を守る人々
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
舞台挨拶決定
3月19日(土)10:30の回上映後
ゲスト:原村政樹監督
3月24日(木)10:30の回上映後
ゲスト:山田正彦プロデューサー
※イベントは15分前後を予定
※予約なし
※無料鑑賞なし
種子法廃止、種苗法の改定、ラウンドアップ規制緩和、そして表記無しのゲノム編集食品流通への動きと、TPPに端を発する急速なグローバル化
により日本の農と食にこれまで以上の危機が押し寄せている。しかし、マスコミはこの現状を正面から報道するこ とはほとんどなく 、日本に暮らすわたしたちの危機感は薄いのが現状である。
この趨勢が続けば多国籍アグリビジネスによる支配の強まり、食料自給率の低下や命・健康に影響を与えることが懸念される中、弁護士で元農林水産大臣の
山田正彦が、長年、農業をテーマに制作を続けている原村政樹監督との二人三脚で撮影を進め、日本国内だけでなく、アメリカでのモンサント裁判の原告や、子どものために国や企業と闘う女性、韓国の小学校で普及するオーガニック給食の現状など幅広く取材。
果たして日本の食の幸せな未来図はどこに・・・。
2020年第94回キネマ旬報文化映画ベスト・テン第7位に選出され、同年の第38回日本映画復興奨励賞を受賞した『タネは誰のもの』のベースとなり、クラウドファンディングでも1600人以上から支援が集まり話題を呼んだ本作。山田正彦プロデューサーと原村政樹監督のタッグに加えて女優で作家、ダンサーの杉本彩がナレーションを担当。前作と本作を通して、農と食のあるべき姿が見えてくる
。
(上映時間:103分 BD上映)
3月5日(土)~3月18日(金)
※火曜日、水曜日定休
チェチェンへようこそ
ーゲイの粛清ー
ロシア支配下のチェチェン共和国で国家主導の”ゲイ狩り”が横行している。同性愛者たちは国家警察や自身の家族から拷問を受け、殺害され、社会から抹消されている。それでも決死の国外脱出を試みる彼らと、救出に奔走する活動家たちを追った。本作品では、被害者の命を守るため、フェイスダブル技術を駆使し身元を特定不能にしている。
作家としても受賞歴があり、アカデミー賞ノミネートの経歴を持つデイヴィッド・フランスが監督を務める。(『HOW TO SURVIVE A
PLAGUE(疫病を生き抜く)』『マーシャ・P・ジョンソンの生と死』)彼は、本作『チェチェンへようこそーゲイの粛清ー』において、これまでも重要なテーマとしてきたLGBTQ問題を前面に打ち出し、ロシアのチェチェン共和国で現在起こっている人道的危機の驚くべき実態を伝える。
フランス監督は、チェチェン共和国当局によるLGBTQ迫害の犠牲者を救出する活動家たちの中に入り、ゲリラ撮影の手法で彼らが直面する困難と日々の地下活動を撮影した。チェチェンではゲイやトランスジェンダーであることは悪とされている。当局が関与する拘留、拷問、命の危険に瀕し、LGBTQの人々は息をひそめ恐怖に怯えて暮らしている。ロシアLGBTネットワークや、モスクワLGBT+イニシアティブコミュニティセンターの活動家グループに密着して撮影された映像は、LGBTQに対する恐ろしく残忍な虐待の様子を伝え、隠されてきた残虐行為と危機的状況を暴き出す。
(上映時間:107分 )
3月5日(土)~3月18日(金)
※火曜日、水曜日定休
リトル・ガール
©AGAT FILMS & CIE – ARTE France – Final Cut For real - 2020
フランス北部、エーヌ県に住む少女・サシャ。出生時、彼女に割り当てられた性別は“男性”だったが、2歳を過ぎた頃から自分は女の子であると訴えてきた。しかし、学校へスカートを穿いて通うことは認められず、バレエ教室では男の子の衣装を着せられる。男子からは「女っぽい」と言われ、女子からは「男のくせに」と疎外され、社会はサシャを他の子どもと同じように扱わない……。
トランスジェンダーのアイデンティティは、肉体が成長する思春期ではなく幼少期で自覚されることについて取材を始めた監督は、サシャの母親カリーヌに出会った。長年、彼女は自分たちを救ってくれる人を探し続けて疲弊していたが、ある小児精神科医との出会いによって、それまでの不安や罪悪感から解き放たれる。そして、他の同じ年代の子どもと同様にサシャが送るべき幸せな子供時代を過ごせるよう、彼女の個性を受け入れさせるために学校や周囲へ働きかける。まだ幼く自分の身を守る術を持たないサシャに対するカリーヌと家族の献身、言葉少なに訴えるサシャ本人の真っ直ぐな瞳と強い意志が観る者の心を震わせる。
※
作中では「身体は男性」という表現が出てきますが、身体こそ「自然」で、本質的とする考えからトランスジェンダーの人々への「身体的男性/女性」や「生物学的性別」などの表現が、差別や偏見を助長する文脈でも使われることがあるため、ご注意いただければ幸いです。
(上映時間:85分 )
3月5日(土)~3月18日(金)
※火曜日、水曜日定休
成れの果て
©2021 M×2 films
本作の原作となるのは、劇作家・映像作家のマキタカズオミが主宰する劇団・elePHANTMoonが2009年に上演した同名戯曲。上演されるやいなや、出演者の鬼気迫る演技と巧みなシナリオが評判を呼び、2009年度サンモールスタジオの最優秀脚本賞を受賞した。当時の小演劇界の話題を席巻した傑作が、12年の時を経て映画で甦る。
主人公・小夜を演じるのは、「街の上で」「花束みたいな恋をした」「佐々木、イン、マイマイン」「アンダードッグ」など、数多くの話題作に出演してきた萩原みのり。邦画ファンの信頼厚い若手女優となった彼女が、「お嬢ちゃん」以来3年ぶりに単独主演を果たす。そして脇を支えるキャストには、「千と千尋の神隠し」の千尋役をはじめ、数々の映画やドラマ、アニメ活躍する柊瑠美、「あの頃。」「21世紀の女の子」など、様々な邦画作品を彩ってきた木口健太、「カメラを止めるな!」のヒロイン役で話題となり「オー!マイ・ボス!恋は別冊で」などテレビドラマでも活躍中の秋山ゆずき、「全裸監督」「来世ではちゃんとします」などでの個性的な佇まいが話題の後藤剛範など、確かな実力を持った面々が集結。
メガホンを取るのは「gift」「恐怖人形」など数多くの映画やテレビドラマの演出を手がける注目の若手監督、宮岡太郎。かつてリアルタイムで「成れの果て」の舞台版を観て衝撃を受けた彼が、自主製作映画として完成させた、観た者の心に爪痕を残す衝撃のヒューマンドラマだ。
(上映時間:81分 )
2月19日(土)~3月4日(金)
※火、水曜日定休
空白
ある日突然、まだ中学生の少女が死んでしまった。スーパーで万引きしようとしたところを店長に見つかり、追いかけられた末に車に轢かれたというのだ。娘のことなど無関心だった少女の父親は、せめて彼女の無実を証明しようと、店長を激しく追及するうちに、その姿も言動も恐るべきモンスターと化し、関係する人々全員を追い詰めていく。
『新聞記者』『MOTHER
マザー』のスターサンズが、『ヒメアノ~ル』『愛しのアイリーン』などで、衝撃と才能を見せつけた監督・𠮷田恵輔とタッグを組み、現代の「罪」と「偽り」そして「赦し」を映し出す、𠮷田恵輔監督オリジナル脚本で挑むヒューマンサスペンス。
観る者の心臓をあわだてる悪夢のような父親・添田充を、7年ぶりの主演映画となる古田新太が演じる。土下座しても泣いても決して許されず、人生を握りつぶされていくスーパーの店長・青柳に、古田新太と実写映画初共演となる松坂桃李。その他
出演者には、田畑智子、藤原季節、趣里、伊東蒼、
片岡礼子、そして寺島しのぶなど実力派俳優から、眩しいまでの才能を放つ若手までが揃った。この現代に生きるすべての人々の、誰の身にも起こりえる出来事に鋭く視線を向けた監督・𠮷田恵輔の「脚本」に俳優陣がケレン味なく体当たりした。
(上映時間:107分 )
2月19日(土)~3月4日(金)
※火、水曜日定休
BLUE/ブルー
©2021『BLUE/ブルー』製作委員会
リアリティ溢れる描写で人間の光と影を表現し続ける𠮷田恵輔。30年以上続けてきたボクシングを題材に自ら脚本を書き上げ、「流した涙や汗、すべての報われなかった努力に花束を渡したい気持ちで作った」と語る本作で描いたのは、成功が約束されていなくとも努力を尽くす挑戦者たちの生き様。主演は演技派俳優として確固たる地位を築く松山ケンイチ。同じジムに所属する仲間を東出昌大と柄本時生が演じ、『聖の青春』以来5年ぶりの共演を果たす3人の掛け合いも見所。ヒロインは𠮷田監督作品への出演を熱望した木村文乃。実力派キャストが集結し、理想と現実の間で悩みながら生きる登場人物たちを熱演。夢に焦がれた若者たちの葛藤だらけの青春の日々が、観客の心に深い余韻を残す。
誰よりもボクシングを愛する瓜田は、どれだけ努力しても負け続き。一方、ライバルで後輩の小川は抜群の才能とセンスで日本チャンピオン目前、瓜田の幼馴染の千佳とも結婚を控えていた。千佳は瓜田にとって初恋の人であり、この世界へ導いてくれた人。強さも、恋も、瓜田が欲しい物は全部小川が手に入れた。それでも瓜田はひたむきに努力し夢へ挑戦し続ける。しかし、ある出来事をきっかけに、瓜田は抱え続けてきた想いを二人の前で吐き出し、彼らの関係が変わり始めるー。
(上映時間:107分 )
2月19日(土)~3月4日(金)
※火、水曜日定休
パーフェクト・ノーマル・ファミリー
© 2019 NORDISK FILM PRODUCTION A/S
デンマークの郊外で暮らすエマ(カヤ・トフト・ローホルト)は、地元のサッカークラブで活躍する11歳の女の子。幸せな家庭で充実した日々を送っていた。ところがある日突然、両親から離婚すると告げられたことで彼女の日常が一変する。しかも離婚の理由は“パパが女性として生きていきたいから”だった。ホルモン治療によって日に日に女性らしくなるパパのトマス(ミケル・ボー・フルスゴー)が、やがて性別適合手術を受けるという現実をエマは受け入れられず、ひとり思い悩んで寂しさを募らせ、時にはやるせない苛立ちを爆発させる...。
「大嫌い。パパなんか死んじゃえ!」。そう叫びながらも、本当はパパのことが大好きなエマが、幾多の葛藤の果てに気づいた自分の気持ちとは――。
デンマーク・アカデミー賞で9部門にノミネートされ、メイクアップ賞、児童青少年映画賞を受賞した本作は、女優として活動したのち、数多くの短編映画を発表してきたマルー・ライマン監督の初長編作だ。近年、世界中でセクシュアルマイノリティの多様性や人権に光をあてた映画が盛んに作られているが、本作はトランスジェンダーをカミングアウトする当事者ではなく、その娘である少女の視点で全編が語られる点が新鮮にしてユニーク。
この90年代末を背景にした家族の物語は、11歳の時に父親が女性になった経験を持つライマン監督の自伝的な作品なのだ。自らの実体験に基づくエピソードをちりばめて、主人公エマの複雑な感情を繊細かつリアルにすくい取っていく。
見た目も身体も男性から女性に変わったパパは、“今までのパパ”とは少し違うかもしれないけど、愛する気持ちは変わらない――。その大切な思いを確かめていくエマの成長を愛おしく紡ぐ、清々しい余韻をもたらす珠玉作が誕生した。
(上映時間:97分 )
2月12日(土)~2月18日(金)
※火、水曜日定休
シネマ狂想曲
〜名古屋映画館革命〜
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
完全オフレコアフタートーク
2月12日(土)17:00の回上映後
ゲスト:
坪井篤史氏(シネマスコーレ副支配人)
O氏(某映画館スタッフ)
白石晃士監督
MC:
飯島千鶴(川越スカラ座番組編成)
メ~テレ(名古屋テレビ放送)が制作し、2017年2月1日に放送したテレビドキュメンタリー「シネマ狂騒曲 名古屋映画館革命」の劇場版。名古屋のミニシアター「シネマスコーレ」の副支配人・坪井篤史氏に密着し、名古屋を映画で一番熱い地にしようとミニシアターで様々な上映企画やイベントを行い、プライベートではVHS映画を7000本以上も所持するなど、映画愛にあふれる坪井氏の生き様や、その周辺の人々との交流を描く。ナレーションは俳優の竹中直人。
(上映時間:65分 )
2月12日(土)~2月18日(金)
※火、水曜日定休
白石晃士監督特集
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
「白石晃士監督特集」監督舞台挨拶
2月12日(土)15:30の回上映後
ゲスト:
白石晃士監督
『超エドガーケイシー』
『恋のクレイジーロード』
『メイキング・オブ・クレイジーロード』
2月12日(土)~2月18日(金)
※火、水曜日定休
ボストン市庁舎
© 2020 Puritan Films, LLC – All Rights Reserved
市役所割
市役所(都道府県・区・町・村の役所も含む)で働く職員の皆さまは、窓口での「職員証提示」で、特別料金2,200円でご覧いただけます。
『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』で知られるドキュメンタリー界の“生ける伝説”フレデリック・ワイズマンが選んだ新作の舞台は、ワイズマン生誕の地でもあるマサチューセッツ州のボストン市庁舎。カメラは飄々と市庁舎の中へ入り込み、市役所の人々とともに街のあちこちへ動き出す。そこに映し出されるのは、警察、消防、保健衛生、高齢者支援、出生、結婚、死亡記録など、数百種類ものサービスを提供する市役所の仕事の舞台裏。ワイズマンが軽やかに切り取るこれらの諸問題は、長年にわたり彼が多くの作品で取り上げてきた様々なテーマに通じ、まさにワイズマンの「集大成」ともいえる仕上がりだ。2020年「カイエ・デュ・シネマ」誌ベスト1に選出。
多様な人種・文化が共存する大都市ボストンを率いるのは、アイルランド移民のルーツを持つ労働者階級出身のマーティン・ウォルシュ市長(2021年3月23日よりアメリカ合衆国労働長官に就任)。2018~19年当時のアメリカを覆う分断化の中、「ここではアメリカ合衆国の問題を解決できません。しかし、一つの都市が変われば、その衝撃が国を変えてゆくのです。」と語る市長と市職員たちの挑戦を通して「市民のための市役所」の可能性が見えてくる。それはコロナ禍で激変する日本社会に暮らす私たちにもますます切実な問題だ。私たちが知る<お役所仕事>という言葉からは想像もできない、一つ一つが驚きとユーモアと問題提起に満ちた場面の数々。ボストン市庁舎を通して「人々がともに幸せに暮らしていくために、なぜ行政が必要なのか」を紐解きながら、いつの間にかアメリカ民主主義の根幹が見えてくるドキュメンタリーが誕生した。
上映時間:本編:274分(前半:133分 後半:141分)休憩あり DCP上映
2月5日(土)~2月11日(金)
※火、水曜日定休
ウルフウォーカー
©WolfWalkers 2020
中世アイルランドの町キルケニー。イングランドからオオカミ退治のためやってきたハンターを父に持つ少女ロビンが、森の中で友だちになったのは“ウルフウォーカー”のメーヴだった。人間とオオカミがひとつの体に共存しているばかりか、魔法の力で傷を癒すヒーラーでもある彼女とロビンが交わした約束は、図らずも父を窮地に陥れるものだった。だが、少女は勇気を持って信じる道を進もうとする。
この作品は世界的なロックダウン中に完成した。共同監督のトム・ムーアは「現在の危機の大部分は、私たちグローバル社会が動物に対して行ってきた、無計画かつ好ましくない態度が生んだものだ。」*と語る。少女ロビンはなんとかしてオオカミを殺さず、人間との共存の道を探そうとする。古代ケルトの人々はオオカミを自分たちより強い生き物と捉え、尊敬の念をもって接したという。自然の中では人間も動物も先祖から受け継いだ生命を、次の時代につなぐ役目を果たす。全ての生命に対して謙虚であろうとすること、それが本作の持つ優しさの由縁だ。アイルランドでは1786年を最後にオオカミは絶滅してしまった。長い間語り継がれた伝説に新しい生命がふきこまれ、魅力的なキャラクターと共に再生した物語は、深い傷を負った現代を生きる私たちに、優しい感情を取り戻させてくれる。 *IndieWire
4.27.2020
『ブレンダンとケルズの秘密』(2003)『ソング・オブ・ザ・シー海のうた』(14)『ブレッドウィナー』(17)と製作した長編作品すべてがアカデミー賞にノミネートされ新作を最も待ち望まれるアニメーション・スタジオの一つ、カートゥーン・サルーン。本作はケルトの伝説に着想を得た『ブレンダンとケルズの秘密』『ソング・オブ・ザ・シー海のうた』に続く三部作の最終作として構想から7年をかけて製作され、2D手描きアニメーションの世界観はそのままに、今回新たにオオカミから見た風景を、3Dソフトウェアを使ってダイナミックなカメラワークで表現している。森の生物や植物などスタジオ史上最多のキャラクターが登場し、オオカミの群れとの迫力ある闘いのシーンなどエンターテイメント性の高いファンタジー作品に仕上がった。
1月29日(土)~2月11日(金)
※火、水曜日定休
グレタ
ひとりぼっちの挑戦
© 2020 B-Reel Films AB, All rights reserved.
気づいてほしい。気候変動の問題は深刻な危機であることを。私たちはどう生きるのか、この映画を見て考えてほしい。
「私が学校ストライキを始めたことで、いろいろなことが起こったのは確かだけど、残念ながら私たちはまだ出発点から先に進んでいない。今はまだ必要な変化や問題意識の高まりもまったく見えてこない。とにかく私たちが求めているのは、社会に気候問題を危機として捉えること、そして、安全な未来を守ってほしいということだけ。映画を見れば、その実現までどれ程遠いのか分かってもらえるはず。もう時間がないんだという科学的なメッセージが伝わっていないことも」グレタ・トゥーンベリ
(上映時間:101分 )
1月29日(土)~2月11日(金)
※火、水曜日定休
ちょっと北朝鮮まで
行ってくるけん。
熊本県で訪問介護の仕事をしている林恵子、67歳。子どもたちはすでに独立。休日は友人らとカラオケや居酒屋に通い、一見平穏な日常を送っている。
しかし恵子には、家族や親しい友人にも語ってこなかった、ある秘密があった。それは実の姉が北朝鮮にいるということ。20歳上の姉、愛子は1960年に在日朝鮮人の夫とともに北朝鮮に渡っていった。渡航後、手紙で伝えられる姉の変貌ぶりに、恵子はやがて落胆し、反発。そして絶縁する。その後、日朝関係は悪化し、互いに音信不通の状態に。58年の歳月が流れていった。
そんなある時、姉の消息が知らされる。人生の残り時間が少なくなる中、姉への思いが再び頭をもたげ始めた恵子。「拉致されたらどうするんだ」という子どもたちの反対を押し切り、恵子は訪朝を決意。人生初めての海外旅行が北朝鮮となった。
“謎の隣国”で目にする未知の世界。それはその後の恵子の人生をも変えていく…。
半世紀以上にわたり、政治や時代に翻弄されてきた家族たちの姿を描く異色のドキュメンタリー作品。
(上映時間:115分 )
1月22日(土)~2月4日(金)
※火、水曜日定休
香川一区
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
上映記念特別トークイベント
1月29日(土)15:00の回上映後
ゲスト:
大島新監督
沢田稔行氏(埼玉新聞編集局長)
特別料金
一般、シニア:2,000円
大学生、高校生:1,800円
障碍者:1,400円
その他割引なし(小中学生以外)
無料鑑賞なし
衆議院議員・小川淳也氏(50歳・当選5期)の初出馬からの17年間を追った『なぜ君は総理大臣になれないのか』(2020年公開)は、ドキュメンタリー映画としては異例の観客動員35,000人を超える大ヒットを記録、キネマ旬報ベスト・テンの文化映画第1位を受賞し、NetflixやAmazonプライムビデオなどで配信され、今なお広がり続けている。
続編への期待が寄せられる中、次作に向けて小川議員への取材を続けていたが、2021年秋に行われた第49回衆議院議員総選挙に焦点を当てた新作ドキュメンタリー『香川1区』の公開を急遽決定。
本作は『なぜ君…』の続編的位置付けとして、いまや全国最注目といわれる「香川1区」の選挙戦を与野党両陣営、各々の有権者の視点から描き、日本政治の未来を考える一作として世に問いかけたい。
(上映時間:156分 )
1月15日(土)~1月28日(金)
※火、水曜日定休
ビルド・ア・ガール
©MONUMENTAL PICTURES, TANGO PRODUCTIONS, LLC,CHANNEL FOUR TELEVISION
CORPORATION, 2019
主人公のジョアンナを演じるのは、『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』や『レディ・バード』での名演技で強烈な印象を残した新星ビーニー・フェルドスタイン。劣等感もパワーに変えて、自らの力で未来を切り開くヒロインを魅力たっぷりに熱演する!
そんな彼女が初めて恋するロック・スターのジョンを演じるのは、人気ドラマシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』のシオン・グレイジョイ役で注目を集めたアルフィー・アレン。ミステリアスな雰囲気と大人の包容力を備えた、ヒロインに寄り添う紳士を好演する。さらに主人公の運命を占う重要な役どころでオスカー女優のエマ・トンプソンが登場。
オアシス、ブラー、プライマル・スクリーム、ハッピー・マンデーズやマニック・ストリート・プリーチャーズといった人気バンドが旋風を巻き起こした90年代前半のUKロックシーン。原作はキャトリン・モランの半自伝的小説「How
To Build A Girl」で、脚本も彼女自身が担当。当時のロック・ジャーナリズム業界の裏事情もうかがい知れる。
「何かが起こるのを待っていても人生は変わらない!」と、勇気を出して初めての世界へ一歩踏み出したジョアンナは、数々の失敗を経験する。それでも“いま”のジブンをフル活用し困難に立ち向かう。その姿には世代を超えて、誰もが勇気をもらえるはず。がむしゃらに突き進むジョアンナに共感せずにはいられない!
(上映時間:105分 )
1月15日(土)~1月28日(金)
毎週火曜日定休
劇場版SOARA2
I Will.
-君が未来を歩くとき-
©ALIVE THE MOVIE2
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
『I will. - 君が未来を歩くとき -』舞台挨拶
1月15日(土)13:00の回上映後
ゲスト:
堀田竜成さん(大原空役)
植田慎一郎さん(宗像廉役)
青春音楽映画「ALIVEシリーズ・劇場版SOARA『LET IT BE -君が君らしくあるように-』」(2019年10月公開)に続く、青春音楽映画第2弾が登場!
原作は2.5次元に存在する架空の芸能プロダクション、ツキノ芸能プロダクション(通称:ツキプロ)がお届けする豪華声優陣出演のドラマCD 「ALIVE(アライブ)」シリーズ。
物語の舞台は前作から1年後、2016年の冬の川越。「今を生きる等身大の音楽」を届けるバンド
「SOARA(ソアラ)」と、良きライバルであるGrowth(グロース)が織りなす日常ドラマの中から、ドラマCD1stシーズン4巻の内容を中心に、
空(そら)たち3年生の卒業までを描きます。学生であったあなたと、学生であるあなたに。未来へ続く一歩を踏み出す勇気と、旅立ちのエールを送ります。
「三年生を送る会」の出し物として即席バンドを組んだ大原 空、在原守人、神楽坂宗司、宗像 廉、七瀬
望の5人は、音楽の楽しさを知って正式にバンドを結成。青春バンド『SOARA』として、ツキノ芸能プロダクションの新人発掘オーディションに挑戦するこ とに。挑戦は思いがけずうまくいき、残すは最終審査のみ。
しかし、高校3年生の空・守人・宗司は大学受験もまた目前に迫っていた。別々の大学を目指す3人と、後輩として
彼らを送り出す立場の廉と望。全員一丸となって受験とオーディションの両立に張り切る一方で「卒業」という一つの区切りは近づいていて…。去るもの。送る
もの。楽しかった高校生活の終わり。彼らは未来に向かって歩もうとしていた。
(上映時間:105分 DCP上映)
1月15日(土)~1月21日(金)
毎週火曜日定休
劇場版SOARA
LET IT BE
-君が君らしくあるように-
©ALIVE THE MOVIE
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
『LET IT BE - 君が君らしくあるように -』
舞台挨拶
1月15日(土)10:30の回上映後
ゲスト:
堀田竜成さん(大原空役)
植田慎一郎さん(宗像廉役)
2.5次元に存在する架空の芸能事務所として、CD、アニメ、ライブ、舞台といった様々なメディアミックス展開を行う「ツキノ芸能プロダクション(通称ツキプロ)」、初の実写映画が遂に実現!
ツキプロ所属の音楽ユニット、「SOARA(ソアラ)」のはじまりの物語をお届けします。
「SOARA」メンバーの高校生時代を演じるのは、ネクストブレイク必至なフレッシュな俳優陣。大原空役をオーディションで選ばれ、見事主演の座を射止めて本作がデビューとなる堀田竜成。在原守人役を舞台「テニスの王子様」出身で数多くの舞台に出演している石渡真修。神楽坂宗司役をモデル、舞台、CM等で活躍中の吉田知央。宗像廉役をジュノン・スーパーボーイ・コンテストのファイナリストを経て、声優、舞台で注目を集める植田慎一郎。原作であるドラマCD、アニメと七瀬望の声を担当してきた沢城千春が七瀬望を演じている。
また、人気声優の江口拓也、土岐隼一がカメオ出演しているのも話題となっている。
音楽が大好きな少年・大原空は、中学二年生の時に授業の課題で一曲の歌、「LET IT BE」を作る。それを軽い気持ちで動画サイトにアップしたところ、一夜にして大ヒット。
一般のニュースにも取り上げられて、一躍時の人となったのだった。自信を持った空は楽曲制作に夢中になっていく。しかし、その後作った歌の評判はどれも思わしくなく、ついには空を攻撃するようなコメントも飛び交うように。
傷ついた空は、音楽に触れることをやめたのだった。
時は流れ、空は高校二年生となり、「三年生を送る会」のメンバーとして、校内を忙しく走り回っていた。会の目玉の一つとして、在原守人、神楽坂宗司、宗像廉、七瀬望と即席バンドを組んでライブをすることになったのだ。
(上映時間:103分 DCP上映)
1月8日(土)~1月14日(金)
※1月11日(火)と1月12日(水)は休館
南極料理人
©2009『南極料理人』製作委員会
南極観測隊に料理人として参加した、西村淳原作のエッセー「面白南極料理人」を映画化した癒し系人間ドラマ。南極の基地内で単身赴任生活を送る8人の男性たちの喜怒哀楽を、数々のおいしそうな料理とともに見せる。料理人を演じるのは、ここのところ『ジェネラル・ルージュの凱旋』など話題作への出演が相次ぐ堺雅人。共演の生瀬勝久や高良健吾ら新旧の実力派俳優たちとともに、絶妙のアンサンブルで展開するユーモラスな物語に魅了される。
1月3日(月)~1月14日(金)
※1月11日(火)と1月12日(水)は休館
子供はわかってあげない
©2020 「子供はわかってあげない」製作委員会 ©田島列島/講談社
※イベントは終了しました。ありがとうございました。
舞台挨拶
1月9日(日)12:40の回上映後
沖田修一監督
高校2年、水泳部女子の美波はある日、書道部男子のもじくんとの運命の出会いをきっかけに幼い頃に別れた父親の居所を探しあてる。何やら怪しげな父にとまどいながらも、海辺の町で夏休みをいっしょに過ごすが。。。
心地よい海風、爽やかに鳴る風鈴。…超能力!?そして、初めての恋に発狂しそう!お気楽だけど、けっこう怒濤の展開。誰にとっても、宝箱のような夏休み。はじまりはじまり~。
主人公の美波役には、『未来のミライ』「義母と娘のブルース」「いだてん〜東京オリムピック噺〜」ほか映画・ドラマと話題作に次々と出演し、瑞々しい魅力と確かな演技力で引っぱりだこの上白石萌歌。相手役のもじくん役には、超新人ながら石井裕也監督作『町田くんの世界』の主演に大抜擢され話題を呼んだ細田佳央太。そんなふたりを取り巻く個性豊かな大人たちには、豊川悦司、千葉雄大、斉藤由貴、古舘寛治ほか名優陣が勢ぞろいし、物語をカラフルに広げます。
原作は、長編デビュー作ながら「マンガ大賞2015」2位にランクインした、軽やかで味わい深い傑作として熱烈な支持を集める田島列島の『子供はわかってあげない』。そして今、最も新作が望まれる『南極料理人』『横道世之介』の沖田修一が監督を務め、初の漫画原作映画化で、高校生の青春物語を生き生きと描き、クライマックスでは新境地開拓が観られる!?
本作の全編に流れるのは、肯定のまなざし。なにげに「ワケあり」だったりする人々の事情も、ゆるやかに優しく受け止めていく。今だからこそ届けたい、ユーモアあふれる温かな傑作が誕生!
(上映時間:138分 )
1月3日(月)~1月14日(金)
※1月11日(火)と1月12日(水)は休館
モリのいる場所
© 2017「モリのいる場所」製作委員会
山崎努演じるが神守(熊谷守一)は94歳。猫、蟻、カマキリ、揚羽蝶、鬼百合・・・毎日、庭の小さな生命たちを飽く事なく眺め、絵を描いてきました。50歳を過ぎてようやく認められ、近頃はどうにか暮らせるようになったけれど・・・相変わらず周囲の期待通りに筆が進みません。
樹木希林が演じる妻・秀子は76歳。生活のことなどどこ吹く風の夫と世間の間に立ち、時に光と影を包み込み、毎夜アトリエにお送りだします。
昭和49年の東京。
30年間自宅のちっちゃな庭を探検し、草花や生き物たちを飽きもせずに観察し、
時に絵を描く画家モリ(94歳)とその妻秀子(76歳)。
52年の結婚生活同様、味わいを増した生活道具に囲まれて暮らすふたりの日課は、ルール無視の碁。
暮らし上手の夫婦の毎日は、呼んでもいないのになぜか人がひっきりなしにやってきて大忙し。
そんな二人の生活にマンション建設の危機が忍び寄る。
陽がささなくなれば生き物たちは行き場を失う。
慈しんできた大切な庭を守るため、モリと秀子が選択したこととはーー。